コロナ禍の花粉症対策は「NO花粉県」で避粉ワーケーション!|Forbes JAPAN

ワ―ケーションするなら今後は「課題解決型」がポイントに?「NO花粉県」でのワ―ケーション体験をレポート!
この記事は2021年3月17日にForbes JAPAN Webサイトに掲載された記事を一部編集したものです。Marisol ONLINEとForbes JAPANはメディアパートナーとして相互提携を行っています。
開放感たっぷり、海を眺める特等席でパソコンを広げる筆者。ちなみにマスクはコロナ対策であり、花粉避けではない
開放感たっぷり、海を眺める特等席でパソコンを広げる筆者。ちなみにマスクはコロナ対策であり、花粉避けではない

眠れない。鼻が詰まって、寝苦しい。夜中に何度も起きて、鼻をかむ。ベッドの横のゴミ箱には大量の鼻噛みティッシュの山。しまいには鼻がカピカピになってくる。目も痒い。お風呂に入ると、さらに痒みが増す。

 

いっそ目玉を引っ張り出し、思いっきり洗えたら──。

 

ツライ、だるい、眠い。生活の質を奪う花粉症

 

2月〜4月までの3カ月間、同じような症状を抱えて苦しんでいる花粉症の人は少なくないのではないか。

 

筆者自身、花粉症を発症して早15年、お花見シーズンにはまったくワクワクしなくなった。できることなら、春はずっと家にいたい、引きこもっていたいと思うようになったのだ。

 

花粉の季節には「引きこもり」となるそんな編集者&ライターの筆者に、「3月に沖縄に来ないか?」という、ワーケーション実証実験の様子を取材する仕事依頼が舞い降りたのだ。沖縄といえば、言わずとしれた「NO花粉県」。「NO花粉道」の北海道も含めずっと気になっていたものの、春に訪れたことは一度もなかった。

4つのエリアがある「星野リゾート バンタカフェ 沖縄県読谷村」。荒々しい自然に囲まれたこんなスペースも
4つのエリアがある「星野リゾート バンタカフェ 沖縄県読谷村」。荒々しい自然に囲まれたこんなスペースも

いつもは白い砂浜とエメラルドグリーンの海に期待が膨らむが、今回は花粉から逃げられる! ただそれだけに胸を弾ませ、行ってきた、沖縄へ。

 

果たして「花粉疎開ワーケーション」の効果はいかに?

 

 

睡眠負債、疲労蓄積、味覚障害──

 

検証の前に、改めて花粉症の辛さを以下、まとめてみた。

 

(1)薬を飲むと眠くなる(たとえ“眠くならない”と謳っている薬であっても、からだがボーッとする)

 

(2)夜に熟睡できないため、睡眠負債が溜まっていく

 

(3)薬の影響+睡眠負債で、基本的に24時間眠い

 

(4)鼻を噛んだり、くしゃみをしたりを繰り返しているため、まず首や肩まわりがこわばる

 

(5)4月に入ると、肩まわりのこわばりが腰へ移動。いよいよ全身に疲労が蓄積していく

 

(6)鼻が詰まっていると、どんなに美味しい料理を食べても味が分からない

 

要するに3カ月間は、からだがツラくてだるくて睡眠不足のうえに、食べることにも楽しみを見出せない。必死に耐え偲ぶしかない状態が続くのだ。

 

以上のような症状が、沖縄ではどう変わったのか。

 

 

3月だがまるで「初夏」
3月だがまるで「初夏」

まるで初夏。3月の沖縄、生活の質は「特級以上」だった

 

一晩明けた変化は、ざっと次の通り。

 

(1)ぐっすり眠れる

 

(2)上半身のこわばりが、嘘のようになくなる

 

(3)呼吸しやすい(鼻が詰まっていないため)

 

(4)日中眠くならない(薬を飲んでいないため)

 

(5)食べ物の味が分かる!美味しい!(鼻が詰まっていないため)

 

つまりは「ズバリ生活の質を取り戻すことができた」のである。もちろん、おのずと仕事にもプラスの効果があった。仕事への集中力が上がるため、生産性が高まったのだ。
 
またしっかり熟睡できているため、朝早く起きるのも全く億劫ではない。むしろ、朝の砂浜を散歩するのが楽しみで、早く目が覚めてしまったほどだ。
 
このように、図らずも仕事のおかげで過ごせた春の沖縄ライフ。ワーケーション誘致に積極的な沖縄県にとって、誘致作の一つの大きな柱になりそう、と感じた。

 

仕事終わりに、沖縄の電照菊を見学
仕事終わりに、沖縄の電照菊を見学

「サブスク型住居サービス」も登場

 
ワーケーション「ブーム」を後押しする、ユニークなビジネスモデルも誕生している。たとえば「HafH(ハフ)」。毎月定額で国内外あわせて約500都市から滞在先を選ぶことができ、予算に合わせて1泊3000円から月額82000円までの料金設定になっている。 「花粉疎開ワーケーション」ができる沖縄では、3月17日現在、26拠点の滞在先を選択可能という。
 
「世界が広がる、働き方を。」をキャッチコピーとするHafHを運営する、KabuK Style共同代表の大瀬良亮氏自身も高校時代からひどい花粉症で、「所用が済んだらすぐに沖縄へ飛んでワーケーションできれば」と話す。
 
「現在、利用者の半数以上が関東近郊に住まう30代以下の会社員で 『花粉疎開ワーケーション』に関心がある利用者も少なくないと感じる。HafHは1カ月から利用可能なので、花粉のつらい時期だけ沖縄や北海道などの避粉地で暮らしたい場合にも使えるサービス。今後、会社員もフリーランスも場所にとらわれず、自分の健康状態に合わせて働く場所を選べる時代が訪れるのでは」
 
ニューノーマルの新しい働き方が広がることで移動が日常となり、仕事をしながら世界中に第2の故郷を持つ時代になっていくのかもしれない。

 

ひとしきり仕事して疲れた頃、日が落ちてくる
ひとしきり仕事して疲れた頃、日が落ちてくる

現在、国の交付金の影響もあり、各自治体でワーケーション誘致バブルが起きている。ワーケーションに詳しい編集者&ライターとして筆者もその恩恵にかくのごとく預かっているのだが、いつも頭を悩ませるのが、「その土地をわざわざ訪れる理由」だ。
 
「一度は行ってみたい場所」「その街の雰囲気が好き」といった魅力訴求も良いが、他の訴求方法として、花粉症対策などのお悩み訴求、つまり課題解決型のワーケーション企画にも非常に可能性を感じる。ワーケーションのプラスの価値を数値化するのは難しくても、自身の「不」(不快、不足、不満)が解消されるという点は価値が見えやすいからだ。

 

しばし憩いの時
しばし憩いの時

数年後、リモートワークが普及し、どこでも働けるようになれば、今までの帽子、メガネ、マスク、クスリの花粉症対策がオワコンになる日が来るかも──。「沖縄花粉疎開ワーケーション」を終えた今、期待は大きく膨らむばかりだ。

 

文=児玉真悠子 編集=石井節子
Forbes JAPAN 編集部

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1917年にアメリカで創刊したビジネス誌「Forbes」の日本版として、2014年6月より「フォーブス ジャパン」と題し新創刊しました。(世界38カ国にてライセンス版を刊行)。
「世界から日本に、日本を世界へ」をテーマに、グローバルな視点を持つ読者たちに向け、フォーブス本国版、各国版の記事をキュレーションし、日本オリジナル記事と共に構成。ビジネス、経済、投資、アントレプレナー、ランキングの記事を掲載していきます。フォーブスが取り上げる人物の人生には必ずストーリーがあり、そのストーリーから「未来を切り開くメッセージ」を読者へ届けます。

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