米国で拡大する「Noloワイン」課題は味とアルコール度数?|Forbes JAPAN

米国のワイン愛飲者たちは何十年にもわたって、アルコール度数平均14.5%以上のワインを喜んで購入してきた。ところがここ最近、節制と健康的な生活を心がける流れが強まっており、ノンアルコールと低アルコールのワイン、略して「Noloワイン」というカテゴリーが人気を集めつつある。
この記事は2021年6月27日にForbes JAPAN Webサイトに掲載された記事を一部編集したものです。Marisol ONLINEとForbes JAPANはメディアパートナーとして相互提携を行っています。
Getty Images
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Noloカテゴリーは、2年ほど前に欧州と一部のアジアで生まれ、最近米国でも広がりを見せている。最近では、新たなNoloブランドが毎週のように売り出されているようだ。

 

Noloカテゴリーの成長率

 
新しい「Nolo」アルコールブランドが多く誕生している一番の理由はおそらく、このカテゴリーの目覚ましい成長を示す数字だろう。
 
たとえば、米調査会社ニールセンが先ごろ実施したアルコール飲料関連のウェビナー「Beverage Alcohol Webinar」によると、ノンアルコールのビール、ワイン、スピリッツの売上は、2020年に前年比で37%増加している。また、アルコール飲料のトレンド分析会社IWSRは新たに公表した調査結果で、Noloカテゴリーの消費量は2024年までに31%増加することが見込まれていると発表した。
 
ワイン専門サイト「ワイン・インテリジェンス」が米国で実施した調査では、ノンアルコールワインや低アルコールワインを購入する可能性があると回答した人は26%だった。

 

 

Noloカテゴリー成長の原動力

 
米国消費者のあいだで健康とウェルネスへの関心が高まっていることが、Noloカテゴリー成長の主な原動力になっていると見られる。ワイン・マーケット・カウンシル(Wine Market Council)が米国で実施したワインとウェルネスに関する調査では、2020年のパンデミック中にワインの摂取量が増えたと回答した人の割合は14%。一方、摂取量が減ったと回答した割合は23%だった。
 
「ワインの摂取量が減った要因は複数ある」と述べるのは、食品・飲料専門の市場調査会社フルグラス・リサーチの創業者で、この調査を率いたクリスチャン・ミラーだ。「主な要因は、人と集まることが減ったためで、パンデミックに関連していることは間違いない。また、食生活の変化と、飲酒に対する一般的な懸念のほか、飲酒が人々をどういう気分にさせるかということへの懸念もある」

 

こうした傾向には、人口動態も影響している可能性がある。たとえば、2019年にワイン・マーケット・カウンシルが実施した調査によると、比較的若いZ世代とミレニアル世代の31%が飲酒量を減らしていることが明らかになっている。
 
また、ミレニアル世代のなかでも年齢が高めの人たちは、ちょうど育児や働き盛りのステージに入っており、飲酒をやめるというより、飲む量を減らしたいと考えている可能性がある。ベビーブーマー世代の場合は高齢化が進んでいるため、医学的な理由から飲酒を減らさざるを得ない可能性がある。
 

 

Noloワインの課題は味

 
Noloワインについて頻繁に耳にする主な課題は味だ。消費者すべてが、ノンアルコールワインにありがちな甘めのテイストを好むわけではない。一方、低アルコールワインは度数が0.5%から10%で、口当たりが軽めとなっている。
 
味や口当たりが変わってしまうのは、多くの場合、アルコールを除去することでコクが奪われるせいだ。たとえるなら、全乳と無脂肪乳の違いに似ている。
 
また、別の問題として、低アルコールワインの定義が曖昧であることも挙げられる。IWSRによると、ノンアルコールワインのアルコール度数は「0.5%未満」、低アルコールワインは「7.5%未満」とされている。

 

しかし、米国市場に新しく登場している低アルコールワインの多くは、度数が7%から10%で、定義から大きく外れている。
 
ラベリングも課題だ。「グラス1杯の量」とされるものが、4オンス(約118ml)から5オンス(約148ml)と一定していないのだ。この問題をさらにややこしくしているのは、缶やびんなどワインの容器の大半が、米国で使われている単位のオンスではなくメートル法で規定されており、125mlから750mlとさまざまなことだ。
 
ワイン容器のなかに、グラス何杯分が入っているかを把握するためには、オンスからミリリッターへの変換や、予備知識が必要となる。

 

翻訳=遠藤康子/ガリレオ
Liz Thach, MW

Liz Thach, MW

I am a freelance wine writer, wine market expert, researcher, educator and consultant based in Napa and Sonoma, California. As an award-winning author and educator, I specialize in wine business strategy, marketing, leadership/executive development, and wine lifestyle. My passion is wine, and I have visited most of the major wine regions of the world and more than 50 countries. My publications number over 200 articles and 9 books, including Call of the Vine, Best Practices in Global Wine Tourism and Luxury Wine Marketing. I completed my Ph.D. at Texas A&M University in Human Resources, and became a Master of Wine (MW) in May 2011, after passing the most rigorous wine exam in the world. In my free time, I enjoy hiking, golf, reading, and wine dinners with family and friends, as well as serving on several non-profit wine boards and being a wine judge.

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