【今月のお悩み】「姑からのお誘いを上手に断る方法は…?」
(兵庫県・みどり・37歳・会社員)
☆辛酸なめこさんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
「上手に断る」のは無理。 夫の目を覚まさせるしかありません
ただ、ここへきて突然、姑のお誘いを断るというのは、断り方をどんなに工夫したとしても角が立つような気がします。「あんた何、突然」って逆ギレする可能性も。というのも、お姑さんはみどりさんのことを、自分の話をなんでもハイハイと聞いてくれるベストパートナーだと勘違いされているのだと思います。親戚の人たちにしたって、「みどりさんは付き合いのいい、いいお嫁さん」と思っているんでしょう。そこでいきなり反旗を翻すのはむずかしいというか、総攻撃を受けかねない。それは避けたいですよね。
この問題を解決するには、ダンナに今の性格を変えてもらうしかありません。僕にも覚えがあるのですが、ダンナは気が「きかない」のではなく「つかない」んです。これまでみどりさんは文句も言わずに我慢してきたし、お姑さん(つまりダンナからしたら母親)はみどりさんを頻繁に誘い出しているなんて息子には言っていないでしょう。実はお姑さんの本心は、嫁ではなく息子に会いたい、一緒に旅行したいと思っているわけです。でも、仕事で忙しい息子を呼び出すのは悪いから、みどりさんを誘うことで気を紛らわせている。それに気がつかない息子。みどりさんの我慢にも気づかないお姑さんの息子ですからね、ダンナはそのDNAをしっかり受け継いでいることは間違いありません。
ここはもう、ダンナに訴えるしかありません。ただ、「もう、我慢できない!」と言われても彼は事情を知らないわけですから、妻がなぜ怒っているのかわからず逆ギレしかねない。「もし私の母親があなたを頻繁に誘ったら、どうかな?」ということを、子供に勉強を教えるみたいに懇切ていねいに説明して、わからせてみましょうよ。
話をする環境も大切です。久しぶりにふたりで焼き肉屋にでも行って、特上ロースを奮発してダンナが大満足していい気分になったところで、さらりとこの話題を出す。「本当はあなたに会いたいのよ。でもお母さん、優しいから息子を困らせたくなくて、会いたいとは言えないのよ」とかなんとかお姑さんのことも持ち上げて。ここはとても重要です。そうすると、いくら鈍感な男でも「そうだったのか」と気づいてくれると思うんです。そうなれば、お姑さんの誘いが急にはなくならなくても回数が減るとか、何かしら変化があるのでは? 本来ならダンナが電話してお姑さんを親子デートに誘うべきなのですがね。
話をしてもダンナが聞く耳をもたなかったら……みどりさん、今後の人生をよく考えてみてください。このままだと、もしお姑さんの介護が必要になった場合、みどりさんひとりがそれを背負うことになりそうです。それ、よくないですよ。
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●JUN MIURA: イラストレーターなどなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」など数々のブームを生み出す。『みうらじゅんと宮籐官九郎の世界全体会議』(集英社)が大好評発売中!
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●NAMEKO SHINSAN: 漫画家、コラムニスト。巫女的な感性でアイドル観察からスピリチュアルまで、あらゆる事象を取材。近著に『辛酸なめ子の世界恋愛文學全集』(祥伝社)などがある
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