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ヨンア、39歳のリアル。トップモデルが語る人生とキャリアの転機【私の“ここから”#01】

人生には、何度でも「ここから!」と言える瞬間があります。この連載では、自分らしく生きる人々にインタビューし、仕事やライフスタイル、価値観など、それぞれの「次の章」に迫ります。 初回のゲストは、20年以上にわたり日本のトップモデルとして活躍してきたヨンアさん。明るく自然体な魅力で多くの女性から支持される一方、その裏にはプレッシャーや葛藤があったはずです。39歳を迎えた今、彼女にこれからの生き方、キャリア、価値観の変化について伺いました。
ヨンア 
Profile

ヨンア・よんあ
1985年、韓国・ソウル市生まれ。高校時代にスカウトされて芸能活動をスタート。日本のCMに抜擢され活動拠点を日本へ移す。『Oggi』の専属モデルをきっかけに、2004年に来日し、以降は、日本でモデルとして活動。『Oggi』『BAILA』『Marisol』など数々のファッション誌のカバーを飾るほか、CMやバラエティなどでも幅広く活躍。2018年に自身のブランド『COEL』、2021年に『narin.』を立ち上げ、ディレクターとして企画・デザイン・販売にも携わっている。Instagram: @youn1029

つねに自分と向き合って、よい状態でいられるように

━━ヨンアさんが日本でモデルの仕事を始めたのは2004年、19歳の時ですよね。当初は苦労されたこともあったのではないですか。

 

もともと韓国でも女優やモデルのお仕事をしていて、それを見た日本の関係者に声をかけていただいたんです。雑誌の専属モデルが決まっていたので、仕事が取れなくてつらいというようなことはなかったんですけど、日本語が全然話せなかったので、最初は言葉の壁があって。いつも辞書を持ち歩いて、独学で少しずつ覚えていった感じです。あとつらかったのはホームシック。初めて家族と離れてのひとり暮らしだったし、最初は友達もいなかったので、すごく寂しかったです。

━━そこから一気に駆け上がっていったわけですが、モデルとして自信がついたのはいつ頃ですか。

 

初めて雑誌の表紙が決まった時かな。2006年ですね。表紙を飾るようなモデルさんになりたいというのがひとつの目標で、そのために自分磨きもたくさんしていたので、決まった時は興奮しました。韓国人モデルとしては初めてということもあったから頑張らなきゃって。撮影前夜はドキドキして眠れなかったくらい。今思うと可愛かった(笑)。

ヨンア、39歳のリアル。トップモデルが語る人生とキャリアの転機【私の“ここから”#01】_1_2

━━愛らしくて前向きなオーラは今でも健在ですよ! そしてずっと変わらずに自然体でいるところも素敵です。たくさんのプレッシャーの中で、どんなふうに自分を保ってきましたか。

 

基本的に前向きな性格というのもあるけれど、何かうじうじ悩んだりするのがいやなんですね。ストレスを抱えると顔にも出るし、肌にも出る。隠せないんですよ。誌面で見た時、読者にハッピーなオーラを感じてもらえない。だからつねに自分をちゃんと見るようにしています。そして自分の気持ちが落ちそうな時は、睡眠を長くとったり、おいしいものを食べたり、旅行で気分転換したりして、つねに楽しくよい状態でいられるようにしています。

━━だから20年以上もトップでいつづけることができるんですね。では、これまでモデルとしてピンチ! みたいなことはなかったのでしょうか。

 

ピンチ、ありました。産後ですね。

まずつわりがすごかったんです。それも何か口に入れていないと気持ち悪かったので、ずっと食べ続けていたら24キロも太っちゃって(笑)。しかも出産1カ月後に下着のCM撮影が入っていたんですよ!

━━それは大ピンチですね(笑)。

 

私はなぜか子供を産んだら、すっきり痩せると思っていたのに、出産後も全然おなかが引っ込まなくて、「まだおなかにいる!」って(笑)。泣きながらマネージャーに電話したんですけど、延期はできないし。それで毎日マッサージに通って、かなり無理して痩せました。なんとか撮影に間に合ったけど、あれはつらかった!

自分より大切な存在ができて、 ライフスタイルも変化

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━━━━その出産ですが、2016年に第一子が誕生しました。大きな転機となったそうですね。

 

そうですね。それまでは仕事一筋でしたけど、自分より大事な存在ができて、ライフスタイルも変わりました。昔は自分のためだけにしか生きていなかったけど、今は子供とのんびり過ごす時間が好きになりました。

━━仕事と子育ての両立はたいへんではないですか。

 

仕事は息子が学校から帰る前に終えられるようにしています。スタッフの皆さんに甘えて、時間を調整してもらっているのでありがたいですね。週末はパパが息子の面倒を見てくれることも多いし、家を長く空ける時は、韓国から母が 来て助けてもらったり。

それに今は息子も大きくなったので、だいぶ楽になりました。出産してから5~6年は、自分のケアが全然できていなかったけれど、最近は週に1~2回はジムに通う時間もできたし。自分の時間がなくてイライラしちゃうママさんもいると思うけれど、本当によくわかる。

だから最近は全部自分でやろうとしていた気持ちを捨てて、人に任せられるところは任せるようにしています。お掃除まで手が回らなくなりそうな時は、服をひとつ買うのを我慢して、お掃除の人を頼むとか。全部自分でやろうとしたらパンクしちゃうから。

━━なるほど、ようやくお仕事とのバランスがとれてきた感じなんですね。ところで、“パパ”の話がでましたが、元旦那さまとの関係は良好なんですね。

 

はい。説明が難しいんですけど、ふたりにとってベストな距離感を何度も話し合った結果、今の形に行きついたって感じで。だから今も子供のために一緒にいる時間がけっこうあるし、逆に前よりいい関係かも。

何が正しいかって、本当に答えがないんですよね。結論は時間がたたないとわからないけれど、今までもこれからも、子供の幸せが一番というのはもちろん、きっと自分とまわりがハッピーでいられる選択をしていくだろうと思います。

一番の健康法は睡眠。深く眠るように寝室を徹底管理

━━昔から私服もおしゃれと評判なヨンアさんですが、年齢とともにファッションの楽しみ方は変わってきましたか。

 

若い頃は、TPOに合わせ1日何度も服を着替えたり、本当にファッションを自由に楽しんでいたんですけど、今は自分のブランド(COEL)を持って、ディレクターをやっているので、お客さまはどういうものを着たいのかなとか、今はどんなものが流行しているんだろうとか、そういうことを考えて服を見るようになったのが変わったところかな。

亜希さん

━━COELの仕事もかなりハードなのでは。

企画からデザイン、生地選び、サンプルチェック、販売とすべてかかわっています。服作りの一番のこだわりは、自分が着たいかどうか。自分が好きじゃないと、人に薦められないし、愛着もわかないから。時間はかかるけれど、ファッションは大好きだし、スタッフみんなでアイデアを出し合いながらワイワイできるのも楽しくて。COELも今年で7年目になるので、どんどんアップデートして盛り上げていきたいです。

━━ところでヨンアさんは、忙しい中、韓国にもよく帰っていらっしゃるそうですね。

 

両親も兄弟も韓国にいるので、息子の休みに合わせて、よく実家に帰っています。息子も韓国語をしゃべれるので、家族とのふれあいを楽しんでいますよ。私が日本に来た頃は、BOAさんや東方神起さんが人気だったくらいですけれど、今は韓国のエンターテインメントが注目されていて、韓国の人も頑張っている。すごくうれしいです。

━━韓国人としてのアイディンティティも大切にされているんですね。仕事に子育てにと多忙な毎日ですが、特に気をつけている健康法はありますか。

 

一番は睡眠! 寝ていないと免疫力も落ちて、すぐ風邪をひくし、現場でも調子が出なかったりするの(笑)、絶対6~7時間は寝るようにしています。深く眠れるように部屋は光が入らないように真っ暗にして、湿度や温度もしっかり管理して。寝室の香りも大事。私はアロマオイルを使っているんですけど、深く眠れるのでおすすめです。

運動はずっと続けているのがジャイロトニック。体幹や柔軟性を養うエクササイズで、全身が伸びて気持ちいいんです。ジャイロのストレッチのマシーンをいつか家に入れたいな。それと冷え性なので、冬場は漢方を飲んでいます。漢方や鍼などの東洋医学には、すごく興味があるので、いつか勉強できたらいいですね。

━━では、最後に、この先、こんなふうに生きていきたいなというイメージがあったら教えてください!

  

シンプルだけど、自分らしく、無理せず、楽しくいたいなと思います。そのためにもやっぱり自分をつねに見てあげて、自分を大事にしてあげることが大切ですよね。誰かのマネではなくて、自分が何を求めているのかをちゃんと知る。そして今の自分ができることを精一杯やる。そんなふうに生きていきたいです。皆さんもまずは自分を大事にして、一緒に頑張りましょう!

ヨンアさんの元気のモト
息子と愛犬のチョコ。ふたりと一緒にいる時間が一番幸せだし、ホッとします♪
ヨンア息子と愛犬
ヨンアさんの大切にしている言葉
韓国語に「ポジティブな気持ちは、地球も持ち上げられる」という言葉があります。前向きでいれば、なんでもできるということで、この言葉にいつも励まされてきました。
取材・文/佐藤裕美 インタビュー写真/谷田政史(CaNN)

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