坪田あさみ エディター・ライター
単機能、シンプル、コンパクト。
キッチンに生活感を出さないために必要なリノベポイントの2つめは、「片づけや清掃が楽であること」。このためにしたことは、徹底的にキッチンを小さく狭くコンパクトにすることでした。
というのも、リノベをする時に一番力を入れたい場所はどこかというと、多くのかたはキッチンだと思うのです。つまりキッチンは大きく、豪華な方向に向かいがち。
しかし、わが家の場合は真逆でした。キッチンはとにかく「小さく狭くコンパクト」に。その理由はただひとつ、大きなキッチンは掃除が大変だから!
あなたにとって理想のキッチンは
どんなキッチンですか?
この考えに至ったのは、以前住んでいた家のキッチンに理由がありました。流しは大きなサイズのものが2つも設えられていて、調理台はとても長く、キッチンコンロは4口、魚焼きグリル、大きなオーブンも内蔵されていて、食洗機もあれば、収納も上から下までびっしり、床下収納までありました。「快適」と思いますか? 真逆です。私は常に大きなキッチンの掃除に追われ、とてもストレスだったのです。
物理的に面積が広いと、ふいたり洗ったりする箇所もそれだけ多くなります。コンロが大きければ、それに合わせた大きな換気扇がついているし五徳の数も多いから、気軽に掃除をすることができなくなり、きれいではない状態のまま生活することになります。つまり生活感が漂い始めます。
キッチンは使い終わったら、すぐに掃除をして元の状態にリセットすること。それを苦もなくできる作り、それが私の理想でした。生活感が漂わないようにするために、常にきれいであることが重要だからです。
小さく狭いコンパクトなキッチンに
私がしつこいまでにこだわった理由
そこで、わが家はお願いしていた工務店に以下の7つの要望を出しました。
1/コンロは絶対に2口。3口や4口はいらない!ということ(ひとり暮らしではないのに大丈夫ですか?と心配されつつ)。2口だと毎日外して洗うのに気合いが必要なく、食器と一緒にさっと洗えるので、使うたびに新品のようにリセットできます。毎日洗うので焦げつきは皆無。わが家は食洗機もつけませんでしたが、大型の食洗機ならそのまま入る大きさです(ちなみに食洗機をつけなかった理由は、キッチンが狭いというのもありますが、本音は食洗機の掃除をするのが面倒だから)。
今は電子レンジや放っておいても煮込んでくれる電子調理器などもたくさんあり、必ずしもガスだけで料理をするわけではないので2口で十分。その代わり小さなキッチンにもかかわらずコンセントは3箇所(計6個)つけてもらいました。
▲全体が一体となっている五徳は、食器を洗うついでに、パッと外して丸ごと洗っています。ガス台自体はセスキスプレーとクエン酸スプレーで毎日ふきます。
2/換気扇はできるだけ小さく。コンロが小さいとそれに合わせた換気扇のサイズになるので、換気扇が小さくて済みます。つまり掃除が楽(このキーワード、何回も出てきますね)。プロにお掃除を頼む時、価格が安いのもうれしいポイント。
▲左上が換気扇。レンジフードの中には油汚れを防止するシートを張っていますが、それさえ小さなサイズでOK。シートは見えると生活感が出るので、小さければ小さいほどよし!
3/食器を洗うのに窮屈ではない最低限の流しを設置。にっくき水アカがつく面積も小さいので掃除で疲れません。流しにもいろんな機能が最近は備えつけられますが、それも一切排除。これも複雑になければなるほど、掃除が面倒になるというのが理由。
▲フライパンや中華鍋を洗うのに問題ないサイズ感です。もっと広ければ!と思ったことは今のところ一度もありません。
「キッチン」編④では、7つの理由の4~7をご紹介します。
次回更新は11月18日(土)です。
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