坪田あさみ エディター・ライター
「しゃれ顔」と「清潔感」が命。
「若見え」を追いかけすぎると厚化粧に
最近撮影でお会いするヘアメイクさんやスタイリストさんに「坪田さんメイクがうまくなったね〜!」とお声をかけていただくことが増えました。今の私は「肌がきれいだね」よりも「メイクがうまい」と言われるほうが圧倒的にうれしいのです。というのも、最近はコスメの進化がめざましく、テクニックがある人は顔の造形から肌質に至るまで、まるっとメイクの力で変えることができるとんでもない時代に突入しているので、自分の顔に対するテクニックさえ磨いておけば、年をとるのも怖くないのではないかと思ってしまうからです。
拙著『大人のおしゃれはこなれがすべて』(PARCO出版)の中で約1/3はビューティに費やしているのですが、その頃から比べても少しずつではありますが、私のメイクは進化を続けています(もともとの美容偏差値が低いので、今の仕上がりもたいしたことはないのですが、あくまで比較論です)。
ゴールと考えているのは、拙著の中にもあるように「しゃれ顔」になりたいということ。そして「若見え」はゴールにしないこと。年齢は不可逆なのでそこは気持ちを切り替え、むしろ「清潔感」を追い求めること。
メイクで「清潔感」を得るために
意識していることとは?
今回、「メイクがうまくなった」と言ってもらえるようになったことで、「はて、その理由は何かな?」と考えた時に、「もしかしてこれを導入したからかな?」と思い浮かぶ3つのアイテムについてご紹介したいと思います。
その1
10倍拡大鏡
▲等倍鏡と10倍拡大鏡が両面で使えます。できるだけシンプルなデザインのものを選びました。
私自身のメイクに大きな進化を与えてくれたものとして、真っ先に思い浮かぶのが「10倍拡大鏡」です。これは某ホテルに宿泊した時に、部屋に備え付けられていた10倍拡大鏡でメイクをした時に気づきました。
「えっと、この口のまわりの産毛は何? 眉毛のはみ出しやばっ、ファンデのヨレ、アイシャドウのぼかし、めっちゃ汚いんですけど・・・毛穴が開いたままですけどこのまま外を歩いてきた!?」と、とにかく驚愕、がっくり落ちこみました(笑)。しかし、ここは現実を直視し、改めて一からやり直すきっかけともなりました。お持ちでない方には強く購入をおすすめします(たいして高くはありません)。
毛の一本、毛穴のひとつまで
すべてを映し出す恐ろしいツール
拙著の中にも書いたのですが、「真実から目を背けず、牛歩でもひとつずつ改善して前進しないと、あとの人生では後退していくのみ」ということ。10倍拡大鏡は清潔感につながる多くのことを教えてくれます。
▲私が買ったものはUSBで充電できる照明つきのもの(よりクリアに見えます)、そして昼光色・昼白色・電球色の3色のLEDライトが搭載されています。私はAmazonで買ったのですが、検索すればいろいろと出てくると思います。
▲あまりに気に入りポーチの中に入れる小さなミラーも拡大鏡タイプを購入しました。こちらも10倍! さらにLEDライト、USB充電可能と私が欲しい機能をすべて搭載しているので、出張でビジネスホテルに泊まる時に拡大鏡がなくてもうろたえることはありません。
その2
メイクブラシ各種
▲以前はまとめてポーチに入れていたのですが、使いたいものを探し出すのが面倒くさくなり、最近は縦置き収納にしています。しかし、これはインテリア的にどうなの!?と悩み中。ヘアメイクさんが使用しているロールタイプのケースがいいのか? 今度プロたちに聞いてみます!
2つめはメイクブラシを充実させたことです。もちろんこれまでも持ってはいましたが、チークブラシとファンデーションブラシ、アイシャドウブラシを2本ほど、あとはアイブロウブラシ程度でした。今ではコンシーラーブラシや太さや形状の違うアイシャドウブラシを何本か追加、アイラインブラシ、ハイライトブラシ、シェーディングブラシなどなど、もう何本あるかわからないぐらい増えています。でもそれぞれに用途があるので、メイクがとってもやりやすくなりました。
10倍拡大鏡で見て気づいたアイシャドウやアイブロウの雑さも、用途に合ったブラシを使うことで、きれいに仕上げることができるようになりました。以前はブラシをたくさん持っている人は、メイクが上手で使いこなせる人だと思っていたのですが、これは大きな間違い。実は私のようにテクニックがない人こそ、ちゃんとしたブラシが必要なのだと実感。むしろそのほうがメイク上手への近道なのです。
その3
ニュアンスカラーアイテム
▲(左)マスカラは黒やダークブラウンも使いますが、服やアイシャドウなどの色に合わせて、ボルドーや赤、オレンジ系も取り入れています。(右)アイブロウマスカラはその日の気分でいろいろ。色を2色ミックスさせることもあります。肌に比べて毛の部分は、どんなにやっても厚化粧に見えないのがよいところ。
もちろん黒やダークブラウンのアイラインやマスカラも使いますが、最近はニュアンスカラーの出番が圧倒的に増えていると思います。
これは顔のタイプにもよると思うのですが、私のようにもともと辛口なコンサバ顔の人が、黒やダークカラーでキリッと目もとを仕上げてしまうと、なんだか古い感じの顔になってしまうこともあるからです。またニュアンスカラーは色のコントラストが少なく肌なじみがよいので、多少線がガタついていても、ごまかしやすいというメリットも。
▲(左)実際はもっとたくさん持っているカラーライナーですが、最近出番が多いものを選抜してみました。エテュセやDIDION、セルヴォーク、UZUなど。(右)手の写真がそれぞれのカラー(右4本がペンシル、左3本がリキッド)。これまでのように上まぶたのキワのラインだけでなく、下まぶたには影のように使ったりもします。アイライナーは黒を使うことはほぼなくなりました。
これは服も同じなのですが、おしゃれ上級者は昔の服でもおしゃれに着こなせますが、それほどでもない人は、新しい旬なブランドの服を買ったほうが手っ取り早くおしゃれに見えます。なぜならそう見えるようにシルエットや色のトーン、素材などを、作り手がとことん考え抜いて作ってくれているから。そのことはコスメの作り手も同じこと。一見同じように見えるカラーでも色のニュアンス、仕上がりの質感などは、今の気分や服に合うよう作られているのです。テクニックがない私は、その作り手たちのセンスにあやかりたいので、新しい旬なコスメをガンガン試す毎日なのです。
どうせメイクする時間が同じなら
楽しみながら少しでも上達したい
いかがでしたか? もし上記の3つのうちでまだ取り入れていないものがありましたら、どうぞ試してみてください。コスメはファッションに比べれば価格が安いので、実際に気になったものは片っ端から試せばよい、というのが持論(プチプラコスメはドラッグストアに行くたびに何かしら買ってしまうほど)。最初はうまく使えなくても、そのうち一軍に昇格するアイテムもあります。ちょっと冒険アイテムかな、と思っても、自分の肌の色や質感と組み合わされば、意外と使いやすくなるものもあります。テスターや口コミだけではわからないことも多いのです。
そして大事なのはメイクをルーティーン化せず、「今日は自分の顔をどう変えてやろうか?」という意気込みでやること。「崩れないけどつややかに見える下地とファンデの組み合わせを研究(最近の私のテーマ)」や「服の色に合わせてオレンジメイクに仕上げてみよう」など、自分でその日の課題を決めて意思を持ってメイクをすることも大事です。どうせ毎日メイクをするのだから、やるからには少しでも上達したい(「転んでもただでは起きない」が座右の銘な雑草根性な私)。そんな心意気で365日メイクをすれば、1年後にはものすごく進化している気がしませんか? 時間の経過さえもポジティブにとらえられるようになったらさらによいですね!
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。次回の更新は8月12日(土)です。
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