米国内のハワイ観光客ほぼ回復!日本からはいつ行けるようになる?|Forbes JAPAN

今、世界屈指の観光リゾート・ハワイでは旅行客が数多く訪れ活気があふれていることをご存知だろうか。
この記事は2021年5月2日にForbes JAPAN Webサイトに掲載された記事を一部編集したものです。Marisol ONLINEとForbes JAPANはメディアパートナーとして相互提携を行っています。
米国内からの訪問客数はほぼ回復したが、日本からの渡航の見通しは?(Shutterstock)
米国内からの訪問客数はほぼ回復したが、日本からの渡航の見通しは?(Shutterstock)

新型コロナウイルスの感染の波がハワイに押し寄せ始めた1年前には、ワイキキから人影が消えデッドタウンと化したが、現在ではコロナ前かと思うほどの賑わいに戻ってきている。ハワイの現在の状況と、日本ーハワイ間の旅行について、ハワイに暮らす筆者が紹介する。

 

米国本土からの訪問客は、コロナ前の水準近くまで回復

 

ハワイの中心であるオアフ島では、これまでに2度のロックダウンが敷かれた。1度目は、新型コロナウイルスの感染が始まった当初、2020年3月下旬から5月末まで。2度目は、夏休み期間に感染者が急増した後、8月末から9月下旬まで。ハワイ全体の1日の新規感染者数は、過去最高で350人を超えた日もあった。ハワイの人口は141万人だから、人口比で計算すると、これは東京都で1日3400人以上の感染者が出ることに相当する数だ。

 

さらに2020年3月下旬から、ハワイ到着者には14日間の自己隔離が義務付けられ(※現在は隔離期間が10日間に短縮されている)、これによりハワイを往来する多数のフライトが運休。観光の拠点となるワイキキのホテルや飲食店、小売店のほとんどが閉鎖を余儀なくされ、ワイキキから観光客の姿が一気に消えた。

 

これを激変させたきっかけは、ワクチンと事前検査プログラムの普及だ。ハワイでは2020年10月15日から、事前に新型コロナウイルスの検査を受けて陰性だった人には自己隔離を免除する「ハワイ州事前検査プログラム」が導入され、米国本土とハワイを結ぶフライトが少しずつ増え始め、11月の感謝祭や12月のホリデーシーズン頃から、ハワイの観光業が少しずつ回復の兆しを見せ始めた。

 

そしてアメリカのワクチン接種率が3割ほどに達し、春休みにあたる2021年3月から4月には、訪問客の数が加速。さらに多くの訪問客がワイキキに訪れるようになった。この春の旅行需要の増加はアメリカ全土で広がっており、アメリカ運輸保安局(TSA)を通過した人の数が3月下旬に150万人を突破し、2020年3月15日以来、約1年ぶりにこの数値を超えたことが明らかとなっている。実際に、筆者が3月下旬にワイキキを訪れた際、街中には人があふれ、新型コロナウイルスの存在を忘れさせるほどだった。

 

アメリカ国内からの3〜4月のハワイ訪問客数を見てみると、コロナ前の2019年は1日2万人〜2.5万人ほどだったのに対し、最初のロックダウン中だった2020年は1日200~300人まで激減。しかし2021年は1.5万人~2万人ほどとなり、2019年対比で90%以上まで達している日がある。つまり、アメリカ国内からの訪問客に限ってみれば、ハワイの観光業はコロナ前の水準近くまで回復しつつあるのだ。

 

日本人訪問客の姿は依然として皆無。その要因は

 

しかし、現在ハワイを訪れているのはアメリカ国内の人々で、日本を含め海外からの訪問客はほとんど見かけない。ハワイを訪れる人を国別に見ると、新型コロナウイルス感染拡大前はアメリカに次いで2番目に多い国が日本だ。それにも関わらず、日本人訪問客がハワイを気軽に旅行できない要因として、3つのことが考えられる。

 

アメリカは海外との往来を歓迎していないようだ(GettyImages)
アメリカは海外との往来を歓迎していないようだ(GettyImages)

最も高いハードルとなるのが、日本に帰国する際に義務づけられている検疫と検査だ。日本を出発しハワイに到着する際は、上述の「ハワイ州事前検査プログラム」を利用すれば、自己隔離無しにハワイでの滞在を楽しめる。しかしハワイから日本に帰る際は、日本の水際対策として海外からの入国者に対し実施されている、72時間以内の検査証明に加え、14日間の自己検疫が必要となる。仮に1週間のハワイ旅行を計画しても、帰国時の2週間の自己検疫を加え合計3週間もの期間がかかるとなれば、仕事や日常生活への影響は避けられない。

 

2つ目の要因として、アメリカ国務省が2020年4月19日、世界で新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、最も警戒レベルの高い「レベル4(渡航中止勧告)」の対象国を、それまでの34カ国から世界の約8割の国まで拡大すると発表したことが挙げられる。アメリカ国務省のウェブサイトによると、日本はこの約8割の国には含まれず、「レベル3(渡航を再検討)」になっている。だが、アメリカ側が他国間の往来を歓迎していないことは、懸念事項のひとつと言わざるを得ないだろう。

 

そして3つ目の要因が、日本での感染拡大だ。変異株により感染者がかつてないほど急増し、4都府県に緊急事態宣言が発令され、ステイホームが広く呼びかけられるなか、旅行などはもってのほか。仮に先の2つの要因をクリアした場合でも、海外旅行に行く気を躊躇させる社会全体のムードがあるだろう。

 

航空・旅行業界は、アフターコロナに向け準備

 

ハワイでは2021年5月11日から、ハワイ州民を対象にハワイ州内の隣島間で、ワクチン接種を受けて15日間経過した人は隔離措置が免除となる「ワクチン・トラベル・プログラム(通称、ワクチン・パスポート)」を開始する。このプログラムは今後、米国本土、そして海外諸国まで順次対象が拡大される予定で、アフターコロナのハワイ旅行を促進する起爆剤となっていくと予測される。

 

日本では一般の人がワクチンを接種できるようになるまでは、まだ時間がかかるとみられるが、ワクチンを接種していない人に関しては、これまでと同様に事前検査で陰性を証明できれば隔離が免除される「ハワイ州事前検査プログラム」を利用することが可能だ。

 

さらに、日本の航空業界、旅行業界でも、ハワイ旅行促進に向けた動きが出てきている。JALは、ハワイ線で3月より、「ハワイ州事前検査プログラム」を利用する人に対し、日本出発時に書類審査を実施し、到着時のハワイ州検疫係員の手続きが簡略化される「プリクリアランス」を開始した。さらに、検査結果をスマホで確認できるデジタル証明書アプリ「コモンパス」「VeriFLY」「IATAトラベルパス」の3つについて、ハワイ線とシンガポール線で4月に実証実験を行っている。

 

ANAでは3月より、検査結果やワクチン接種記録をアプリ上で管理できるデジタル証明書アプリ「IATAトラベルパス」の実証実験を、国際線で開始。これに加え、ANAトラベラーズでは早くも、2021年7月1日から12月24日出発のハワイツアー商品の販売を開始している。

 

ハワイ側も、日本の航空業界も、日本とハワイを結ぶ海外旅行の体制準備を着々と進めているのだ。

 

ハワイでは現在、1回以上のワクチンを接種した人が人口の37%(4月26日時点)に達し、感染者数を低い水準に抑えている。観光業を始め、ハワイ経済全体が回復へ向いていることを考えると、かつて「ドル箱路線」と言われた日本ーハワイ間の旅行復活の鍵を握るのは、日本の感染抑え込みと日本の出入国の規制緩和と言えるだろう。

 

文=佐藤まきこ
Forbes JAPAN 編集部

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1917年にアメリカで創刊したビジネス誌「Forbes」の日本版として、
2014年6月より「フォーブス ジャパン」と題し新創刊しました。(世界38カ国にてライセンス版を刊行)。「世界から日本に、日本を世界へ」をテーマに、グローバルな視点を持つ読者たちに向け、フォーブス本国版、各国版の記事をキュレーションし、日本オリジナル記事と共に構成。ビジネス、経済、投資、アントレプレナー、ランキングの記事を掲載していきます。フォーブスが取り上げる人物の人生には必ずストーリーがあり、そのストーリーから「未来を切り開くメッセージ」を読者へ届けます。

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