現地の流行を反映しているのか、
SNS映えしそうな派手ネオン系とか、
逆に素朴な農村をお洒落に演出した系
(いわゆるプチ・トリアノン系)
とかが多くて、それはそれで楽しいのですが
『延吉香』はそういった色気はゼロの
質実剛健、謹厳実直、生真面目なお店。
食堂の本質とは旨い料理をたっぷり提供することじゃ!
という誰かの声(誰?)が聞こえてきそうなお店。
同じく御徒町の名店『故郷味』しかり、
ミドフォーともなるとこういうのが安心なんです。
では、さっそく行ってみよー!
改札を出れば見える位置にあります。
正しい発音は「ヤンジージャン」らしい。
中国「延辺地方」の中心都市で、
立地がら朝鮮にルーツを持つ中国人、
いわゆる「朝鮮族」が多く暮らす地域。
なので「延吉」を冠するこのお店には、
四川省や湖南省のガチ中華とはまた違う、
冷麺やスンドゥブチゲのような韓国っぽい
メニューがたくさんあります。
二品しか食べられなかったので、
今回は食べるの大好きな友達と一緒に
平日昼からガチ中華三昧してきました。
せっかくなので、両方の日の料理をご紹介しますね。
大根のピリ辛和えの3種。
どれも味付けがちょうど良く、
このあとの料理の期待値を上げてくれます。
注文した「焼き冷麺」と「羊肉串焼き」。
中国東北部、つまりまさに延吉市のあたりの
屋台で売っているストリートフードらしい。
冷麺の生地を麺にはせず、そのまま伸ばして
中にスパムとネギを入れて
くるくる巻いて焼いた、というもので
冷麺特有のニチっとした歯ごたえが特徴的。
固いクレープみたいな感じ。
東京で中国東北部のB級グルメが食べられるとは
すごい世の中ですなあ。
こちらのは塩分もスパイスも控えめで
とても食べやすいタイプでした。
さてここからは友達と行った日の写真。
という料理が出色でした。
これは東北地方ではなく北京の料理らしいのですが、
甜麺醤のソースに絡めた細切り牛肉を
たっぷりのキュウリとパクチーとネギと一緒に
薄いシート状の豆腐で巻いてパクリといきます。
野菜の爽やかさが相性抜群!
味の方向性的には北京ダックだけど、
小麦粉ではなく豆腐の皮で巻くので
とてもヘルシーでいくらでも食べられちゃいました。
つい注文してしまう「鶏のピリ辛炒め」。
一口大よりも小さい骨付きフライドチキンは、
揚げることによって旨味が凝縮してる感じ。
ヒーヒーになるくらい辛いですが、箸が止まりません。
口の中でほどけ、脂が溶けてしまうほど
柔らかく煮込まれたスペアリブが絶品。
醤油ベースのこっくりとした優しい味わいで、
八角の香りがエキゾチックでした。
特に、延辺料理の代表格の冷麺を絶対食べるぞ!
と決意していたはずなのに、
なんとわずか三品食べたところで友達も私も満腹に……。
(しかも結果的にあまり延辺料理を食べていない)
ガチ中華レストランあるあるですが
一皿が3、4人分くらいのボリュームなので
たった二人のミドフォーの胃は
すぐに容量オーバーになってしまったのでした……。
うう……無念。次回は大勢で来るぞ~。
今どき本邦で、少なくとも東京で800円って奇跡では⁈
ランチもしっかりガチな料理が揃っているので
ちょっとお試ししてみたい方にもオススメです。