ミランダ・カーの「ブランド哲学」とは? パンデミックのいま伝えたいこと|Forbes JAPAN

モデル業に加え、スキンケアブランドのCEOとしての顔を持つミランダ・カー。どのようなバリューを世の中に与えようとしているのか、またリーダーシップについて語った。
この記事は2021年4月18日にForbes JAPAN Webサイトに掲載された記事を一部編集したものです。Marisol ONLINEとForbes JAPANはメディアパートナーとして相互提携を行っています。
「KORA Organics」CEOミランダ・カー
「KORA Organics」CEOミランダ・カー

モデル業に加え、スキンケアブランド「KORA Organics」の創始者・CEOとして商品の開発からマーケティング、パッケージにいたるまで全てを手がけるミランダ・カー。ここ数年加速しているクリーンビューティーのムーブメントが起こる以前から、オーガニックビューティーとウェルネスの大切さを発信し、有害なものを含まないオーガニック成分にこだわったスキンケア製品をプロデュースしてきた。

 

終わりがなかなか見えてこないパンデミックの中、「KORA Organics」のCEOとして、どのようなバリューを世の中に与えようとしているのか、オンラインインタビューを通して話を聞いた。

  

 

今の時代に求められる、心にアプローチするスキンケア

 

──パンデミックがなかなか終わらない状況ですが、以前より心身ともに健康でいることが重要視されていると思います。「KORA Organics」のCEOとして、コロナ禍の世の中に、どのような価値を与えていけるとお考えですか。

 

確かにパンデミック以前より、健康意識が高まり、ウェルネスの大切さを痛感している人が増えてきたと実感しています。

 

私は、これまでどうしたら心身ともに健康でエネルギッシュに過ごせるのか、マインドとボディのバランスをどう整えるのかについて研究し、その秘訣を発信してきました。

 

具体的には、メディテーションやヨガ、ローズクォーツなどのクリスタル、アロマセラピーなども取り入れた心も体もヘルシーになれるライフスタイルを提案してきたのですが、パンデミックのいま、こうしたライフスタイルは、ストレスフルな状況の中でも心身ともに健やかに過ごすヒントになると思います。

 

これまでの私の経験と知見が注ぎ込まれている「KORA Organics」の製品は、すべて有機認証された成分を使用しているオーガニックの製品で、エッセンシャルオイルの香りのみを使用しており、オーガニックとアロマセラピーのパワーを感じていただけるはずです。

 

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また、ポジティブな思考は健康につながるという考えから、製品ひとつひとつにポジティブな言葉が刻印されています。例えば、新商品「ミルキーマッシュルームジェントルクレンジングオイル」のパッケージには「Forgiveness(許す)」と書かれているのですが、朝と晩に儀式のように自分を大切にする時間をとり、肌だけでなく心もクレンジングしようという発想で作りました。

 

すべての製品がローズクォーツでろ過されているのも、使うたびにポジティブな気持ちになって欲しいという思いから。ただスキンケアをするのではなく、健康的な肌と体、豊かな心を育んでいただきたい。「KORA Organics」は、創設当時から、このミッションを大切にしてきました。

 

 ──肌も心もアプローチするプロダクトをどのように思いついたのですか。

 

私は、長い間、モデルとしての活動が忙しかったので、心と体のバランスを整える必要がありました。それを叶えるツールを探していたという背景から、有害な成分を使用しないオーガニックの成分で作られた、気持ちまで高めてくれる製品を自分で作ることにしたのです。

 

「KORA Organics」を立ち上げたのは、約10年前のこと。私は、これまで世界中を探してもどこにもないようなものを商品化してきました。プロダクトを自らつくる楽しさは格別です。

──肌や体の健康だけではなく心にもアプローチする製品は、パンデミックの中で生きる人々に、どのように影響するとお考えですか。

 

パンデミックになってから、人々は、食べるものはもちろん、どんな気分でいたいのかということにも意識するようになったと思います。ストレスや忙しさ、不安などを解消してくれるツールをこれまで以上に探しているのではないでしょうか。

 

肌にも心にもアプローチするプロダクトは、こうした人々のニーズに応えるもので、私は「KORA Organics」の製品を通じて、人々の気持ちをポジティブにし、充実したハッピーなライフスタイルへ導きたいと考えています。

 

 

クリーンビューティとは違う「オーガニックビューティ」とは?

 

──パンデミックによる健康のニーズから、以前にも増して有害物質を含まないクリーンビューティブランドに注目が集まっていると言われていますが、「KORA Organics」はクリーンビューティとは違うオーガニックビューティを提案しているそうですね。

 

「KORA Organics」は、国際的な認証制度で厳しい基準を設けているCOSMOSなどの有機認証を受けたオーガニック製品で、クリーンビューティを謳う商品とは異なるものです。抗酸化物質も通常の製品より豊富に配合されているのでパワフルな結果をもたらしてくれるでしょう。

 

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肌につけるものに関しては、すべて血管にとりこまれ体内に吸収されるため、気をつけないといけません。オーガニック製品においては、配合されている成分はもちろんその割合もとても大切です。

 

私はロジカルな思考で、肌が最大限の力を発揮できるよう、その配合率にも気を配り、製品に反映しています。そして、成分についてしっかりと伝える情報の透明性についても重要視しています。

 

 

パンデミックの危機をチャンスに。強いチームを作る方法とは?

 

──パンデミックの状況下、CEOとしてどのような意識でビジネスに向き合っていますか。

 

「KORA Organics」は世界30カ国で展開されており、アメリカとオーストラリアで働く従業員は現在60名います。私は、CEOとして、それぞれのプロジェクトがスムーズに進行できているかすべてのプロセスをチェックしています。

 

このパンデミックの状況下で、アメリカは未だに在宅勤務ですが、オーストラリアでは、通常どおりオフィスで働いています。

 

国によって働き方が違う中で、それぞれのプロジェクトが順調に進行し、「世界中の人に、より健康的な選択をしてほしい」というブランドのビジョンを実現していくためには、チームビルディングは重要で、より良いチームづくりに尽力しています。

 

──CEOとして、「KORA Organics」のバリューでもあるポジティブな言葉をチームに投げかけているのですか。

 

そうですね。プロジェクトに対して、フレキシブルでいることも大切ですし、離れていてもお互いのつながりを感じ、気持ちを高め合うことが重要だと思っているので、チームのエネルギーが上がるような言葉を投げかけています。Zoomを通して、チームみんなでメディテーションをしたりヨガをして、スタッフそれぞれの心身の健康にも気配りしています。

 

──CEOとして、パンデミックのピンチをどのように乗り越え、ビジネスチャンスにしているのか教えてください。

 

パンデミックにより、店舗での売上が見込めないため、オンラインショップにシフトしていく必要がありました。SNSやデジタル広告をこれまで以上に重視し、この危機を乗り越えています。

 

また、このパンデミックの危機によって、「KORA Organics」を立ち上げた当時のフィロソフィーが素晴らしいものだったということに改めて気づくことができました。体に害のない成分を使った製品で、肌と体、心も豊かにするといった10年前の創業当時から私が大切にしてきた理念に、この状況下で多くの人々が気づいたことは、ブランドにとって好機なのではないかと考えています。

 

 

インタビューを終えて:一貫性から見える、真のリーダーシップ

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ミランダ・カーのインタビューを通して感じたのは、先見の明に優れ、時代のニーズに沿ってプランニングしながら、「人々に肌・体・心にとって健康的な選択をしてほしい」というブランド創設当時からのフィロソフィーを貫き確立しているリーダーとしての情熱だ。
 
有機認証を受けている「KORA Organics」の製品は、成分の安全性はもちろん、その配合率も重視し、信頼性、透明性にこだわるミランダ・カーの姿勢が反映されている。
 
一方で、ここ数年、急速な拡大を見せているクリーン・ビューティ市場において、環境や成分の安全性に配慮しているように見せかけて、実態はそうではないグリーン・ウォッシュブランドが横行していることも忘れてはならない。
 
このような背景において、自身の価値観とブランドのミッションを一貫して貫き、チームビルディングにおいてもブランドバリューを取り入れ、真に信頼できるブランドを確立しているミランダ・カーのリーダーシップは、ビジネスパーソンにとって、パンデミックの危機を乗り越えるヒントになるだろう。

 

田辺敦子

田辺敦子

コピーライター/プランナー
外資系広告代理店のコピーライターを経て独立。HOUSTON UPRIGHT代表。ニューヨークでコーディネーター・ライターとしても活動し、グローバル企業のローカライズ案件を担当していたことから、独立後も、グローバル・マーケティング戦略のトレンドを追う。現在は、主にビューティやファッションといったライフスタイルブランドのプランニング・クリエイティブ制作に従事。また、ニューヨークでは、NYUで映画制作を学び、オフオフブロードウェイのコメディシアターで作品を上演、映像制作の経験も。ストーリー性のある広告制作も得意。
文=田辺敦子

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