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更年期ってそもそも何ですか??【備えあれば憂いなし!アラフォーの更年期対策①】

この不調もしかして……と思った時が始めどき!

アラフォーになって、これまでに経験がなかった不調が出ると、「もしかして、もう更年期?」と不安になってしまうという人が多いようだ。でも、そもそも更年期がどんなものか、よくわかっていないと、過剰に不安になってしまいがちなので、大事なのは正しい知識をもつこと! そこで、産婦人科医の八田真理子先生に、更年期の基礎知識から、対策までを詳しく伺ったので、全4回の連載でお届け。第1回めの今回は、更年期とは何か、についての解説です!

\ 私が教えます! /

八田真理子先生

八田真理子先生

ジュノ・ヴェスタクリニック八田 院長。日本産婦人科学会専門医。1990年聖マリアンナ医科大学卒業。順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院産婦人科勤務を経て、1998年に現クリニックを開業。思春期から老年期までの幅広い女性の診療・カウンセリングを行う。性教育・不妊・更年期などの正しい知識の啓蒙にも積極的に取り組む。

更年期はなぜ訪れるの?

まずは、更年期はなぜ訪れるのかを八田先生に伺った。

「更年期とは閉経をはさんだ前後10年間のことで、女性なら誰にでも訪れます。更年期が訪れる理由は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減少するからです。女性の体は、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンの影響を受けていて、この2つが毎月一定のリズムで変化することで月経が起こります。エストロゲンは肌のうるおいや髪のツヤを保ったり、骨や血管の健康を保ったりと、女性の体を守る働きがあり、プロゲステロンにはおもに妊娠を助ける働きがあります。でも、この女性ホルモンは加齢と共に減っていきます。エストロゲンの分泌量は、20代から30代半ばまでくらいをピークに、30代後半から徐々に減り、40代後半からは急激に減少して、閉経するとほぼゼロになります。このエストロゲンが急激に減少するのが更年期なのです。

日本人の閉経の平均年齢は50.5歳なので、おおよそ45歳頃から55歳頃までの間に更年期を迎える人が多いです。ただ、閉経の時期には個人差があるので、もっと早く閉経を迎える人の場合は、更年期も前倒しになるので、アラフォーから更年期症状が出てもおかしくありません」(八田先生)

更年期ってそもそも何ですか??【備えあれば憂いなし!アラフォーの更年期対策①】_1_2

女性ホルモンのエストロゲンの分泌量は、30代後半から徐々に減り始めて、40代後半になると急激に減少する。この時期が更年期。

更年期になると様々な不調が起こるのは?

では、更年期にさまざまな不調が起こる理由とは?

「女性ホルモンは、多くは卵巣から分泌されますが、卵巣に女性ホルモンを出すように指示を出すのは、脳の視床下部という部分です。その指令が視床下部の下の下垂体に届くと、性腺刺激ホルモンが分泌され、それが卵巣に運ばれると、エストロゲンやプロゲステロンが分泌されるのです。でも更年期になると、卵巣の機能が低下するため、脳から指令がきても女性ホルモンを分泌することができなくなります。すると下垂体が、“女性ホルモンをもっと出して”と卵巣に働きかけますが、卵巣はその指令に応えることができません。こうして下垂体の活動が増すと、すぐ近くにある視床下部が影響を受け、パニックを起こします。視床下部は、体温調節、内臓の働き、血圧、心拍数、代謝など生命を維持するための基本的な機能を司る自律神経の中枢なので、ここがパニックを起こすことで、自律神経が乱れ、さまざまな不調が起こるのです。

それだけでなく、アラフォーは、仕事で責任が重い役職に就いたり、妊娠にトライする最後のチャンスだったり、親の介護があったり、子どもがいる人なら子どもの受験があったりと、さまざまな問題を抱えがちで、ストレスも多い年代です。そんなときに無理をしたりと、悪い生活習慣を繰り返していると、自律神経が余計に乱れやすくなって、更年期症状が出やすくなってしまうので要注意です」(八田先生)

更年期にありがちな不調って?

更年期にはさまざまな不調が起こりやすくなるというけれど、どんな症状が多い?

「更年期の不調は、エストロゲンが減ることで起きますが、減るといってもなだらかに減っていくわけではなく、アップダウンを繰り返しながら減っていきます。そのため、更年期の最初のサインは、生理の乱れです。たとえば、今までより生理周期が短くなったり、生理の日数が短くなったりなどの変化が起きます。アラフォーだと、まずこの変化を感じやすいですね。

そして、エストロゲンの減少からくる自律神経の乱れによって、ちょっとしたストレスがかかったときなどに、のぼせやほてりなどの、いわゆるホットフラッシュ症状が出やすくなってきます。

ほかには、不眠や頭痛、めまい、肩こり、腰痛、動悸、息切れ、肌の乾燥などのほか、イライラや落ち込みなどのメンタル症状が出ることも。更年期の症状は人によってさまざまで、人によってはまったく不調が出ないこともあります。

ただし、婦人科での治療やセルフケアなど、さまざまな対策で予防や改善はできので、過度に不安になることはありませんよ」(八田先生)

 こんな不調を感じたら、更年期の始まりかも? 

○月経不順

更年期のサインとして最初に起こるのは、月経周期の変化。たとえば、今まで30日周期だったのが、27〜28日になるというように短くなってきたり、今までは5日間だった月経が3〜4日で終わったりといった変化が起きやすい。閉経が近づくと、今度は月経が2〜3ヶ月おきになったりと周期が長くなっていき、1年間月経が来なくなると閉経を迎える。

○のぼせ・ほてり

エストロゲンの減少からくる自律神経の乱れによって起きやすいのが、のぼせやほてりなどのホットフラッシュ症状。気温が高くなくても、顔や背中などの上半身がほてったりのぼせたりして、顔や首などに大量の汗をかきやすくなる。体温調節機能が乱れるため、逆に手足は冷えやすくなる人も多い。

○不眠

エストロゲンの減少からくる自律神経の乱れから、睡眠のトラブルも起きやすくなる。寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなって途中で目を覚ましやすくなったり、眠れなくなったりなどといった症状が起きやすい。

○イライラ・くよくよ

更年期には自律神経が乱れやすくなることで、イライラしたり、くよくよして落ち込みやすくなったり、不安になったり、怒りっぽくなったりといったメンタル症状も出やすくなる。特にアラフォーは、責任ある仕事を任されたり、子供の受験、夫の転勤、親の介護などとさまざまな問題を抱える世代で、こういったことからストレスを抱えていると、更年期のメンタル症状も出やすくなる。また、更年期症状の出やすさには性格も関係し、生真面目だったり、完璧主義だったりすると、メンタル症状が強くなりやすい傾向がある。

○頭痛・めまい

更年期の不調として、頭痛やめまいなどの症状が起きることも。特にもともと頭痛持ちだったりと持病があると、更年期にその症状が強く現れることもある。

○肩こり・腰痛

自律神経の乱れによって、血流が滞ったり、痛みに敏感になったりすることから、肩こりや腰痛がひどくなることもある。

○動機・息切れ

運動をしたわけでもないのに、動悸や息切れがしやすくなるのも更年期に起きやすい症状。これもエストロゲンの減少による自律神経の乱れが大きな原因。

○肌の乾燥

エストロゲンには肌のうるおいを保つ働きがあるので、エストロゲンが減少する更年期になると肌が乾燥して、カサつきやすくなる。肌のハリも低下しやすい。

自分のの更年期指数をチェックしてみよう
◆簡略更年期指数( SMIより)◆

以下の項目で、自分の症状の程度であてはまるものをチェックし、合計点を出してみて。
※あてはまる度合いで、強・中・弱・無から選んでみて。

点数
①顔がほてる
10
6
3
0
②汗をかきやすい
10
6
3
0
③顔や手足が冷えやすい
14
9
5
0
④息切れ、動悸がする
12
8
4
0
⑤寝つきが悪い、眠りが浅い
14
9
5
0
⑥怒りやすく、イライラする
12
8
4
0
⑦くよくよしたり、憂鬱になる
7
5
3
0
⑧頭痛、めまい、吐き気がよくある
7
5
3
0
⑨疲れやすい
7
4
2
0
⑩肩こり、腰痛、手足の痛みがある
7
5
3
0
◆更年期指数の自己採点の評価◆
0〜25 上手に更年期を過ごしているので、これまでの生活を続けてOK。
26〜50 食事、運動などに注意を払い、生活の中で無理をしないように心がけて。
51〜65 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法などを受けるのがおすすめ。
66〜80 長期間(半年以上)の計画的な治療が必要。
81〜100 各科の精密検査を受け、更年期症状のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要。
イラストレーション/佐藤由実 取材・文/和田美穂 構成/原千乃

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