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「マスキュリンを意識して、女性がより魅力的に見える服を作りたい」 CINOH 前編【私のおしゃれフィロソフィVol.11】

多くの人たちに支持されるブランドには理由がある。それはデザインだけにとどまらず、作り手の思いがしっかりと息づいているかどうか。ブランドを牽引するデザイナーやディレクターにその思いをインタビュー。今回は「CINOH(チノ)」のデザイナー茅野誉之さんに話を伺った。
デザイナーの茅野誉之さん
マスキュリンな中に遊び心を散りばめ、着ることで高揚感が得られる服作りを続ける茅野誉之さん。“東京ブランド”を牽引するクリエーションの源を探りつつ、今年、10周年を迎える「チノ」の現在地とその先についての想いを取材した。
______デザイナーを志したきっかけは?
中学2年の頃からファッションに興味を持つようになって、デザイナーになると決めたのは高1の頃。ある雑誌でラフ シモンズのコレクション写真を見て大きな影響を受けました。タイトな5分袖Tシャツとワイドパンツの足もとに汚れたコンバースのオールスターという着こなしにやられました(笑)。決して装飾的な服ではありませんが、シンプルでミニマルな中に感じられる気骨のようなものに惹かれたのだと思います。アルバイトでお金を貯めて服を買いに東京へ行ったり、親の服をリメイクして自分の服を作ったりし始めたのもこの頃。最初は見様見真似でしたが、洋裁の選択授業を履修してからはレディースの服も作るように。そして高校卒業後は念願だった文化服装学院へ進みました。
______他ブランドでのデザイナーを経験せず、自身の服を作り続けた理由は?
山本耀司さんの服が好きで、耀司さんに関する本をよく読んでいました。働くなら耀司さんのところでと漠然と考えていた頃、文化時代に耀司さんの講義があり「何かを成し遂げたい人間は、うちに来ない方がいいよ」とおっしゃって(笑)。子どもの頃から何となく誰かの下で働くということに抵抗があっし、何者かになるためには他のブランドで働かない方がいいのかと(笑)。この言葉に背中を押してもらいました。
______苦労も多かったと思いますが、どういう戦略を?
当時、文化服装学院と東東京地区の試みでリノベーションしたあるビルのフロアを若手のデザイナーに貸し出すというプロジェクトがあり、そこに入れていただきました。しかしながらビジネスの仕方が全くわからず、バイヤーさん来ないな~みたいな(笑)。その頃は浅はかにもブランドを立ち上げて発表すれば誰かしら(バイヤー)が見にきて服が店に並ぶものだと思っていました(笑)。服は作り続けていましたが、他業種のアルバイトをしたり契約でデザインの仕事などをしながら自分でセレクトショップを回って直接営業して少しずつ販路を開拓しました。そうして模索しているときに大手ブランドのMDに出会う機会があり…。
______そのタイミングでブランド名を「チノ」に?
はい。その頃は小さなコレクションの中にオーセンティックを意識させるミニマルなものと、装飾性の高いデザインのものとの両方があって、ブランドが目指したい方向性がわからないとアドバイスされたんです。それをきっかけに僕の原点でもある当初のラフ シモンズに代表される、ミニマルな服を作って行こうと決断。ブランドネームを「チノ」にし、2014年春夏を発表したところドゥーズィエムクラスさんが買い付けてくれ、そこからブランドを広げていくことができました。
______ファッション好きの男子がなぜスタートはウィメンズを?
学生の頃は洋服はアートだと思っていたので、ウィメンズはデザイン的にもおもしろいし自由度が高いような気がしたんです。単純にアイテムカテゴリーもメンズより多く、自分では着ない分いい意味でもう少し無責任になれるかなと思って。自分が着る服だと好きな物しか作らないので、5アイテムくらいあれば一生OKになってしまいますから(笑)。
(後編へ続く)

▼後編では、茅野さんの「推しアイテム」も紹介!
  • Marisolで買える! 【チノ】アイテム一覧はこちら

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    「一瞬の時の中に存在するだけでなく、ワードローブ・想い出に残るモノ創り。」を理念とし、伝統の無い自由な発想から生まれる東京のストリートをベースにしている。 また今までの服装史、その背景にあるカルチャー、現在の世の中からシーズン毎に感じとったモノ・コトを、遊び心と高揚感を持った大人のリアルクローズへと落とし込んでいる。

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