またの名を「金印」。
ありとあらゆる社会科や日本史の教科書の中で
まろやかな黄金色に輝くその姿は
まさに国宝中の国宝というにふさわしいでしょう。
その金印が福岡市博物館にあることを知ったのが
つい最近、去年の博多旅行のときでして、
次回来るときは絶対に観に行こうと決めておりました。
同い年の天才、椎名林檎の名曲を思い出さざるを得ない
ももち浜に位置しています。
さて、東京からはるばる来たからには
一刻も早く金印と対面を!!!
と鼻息荒く館内を進んでいた私と連れの足が
ピタッと留まったのは、こちらのコーナー。
好きに触ってみることのできる、体験コーナーなのです。
しかも超太っ腹なことに、無料!
仮装・変装・扮装が大好き。
かくして、この「みたいけんラボ」で
あっという間に30分間を溶かしてしまったのでした……。
それでは、誰トクか分からない
私の民族衣装コレクションをしばしご鑑賞ください。
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ガムランや太鼓などの楽器体験コーナーと、
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巨大なバリ猫もあります。
いよいよ金印が待つ展示室へ。
金印は福岡市博物館の常設展示室に
所蔵されているのですが、
この常設展示、入場料いくらだと思います?
聞いて驚け、
200円。
こないだコンビニで大好物のピザポテトを買おうとしたら
円安の煽りか知らないけど税込205円もしてて、
諦めたんだけど、それよりもやすーーー。
福岡市民の皆様に感謝しながら、
いよいよ入場。
黒と金を基調にした、重厚感ある内装に
テンションは最高潮。
そして、ほぼ漆黒といえるほど暗い部屋に入ると、
ほのかに照らす明かりの下に
いらっしゃいました……。
というのが第一印象。
一辺が2.3センチらしいので、
親指の先より一回り大きいくらいのサイズ。
そこに刻まれた「漢委奴国王」の文字は
下に置かれた鏡の反射でしっかり見ることができます。
ここ博多周辺を治めていた倭の奴国の王に
西暦57年に授けた印である、
ということが通説になっています。
というと、なんとなく後漢側の使者が
玄界灘をどんぶらこと渡って
九州に金印を運んできてくれたような
イメージを勝手に持っていましたが、
展示解説を読むと、
天下の漢国がそんなことするわきゃない。
我らが倭の奴国の使者が命がけで大陸に渡り、
もらってきたものだったのですねえ。
ものすごーく空いていて、
好きなだけ金印を眺めていられたのですが、
そのうち他の観覧客が金印展示室を出ていってしまい
金印と私だけが部屋に取り残されるという、
「国宝と俺」
こんなに贅沢な200円の使い方を
私は他に知らない。
福岡市の歴史を俯瞰する常設展示が続いていて
かなりの充実ぶりでした。
特に中国大陸および韓半島との結びつきは
言わずもがな強くて、
一緒の文化圏なんだなあ、という思いがひしひし。
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近代のモダン都市・福岡のカフェー。
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映えスポット。
民俗風習の展示もおもしろかった!
飛行機でわずか2時間の距離でも
こんなに文化が違うのですね。
(民族衣装試着コーナーに時間かけすぎた)
また来ないとね。
福岡市博物館のはかなり小規模ですが
金印が買えちゃうので、皆さん要チェックですよ。
どちらにするか迷いましたが
金メッキ仕上げで本物と似た輝きを放つストラップを。
本物の金印に付いていたとされるのが紫色、
可愛いのは圧倒的に赤色、なんだけど、
金運が瀑上がりしそうな金色ですよね、やっぱり。
金印にしてはお手頃価格なので、
皆様も福岡市博物館に行ったら
お土産にひとついかがでしょうか。
家に金印がある生活。