すき間時間や寝る前、軽―く読めるエッセイ本。忙しい日々にあるとほっとするもの
年があけてあっという間に2月も終盤。このへんでリラックスできるよう、癒されるな~と思うエッセイ本たちをメインに集めてみました。
*写真右上から
稲垣えみ子さんの『老後とピアノ』
クラシック雑誌連載のために40年ぶりにピアノのレッスンを始めるお話。私も子供の頃に好きだったピアノをそのうち再開したいな~とゆるく考えこの本を手にとりましたが、著者のピアノへの熱量がすごい!ゆるさゼロ。家にピアノがないにも関わらずカフェのピアノを借り毎日レッスン、地方へ行ってもピアノを借りてレッスン、日々2時間は当たり前という熱心さ。先生はプロのピアニスト。挫折を味わいながら手を痛めるまで弾き続け、著者がたどり着いたのは、‘自分にとってピアノのレッスンは老い方のレッスンなのかもしれない’との思い。その過程がエネルギッシュに綴られた一冊です。辻井伸行さんの「マイ・フェイバリット・ショパン」や「蜜蜂と遠雷 ピアノ全集」などレッスンを通して出会った名盤11選がおまけについています。
ジェーン・スーさんの『おつかれ、今日の私。』
ジェーン・スーさんの優しいエッセイ。仕事や人間関係でうまくいかないことにも、年齢を重ねていく楽しさとしんどさにも、がっしり寄り添って肩を組んで「おつかれ!」と言ってくれているような、そんな感じの一冊です。
益田ミリさんの『進め!僕の姉ちゃん』
マンガを一冊。益田ミリさんの『進め!僕の姉ちゃん』は姉弟の会話がひたすら続いていくのですが、自分に弟がいるせいかつい読み進めてしまうシリーズ。何も起こらない、漫談のようなやりとりに癒されます。
高垣麗子さんの『わたしの好きのかたち』
Marisolでもおなじみモデルの高垣麗子さんのエッセイ『わたしの好きのかたち』。いつ会ってもふんわり周りを包み込む優しい麗ちゃん、モデルとして30年第一線で輝き続ける彼女をつくってきたものが詰まっているフォトエッセイです。マネージャー・スージーが語る麗ちゃんコーナーや、最後の本人のインタビュー含め、仕事もプライベートも自分らしく進んできた様が力強く素敵。背筋が伸びる一冊です。
内田也哉子さんの『BLANK PAGE』
『BLANK PAGE』は内田也哉子さんの‘対話’エッセイ。‘心が空っぽになり人に出会いたいと切望した・・’ところから始まる也哉子さんと15人との対話集で、他の5冊とはかなりテンションの違う一冊ですが、読んでいると心落ち着くエッセイです。谷川俊太郎さん、小泉今日子さん、中野信子さん、マツコ・デラックスさんetcが登場します。
大久保佳代子さんの『まるごとバナナが食べきれない』
こちらはMarisolに掲載されていた連載コラム「食とエロス」がもとになったもの。40代~50代にかけての大久保さんの愛すべき日常や若き日のしょっぱい思い出や親との話など、笑いありほっこり感あり・・読み終えると大久保さんがますます好きになるのでした。
今月のお気に入り 【マッターホーンのダミエ 】
街にチョコがあふれる2月。後半バレンタインが過ぎると名残を惜しむようにチョコレートではなくチョコレートケーキが買いたくなる私。クラシックな包装紙と味がいいマッターホーン、1952年創業の老舗です。
編集長イシダ