乳がんになってからというもの、再発防止のために食生活を改善していたケビ子。脂質をコントロールするために肉を極端に減らした献立で家族のストレスがたまっていたことを知り、ショックを受けた。乳がん・ニューライフ (第35回はこちらから)
第36回は手術後毎月行う乳がんセルフチェックの話。
乳がんのセルフチェック、したことあるかい?
健康診断やピンクリボンキャンペーンなど乳がんを意識するタイミングで聞いたことはあったセルフチェックだが、お恥ずかしながら実際に乳がんになるまで実施したことはなかった。やった方がよいなと思いつつも実施してこなかった理由はひとえに面倒だったことと当時はまだ乳がんが他人事だったという感覚からだ。
今回は乳がんになってから毎月一回欠かさず実施しているセルフチェックについて。
近所の保険会社の店頭に女性の乳房模型が置いてある。乳がん触診体験と記載があり、乳がんのしこりを触ってみてと書いてある。「ほう、どんなもんかな」とピンク色の小高い丘を触ってみた。
4種類のしこりが内蔵されており、「乳腺症(良性)」「えくぼを伴うがん」「皮膚陥没を伴うがん」「繊維腺腫(良性の腫瘍)」と記載されたタイプ別のしこりとなっている。
乳がんのしこりはあずきのような硬さとは聞いたことがあったが、模型のしこりはさまざまでむしろ戸惑った。そしてあずきのような硬さのしこりに触れると、ただひたすら恐怖であった。
母も乳がん罹患者だが、母の乳がんは通称「花咲乳がん」と呼ばれる外に腫瘍が飛び出していたタイプ(本人に自覚があったにもかかわらず放っておいたために開花)、私は嚢胞があってその中に腫瘍があったタイプ。この乳房模型の腫瘍と見た目や触った感じは異なるものである。
だからこそこの模型のものはわかりやすくがんをイメージしやすいのかもしれないが、逆にこのモデルと異なるものを我が乳に見つけたらどうだろうか。母の乳がんがなかったら大して慎重にならず「あの模型と全然違うから乳がんではないな」と放っておいた可能性もある。
そういうわけで、模型はあくまでもサンプルとして参考にし、乳がんのセルフチェックでケビ子が重要視しているのは、具体的な痛みやしこりの前に「自分にしかわからないちょっとした違和感を見逃さない」ということ。
痛みやしこりがあればそれは一目散に病院に行くのをすすめるが、早期発見のキモはなんかいつもと違うな、という小さな違和感を見逃さず受診することだ。
ケビ子の場合は、鼻の粘膜が乾いて鼻の中が切れていた。治っては切れてずっと血が滲んでいた。左の鼻の穴にはずっと大きなかさぶたができて痛かった。
同じころ、喉に大きなしこりができて受診した。幸い水が溜まっていただけで済んだがこれもいつもと違う体調であった。あとはとにかく疲れが取れず、体が重かった。
これらは乳がんと診断された2021年の1月のこと。
2021年の7月に乳がんと診断され、主治医にも「もう半年早く受診していれば」と言われたためにタイミング的に合点がいってしまった。(ケビ子の個人的な体験です)
さて、セルフチェックに話を戻そう。
乳がん術後は毎月セルフチェックをしている。
具体的な方法は「乳がん セルフチェック」と調べてみるとたくさん情報が出てくるので関心のある方は調べてみてほしい。
ケビ子のやり方は、まず毎月1日に実施すると決めた。そうすることで実施忘れをなくすのが最重要点。あとはネットで調べたチェック方法に従い、タイミングとしては入浴前。裸で鏡の前に立ち、腕を上げた時と降ろした時の見た目の左右差はないかをチェック。
次にしこりがないか触ってチェック。これも腕を上げ下げして実施。
腹肉を揉んでみる、背中を鏡で見るなども併せて実施して全裸でのチェックは終了。
あとは寝る前に、布団に横たわった状態で触ってチェック。
これで終了。
がんのできる場所にもよるが、触ってわかることも多い乳がん。毎月一回継続してひとまずの安心を得ている。
一緒にセルフチェックいかがですか?
つづく
※次回【vol.37】は2023/6/9公開予定です。
43歳で結婚、47歳で乳がん。
心配性の夫、奴さん(やっこさん)はなぜか嬉しそうに妻の世話を焼いている。Instagram(@kbandkbandkb)ピンクリボンアドバイザー(初級)資格保有