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「初めての乳腺外科へレッツゴー」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.2】

まさか私が?やはり私も?生涯罹患率が10人に1人と言われる乳がん。検診だってしてたのにどうして! 第2回目 「初めての乳腺外科へレッツゴー」この日の緊張は生涯忘れることはないでしょう。

第1回が配信されるや「年齢的に関心あります」「私も乳がんサバイバーです」「家族が治療中です」と反響が大きかったケビ子の乳がん・ニューライフ (第1回はこちらから) 

第2回目は初めて行ったエステでの激痛をきっかけにしこりを発見したケビ子が乳腺外科を受診する。

【初めての乳腺外科】
病院に診察日を確認するために電話をした際、「乳腺外科での受診となります」と言われたが、いざ病院で受付を済ませると外科を案内された。
外科?乳腺外科ではないのか?と。行ってみたら外科の中に店子のように乳腺外科があるようで、外科の待合エリアには乳腺の文字を見つけることはできなかった。


ほどなくして私の順番が掲示板に表示された。
予約なしであったが、不安が早起きさせて受付が一番だったらしく、診察も1番だった。
検診は何度も受けているが、診察は初めてのことで一つ一つに戸惑った。


これまで婦人科や乳がんの検診は女性医師やスタッフが担当します、というクリニックを選んで行ってきた。医療機関における女性の安心感は私にとってとても大きい。
以前子宮の不具合を感じて勤務先の近くにあった大学病院で診察をしてもらった際に運悪く学生らしき団体に我が下の関を見学されたことがあり、カーテン越しに複数人の気配を感じあまりのショックでそれ以来大学病院も避けて来た。


しかし今はレディースクリニックじゃないと、また大学病院は嫌だ、という気持ちもなくとにかく早く診てもらいたい。待合で担当医師のところに男性らしき名前が書かれたプレートを見たが、診察をしてくれたのは感じの良い明るくはっきりと物事を言うアングリーバードに似た男性の先生だった。


ヘアカラーして3週間くらい経ったくらいか、耳の上あたりだけ白髪が出てきてしまった年配の看護師と先生が対応してくれた。この看護師は本当にぶっきらぼうで口調が冷たい。苦手なタイプだなと察しておとなしくすることにした。


先生は一通りの話を聞いてすぐに触診し、マンモグラフィと超音波の検査を手配してくれた。
問診表には過去の検診を書いた。これまで毎年乳がん検診は受けてきた。マンモグラフィと超音波検査を一年置きに。しかしコロナの去年は検査をしておらず、前回の検査からは1年半が経っていた。


「前回のマンモで何もなかった?」先生は聞いた。
「はい。貧血以外はすべて結果はAでした」と答えた。
「今のこの状態で何もないわけないなあ」と首をひねる先生。
先生は乳房を「おちち」と表現する。この言い方がとっても気に入り、以降乳房は「おちち」と書く。


超音波検査はあったかいジェルをおちちに塗り、しこりの場所を確認しながら念入りに検査をしてくれた。担当してくれたのは年配の女性技師。
一通りの検査を終えて、画像を確認してきますねと隣の部屋に行ったがそれが結構な時間となり、一気に不安が押し寄せ、涙が滂沱とあふれ診察台の上で小さな声を上げて泣いた。


しばらくして技師が戻って来た。ここで「大丈夫ですか」などと女性らしい寄り添いを期待したが、働く女性は冷静だ。使ってないタオルを黙って差し出して別室に引っ込んでしまった。
「チェッ冷たいな、しかし、まあいちいち付き合ってもいられないか」と私もすぐに冷静になり、ひとしきり涙を拭いて服を着た。


ほどなくマンモグラフィ検査。若いタレントのようなかわいらしい女性の技師。
とても愛想がよい。こんな若い女性が大きな精密機械を使って検査するなんてすばらしいなあ、と彼女の笑顔が見たくてみかんでも差し入れしたくなるような気持ちになる。


マンモグラフィは何度となく受けているが、毎回絶叫するほどの痛みと吐き気が伴う。
しかし今回はもう痛いとかそういうことを言って良いはずもなく、おちちを上から下から右から左から挟みに挟んで耐え抜いた。レンコンのはさみ揚げ、そういうイメージをしながら我がおちちがつぶれる様を見届け、何ならよく映れ!とばかりに積極的におちちを潰しにかかる意気込みで耐えた。


「初めての乳腺外科へレッツゴー」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.2】_1_1
【マンモグラフィと超音波検査の違いって何だろう?】
これまで交互に検診を受けてきたとは言え、マンモグラフィと超音波検査の特性を今一つ理解していなかった。


マンモグラフィは日本では40歳以上の女性を対象に、2年に1回の乳がん検査が推奨されている。40歳以上、特に閉経後の女性の早期発見が得意とされており、しこりや石灰化を見つけられるが、少量ながらも被ばくするのですべての人が受けられるわけではない。検査前に妊娠しているかを必ず聞かれる。


一方で超音波検査は小さなしこりを発見でき、また乳腺が発達している若い世代でもしこりを見つけやすい。被ばくもないため妊娠中でも受けられるのだそうだ。
ただし技師の力量により差も出ることと、死亡率検証効果が不十分とのこと。
(参考文献:ピンクリボンと乳がん学びBOOK/社会保険出版社)


結果として毎年交互に検診を受けていたのは悪くはなかったのだ。


マンモグラフィと超音波検査を終えて乳腺外科に戻り、再び先生の診察を待つ。
外科の待合は朝一には男性が多かったが、検査を終えて戻ると女性が多くなっていた。
乳腺外科仲間だろうか。
「あなたもおちちに何かあったの?」
「あらあなたもおちちに、まあ」
などと心の中で話しかけてみては私だけじゃないのね!と勝手に仲間にして勝手に気持ちが軽くなった。


つづく

*次回【Vol.3】は1/14公開予定です
 
※この記事はケビ子さんの体験に基づいて書かれており、2021年12月現在の情報をもとにしています。
治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません
カモチ ケビ子
43歳で結婚、47歳で乳がん。
心配性の夫、奴さん(やっこさん)はなぜか嬉しそうに妻の世話を焼いている
Instagram(@kbandkbandkb)

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