コロナ禍で進化した「冷食」と「中食」は、もはや”手抜き”ではない!|Forbes JAPAN

身近なコンビニごはんから無印良品、ファミレスが手掛ける世界の味まで。最新の冷食&中食事情をご紹介!
この記事は2021年4月15日にForbes JAPAN Webサイトに掲載された記事を一部編集したものです。Marisol ONLINEとForbes JAPANはメディアパートナーとして相互提携を行っています。
各企業の冷食/中食商品。左上から時計回りに、ロイヤルデリ、ローソン、Nosh、極洋の商品。
各企業の冷食/中食商品。左上から時計回りに、ロイヤルデリ、ローソン、Nosh、極洋の商品。

「中食」。外食と内食の中間にある、「持ち帰ってすぐ食べられる惣菜や弁当」、あるいはそれらを食すること、食文化をさす言葉だ。コロナ禍による外食制限、在宅時間の増加、それに伴う食事の準備へ疲弊する声が聞こえるなか、各企業がこの中食市場の開拓に取り組んでいる。

 

なかでも、「冷食」の製品開発が活発だ。ストックが効くため忙しいときの助けになるのはもちろん、ネット販売で気軽に送れるという便利さは、離れて暮らす親や子どもの食生活をサポートしたいという需要にも応えるのではないだろうか。

 

身近なコンビニからEC王者のアマゾン、ファミレスの動きまで、冷食・中食における企業の動向を紹介する。

 

 

ローソン、家飲みを意識?

 

2020年4月~12月において冷食カテゴリーの売上が2割程度伸長した(2019年同期比)というローソンでは、2020年9月より温めるだけで食べられる『ビストロシリーズ』の販売を開始している。これまでも主食クラスの冷食は販売されていたが、当シリーズでは「家飲み」「リモート飲み」に焦点をあてたかのようなラインナップが楽しめる。

 

左上から時計回りに、『黒トリュフソースで食べるローストビーフ』『ベーコンとほうれん草のキッシュ2カット入り』『ビーフストロガノフ2個入り』『5層仕立てのラザニア2個入り』(画像提供:ローソン)
左上から時計回りに、『黒トリュフソースで食べるローストビーフ』『ベーコンとほうれん草のキッシュ2カット入り』『ビーフストロガノフ2個入り』『5層仕立てのラザニア2個入り』(画像提供:ローソン)

「外食には行けないし、ちょっと帰り道に寄ってワインのおつまみを買いたい」といった要望にこたえる、痒い所に手が届くシリーズともいえるだろう。『ベーコンとほうれん草のキッシュ』や『トリュフソースで食べるローストビーフ』など、思わず木製の皿に並べて写真を撮りたくなるラインナップだが、トップシールをはがすのみでそのまま皿としても利用できるという用意周到ぶり。

 

 

極洋、魚料理をより手軽に

 

主に水産加工品を主力とする総合食品企業、極洋は「ニューノーマルな時代へ」をテーマに携えて、2021年春に『だんどり上手』シリーズから「袋のままレンジで温めるだけ」のフローズンチルド6品を新発売するとしている。加えて家庭用の冷凍食品4品・缶詰4品なども販売する予定だ。

 

極洋だんどり上手 銀鮭の塩焼き(骨なし)(画像提供:極洋)
極洋だんどり上手 銀鮭の塩焼き(骨なし)(画像提供:極洋)

従来『だんどり上手』シリーズは業務用として展開されていたが、コロナ禍の内食ニーズの高まりと自炊疲れの世情から家庭用として中食が販売される。ラインナップは『ぶり大根』や『銀鮭の塩焼き』など。すべて骨なしで通常の調理では手間がかかる魚料理を簡単に食べることができるため、お年寄りなどからの需要も高そうだ。偏りがちな食生活に不安を抱きつつある主婦/主夫層にはとくに刺さるのではないだろうか。

 

 

「化学調味料不使用」の無印良品

 

コロナ禍に関わらず、引き続き冷凍食品や手作りキットが好調だという無印良品。2020年12月にオープンした関東最大の売場面積を誇る「無印良品 東京有明」では、冷凍食品の売場面積が全店舗最大となっており、やはり冷食の需要の高さがうかがい知れる。

 

定番の『さばの味噌煮』や『千切り大根』などのおかずだけでなく、キンパなどごはんものやクロワッサンといったパンまで幅広い選択肢が魅力だ。一部通信販売でも購入可能なことから、ストック用としても事欠かない。化学調味料不使用という点で、中食にありがちな健康面での不安を払拭する取り組みもされている。もはやコロナ禍云々に関わらず、中食が主要な食事となる日も遠くなさそうだと感じられる取り組みだ。

 

 

アマゾン、最短当日デリバリー

 

生鮮食品などが手軽に購入できる「Amazonフレッシュ」には、冷凍/冷蔵のミールキットも取り揃えられている。通常の冷食と異なり簡単な調理が必要なものもあるが、材料がすべて揃っていて手順も記載されているため、「献立を考える」「材料を揃える」「食材を切る」などの手間を省いたうえで、温かみのある「手料理風」が完成する代物だ。バリエーションも豊富で、1名用から2〜3名用のものなどシーンによって選択することが可能。

 

利用するにはAmazonプライム会員、もしくはAmazonフレッシュ会員になる必要があり、対象エリアも限られるが、早ければ当日届く速さも魅力。不急不要の外出が憚られるなか、思いついたときに食べたいものを家から注文し、すぐに届けてくれる。そのうえストックも可能であり、「ザ・中食」感もない。デリバリーと内食との間でバランスのとれたサービスだといえそうだ。

 

 

Noshの宅配で健康管理

 

インフルエンサーにも人気の料理宅配「Nosh」は、管理栄養士が開発に携わっている。全メニュー、糖質が30g以下、塩分が2.5g以下と健康面において徹底されており、専用サイトあるいはアプリから注文すれば最短5日で到着、レンジで温めるだけで食べることができる。

『Nosh』(画像提供:Nosh)
『Nosh』(画像提供:Nosh)

デリバリーサービスの多用や運動不足によるコロナ太りの解消、健康を気にしはじめた層とのニーズがマッチしているといえそうだ。加えて「毎回栄養面を考えて献立を立てなくても、定期的に届く料理を食べていればOK」という点はビジネスマンやOL、主婦/主夫にも刺さるものがあるだろう。ツイッターでのメニュー公開やアンバサダー募集など、ほかの宅食サービスとは一線を画すようなPR方法も気になる点だ。
 

 

ロイヤルデリで世界の料理を

 

『ロイヤルデリ』(画像提供:ロイヤルホールディングス)
『ロイヤルデリ』(画像提供:ロイヤルホールディングス)

「ロイヤルホスト」で知られるロイヤルホールディングスが展開している『ロイヤルデリ』は、ヨーロッパの料理からカレー、アジアの料理、アメリカの郷土料理など、世界の料理をラインナップ。基本は湯煎、レンジでの解凍のみで食べることができ、味はレストランクオリティ。ECサイトには各商品に「解凍時間」「解凍方法」「分量」が記載されており、感覚的な注文がしやすい印象だ。
 
「外食も内食もできないから冷食で我慢する」「コンビニで適当に済ませる」「デリバリーは手抜きだ」といった中食へのネガティブなイメージはもはや払拭されつつある。もちろんコロナ禍を経てニーズが高まり、各企業が注力しているのは確かであるが、世情が落ち着いたとて中食の需要は変わらないのではないだろうか。
 
冷食や中食はもはやエッセンシャルフードとなり、そのなかでの差別化やさまざまなPRにより、ユーザーへ多くの選択肢を与えることになるだろう。多くの人が時間や手間を節約し、中食で十分に満足のいく生活を送る常識は、いまや未来の風景ではなさそうだ。

 

文=アステル 編集=石井節子
Forbes JAPAN 編集部

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1917年にアメリカで創刊したビジネス誌「Forbes」の日本版として、
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