●久しぶりの来日になりますか?明日のイベントへの意気込みは?
ーはい、8年ぶりです。時間が経つのは早いですね。明日のイベントは、ライブパフォーマンスだけではないのでファンの皆さんとコミュニケーションをとりながら楽しくやろうと思っています。
●コロナ禍で作業に邁進せざるを得なかった、これが最後になったら、という気持ちが6枚目のフルアルバム「END THEORY」制作の出発点だったそうですが、コロナ禍に気分を上げるために特にしていたことはありますか?
ーなかなか上げようとしても上がらないので。公演もずっとできなくて、韓国では3人以上集合禁止という時期があって、犬の散歩も妹たちとできなかったり。いちばん楽しいことだったのに寂しいと思って。いろいろな考えを始めて、死と時間の流れってなんだろう、物理的なものや宇宙のドキュメンタリーを見始めたら面白くてそれに集中して時間を過ごしました。
●「Event Horizon」は、チェジュ島の西帰浦の夕日にインスパイアされてできた曲だそうですね。終わりがすべての始まりでもあり、日々大切に思いながら楽しく生きようというメッセージが伝わる、聴く人の背中を押す応援歌にもなってますよね。ユンナさんご自身は何から元気をもらっていますか?
ーファンの皆さんとの時間はとても重要です。自分が役に立つ人間なんだなって気分にしてくれる方々だから。ライブはもちろんですし。それから個人的なところだと、家族と食事をすること、飼っている2匹のロングヘアチワワと妹とみんなで散歩すること。最近はテラスでレタスとトマトとネギを栽培していて、それが毎朝結構な楽しみなんです笑
●チェジュ島には何度もいらっしゃってるんですか?
ー仕事では何度も行っているんですが、旅で長く滞在したのは初めてで、2週間、しかもひとりで行ったんですよ。「END THEORY」のオリジナル盤が出てそれから3ヶ月後にリパッケージを出すことにしたんです。なぜなら、これ以上のものが作れるんじゃないかなと思ったので。やりましょうと言ったには言ったけど、でも大丈夫かなというところがあったんです笑。エッセンスはあったんですけどこれを完成させるのは別の話なので、自分の生活範囲では無理かなと思って、車に機材を積んで、レコーディングシステムも作って、車はフェリーに乗せて、私は飛行機で済州島に向かって。それから2週間一人旅をしたんです。面白かったです。いろんなところにも行って美味しいものも食べて。ひとりだから身軽で、現代美術館に行ったら休館日で、駐車場で「c/2022YH」という曲を書いてレコーディングを終わらせて。山は本当に山だから、4時くらいになると心に迫って来る。真っ暗になるから怖いので、超能力のような集中力で作業をして、フィードバックをもらって。「Event Horizon」は細かい言葉に閉じ込められて、もうリリース日は決まっているのにとドキドキしていたんですが、美しい夕日を見た途端、脳が止まって、海側に車を止めたんです。夕日があまりにもすごかったのでみんな足を止めて見ていて、静かにただ眺めていた。一日の終わりに最後に対して敬意を持っているんだなと思って、これを書けばいいんだと、2時間ぐらいでわーっと書いたものなんです。
●自身のアーティストとしての強みはどんなところにあると思いますか?
ーひとつのことを結構考え込むタイプ。人に対しても執着するタイプだし。最近考えることを面倒くさがる方々が多いんじゃないかなと思うんです。いろんなことに興味を持つ人はいると思うんですが、ひとつにぐっと考え込む力を持っている人ってなかなかいないんじゃないかな。それが自分のアーティストとして役に立っているところじゃないかなと思います。
●チャート逆走の契機となったライブパフォーマンスの魅力とは?
ーライブの魅力は、同じ空間でその空気を通して届く、振動とか空気感が魅力だと思います。自分が何か特別なことをしたとは思っていなくて、パンデミックで韓国では集合禁止の規制がありましたし、ステージも何人以上はできないというのが結構長くあった後で、大学祭やフェスで誰かが歌いに来るということで、楽しみ方を学んだんじゃないかなと思うんです。新入生は3年生になっていて、そんなみなさんの楽しみたいという思いと、たまたま私が合致したんだと思います。
●2004年の日本デビューに続き、2006年に韓国デビューして17年。多くの方々にインスピレーションを得てきたと思いますが、ユンナさんに特に影響を与えた人はいらっしゃいますか?
ー一緒に仕事をしていた、日本デビュー当時に私を預かってくださった事務所の社長の栗田さんです。いろんな影響を与えてくださって、ロックやバンドサウンドが好きになったり、ミックスや曲を書くときにはこんな感覚で書いていくんだということを習って、いちばん影響を受けました。それから、様々なアーティスト、X JAPAN、椎名林檎、いちばん好きだったバンドはcuneというバンドです。今も、Mrs.GREEN APPLE、Official髭男dism、あいみょん、YOASOBIなど、様々なアーティストがそれぞれのジャンルで愛されているんだなと思います。
●国内外を問わず、注目しているアーティストは?IVEのアン・ユジンさんが「Event Horizon」を、キム・セジョンさんが「Oort Cloud」をカバーしていたり、たくさんのアーティストがご自身の曲をカバーしていますがどう感じていますか?
ー全部聴いています。みなさん本当に自分たちの感覚で歌っているのが感じられて嬉しかったです。
●グローバルなK-POPの盛り上がりを渦中にいてどう感じていますか?
ー不思議だなあと思ってます。私たちは音楽が好きでやってるだけなので。私はK-POPなのかしら?私のようなジャンルもありますと知ってもらいたいです。
●数々のドラマのOSTでも活躍しているユンナさんですが、最近の推しドラマはありますか?
ー日本の方も好きだと思うんですが、ソン・ジュンギさんの「財閥家の末息子〜Reborn Rich〜」と、血を見る系ですが「カジノ」です。
●ハマりごとや癒しアイテムはありますか?好きな香りはありますか?
ーレタスの栽培(笑)。取ってもすぐ出て来る回復力がすごい。こんな小さい子が頑張って育つんだから私も頑張ろうって思うんです。掃除が好きで朝から掃除をして綺麗になったソファで寝転がるのも好き。好きな香りはイランイランやラベンダー系です。ちょっとリラックスする香り。結構緊張するタイプなので、自分では気がつかなかったんですが、家に帰るとホッとするので、外で緊張していたんだなと感じることがあって。
●日本で必ず行きたいところ、買って帰りたいもの、恋しくなることはなんですか?
ー私が昔からペッパーランチが大好きなんです。10代のお金がないときにご褒美に食べていたソウルフードみたいな。それから、伊豆の海が私が見た日本の海の中で一番綺麗だったので、何かの機会があれば、伊豆の海を見に行きたいし、ついでに温泉も行けたらなと思ってます。買って帰るものは、うがい薬、母に頼まれたブレスケアみたいなもの、それと妹に頼まれたアレルギーの薬です笑。薬局大好きです。
●ようやく海外旅行もできるようになりましたが、Marisol読者にオススメの韓国の旅先はありますか?
ー私は星を見るのが好きなんです。意外と海外の方にはあまり知られてないと思うんですが、江原道の麟蹄(インジェ)というところ。白樺林の美しい山があるんです。1時間半くらいハイキングしないと着かないんですがたどり着いた瞬間真っ白な木が広がってすごく綺麗でお勧めです。そのあたりは山の上でなくても、高地なので星もよく見えます。
●ご自身が行ってみたいところは?
ー私12月に北極に行ってきたんです。カナダにオーロラを見に。それは推薦したいです。バス停で道に迷っていた日本の方に話しかけたこともありました。夜も怖くないし、オーロラはすごく綺麗だから一生に一度は見たほうがいいと思います。秋まではレンタカーができるそうなので、次は違う季節に行ってみたいです。1週間以上行けばかなりの確率で観れるそうです。
●プライベートで好きなファッションのスタイルやビューティーティップがあれば教えてください。
ージーンズとTシャツは好きで、ジーンズはすごく魅力があると思います。フィットも違うし、色も同じブルーじゃないし。そんなに買ってもしょうがないんじゃないのと母には言われるんですが笑。ビューティーティップは、洗顔が大切で、よく洗うことと、洗い過ぎない。そのちょうどいい程度を探せたらお肌は健康なんじゃないかなと思います。肌の状態は毎日ちょっと違うので、洗顔は3つくらいを使い分けてます。朝は水だけでとも言いますし。
●新たにチェレンジしてみたいことや克服したいことはありますか?
ー北極に行ったので南に行ってみたいです。
●ニュージーランドもいいのでは?
ー北と南では見える星も違いますし、いいですね、それを目指したいと思います! 克服したいのは、プレッシャーを感じやすいほうで、変に責任感が生じたり、そういうのをどんどん置いて行きたいなと思います。
●今後の予定は?
ーまずはイベントを成功させたい。それからパンデミックのときに中止になった小劇場向けの公演のセットリストで、スタジオで撮ったDVD付きのライブアルバムをもうすぐリリースする予定です。日本で出した曲の韓国語バージョンも収録されますので楽しみにしていてください。