東海林さだお師匠が、こう綴っておられました。
実際に肉を焼くのは、最初だけであり
以降は割り下(関東)や野菜の水分(関西)で
煮て食べる料理である。
料理名と実体の乖離を指摘せざるをえない。
最初の肉を焼く行為は、
「すき焼き」という名前を保持するための
いわば儀礼、免罪符に過ぎないのではないか。
まあこういう感じだった、くらいでご容赦ください)
さすが師匠、本質を突いたご指摘!と激しく首肯し、
以来、すき焼きを食べるたびに
疑惑の視線を向けていたのですが
このたび、もしかしたらこの大いなる疑問に
ある答えを示すのかもしれない料理に出会いました。
ムーガタ(หมูกะทะ)
日本では「タイ式焼肉」と紹介されています。
コロナ中にタイで流行ったそうで、
最近、日本のタイ料理店でも
ムーガタを提供するお店が急増中の模様。
その名もMOOKATAがあるとのこと。
さっそく湯島本店に行ってきました。
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/05/059fd785b8ce21a137281f36a89d7d26_640x480_w.jpg)
この日いらした店員さんは2人ともタイの方で
日本語がほとんど通じない!
そしてお客さんはほぼ全員タイ人と思しき若者。
いいわ~、ガチだわ~。
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/7a/7acc3d27f221aa695197c0b1e6957582_640x660_h.jpg)
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/a3/a3db5b2a4eac13323c3789448982ba0a_640x480_w.jpg)
(毎週木は女性限定で1999円だそう)
人数分注文したら、食材をカウンターに取りに行きます。
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/66/669b83929e2a135623de71947b5e1240_640x480_w.jpg)
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/07/0761758dbb1ddc97f7f4e617100a4a95_640x480_w.jpg)
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/90/9069f7e2c21aac8b60ac5e4891ee2350_640x480_w.jpg)
使う鍋は、ジンギスカン鍋のような
中央が盛り上がった形。
そして周りのフチに、スープを注いでおくのが
ムーガタ最大の特徴です。
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/db/dbdb1de950d228e977ce8306e101260c_640x480_w.jpg)
同時に下部のスープで野菜類を煮つつ、
ひたすら食べます。
このあたりで聡明な読者諸君はすでに
あっ…(察し)
ってなってると思うのですが、
そうなのです、この食べ方だと
肉を焼く工程が途中でなくならないのです。
「焼く」と「煮る」が
食べ始めから終わりまで、同時進行なのです。
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/71/71cdf9beaf7a70857d20ac4a068e8a74_640x480_w.jpg)
ですが、焼いてから一度スープでしゃぶしゃぶすると、
焦げ目がついて香ばしいのに、
鍋料理のお肉の味がするという
ハイブリッドな新・味・覚!
余計な脂が落ちるからか、非常に美味しい。
「焼く」と「煮る」のいいとこどりをしたムーガタこそ
「すき焼き」の本質にもっとも近い料理ではないか、
と思ったのです!
いかがでしょう、東海林先生!
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/92/92bc5cb508915745f476b66359eee8bb_640x480_w.jpg)
あれは名前は日本のすき焼き由来なのに
肉を焼く「儀礼」すら無しで、
最初から具材を煮て食べる純然たる鍋料理ですが、
タイスキが忘れた「すき焼き」というルーツを
ムーガタが取り戻した、とも言えるんじゃないだろうか。
おお、なんと奥深きムーガタの世界……。
ところで私はバンコク出張の直後に
このお店に行ったのですが、
サイドに頼んだ一品料理(別料金)は
現地の味そのものでした!
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/9f/9f4afd8aebd6763ae0d09a8c39d89dc2_640x677_h.jpg)
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/5c/5ca6bbb90c0eb1694b4313349ea7a9a5_640x480_w.jpg)
![ムーガタ ムーカタ](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/07/0782bc0c48f1ef573e77e152edfb8dce_640x587_w.jpg)
タピオカココナッツミルクだったのですが
ここのはちょっと変わってた。
![ガチ中華の次はガチ"タイ"だって!? 急増中のタイ式焼肉“ムーガタ”を食べてきた。_1_13](https://image-hp.hpplus.jp/q=85,f=webp:auto/org/47/47982b1af63a98310d5e7783047c56bd_640x627_w.jpg)
噛んでも味わっても全然わからなかったので
店員さんにこれは何ですか、と聞いたら
さっとGoogle翻訳に入力して見せてくれた画面に
「レンコン」と。
言われてみれば、
シャキシャキの歯ざわりはたしかにレンコン。
甘いココナッツミルクと、意外な相性の良さでした。
なんせ焼くと煮るが同時進行のため
煙と湯気のダブルパンチで猛烈に暑いので、
個人的にはもう少し涼しくなってから
行くことをお勧めいたします。
食べログのリンクはこちら↓
ここ以外にもムーガタを提供しているお店が複数あるので、
気になる方は検索してみてくださいね。