☆お話をうかがったのは…
整形外科医。医学博士。スポーツドクター。横浜市立大学客員教授。著書『40代からはやせてもきれいになれません!』(オレンジページ)が話題
体を支える土台となり 内臓や生殖器を守る骨盤
「骨盤は、左右に張り出す大きな“腸骨”と、中心にある逆三角形の“仙骨”、前側下部にある“恥骨”、一番下にある“坐骨”からなり、体の大黒柱である背骨を支える土台となる部分です。骨盤が上半身を支えてくれるおかげで、姿勢は安定します。また、骨盤には、その内側の腸や泌尿器などの内臓や、子宮や卵巣などの生殖器を保護する役割もあります。骨盤が重要な部分といわれるのはこのためです」
このように重要な骨盤だが、多くの女性が気にしているように、ゆがみやすいのが難点。
「骨盤は、ふだんの姿勢や立ち方や座り方のクセ、運動不足などによってすぐにゆがんでしまいます。特に多いのは、骨盤が前傾、または後傾するパターンです。このように骨盤が傾くと、姿勢がくずれ、重心も安定しにくいので、転倒しやすくなります。肩こりや腰痛が起きやすくなり、おなかがポッコリ出る原因にも。また、骨盤がゆがむと脚のつけ根の股関節もゆがむので、O脚やX脚になりやすくなり、膝痛も起きやすくなります。そのほか、骨盤が前傾していると股関節にうまく体重をのせられず股関節痛が生じやすくなり、後傾していると胸郭が前に傾いて逆流性食道炎などの消化管のトラブルも起きがちに」
このように骨盤のゆがみはさまざまなトラブルのもと。正しい位置に整えることが大切なのだ。