【今月のお悩み】「八方塞がりの日々から抜け出したい」
(岐阜県・れん・42歳・アルバイト)
☆辛酸なめこさんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
八方塞がり=イコール究極のリラックス、 思いっきり満喫してみましょう
いやいや、ふざけているわけじゃないんです。僕はけっこう言霊というのを信じているんですが、文字にも力があるような気がして。この、いかにも苦しそうな言葉を口にしたり書いたりしていると、どんどん塞がれてしまう感じがして、ますます苦しくなってきそうです。だから、まずはこの言葉を使わないようにしませんか? 何かほかの言葉で言い換えてみるというのは、どうでしょう。
バツイチで、恋愛の仕方を忘れて、友達関係がうまくいかず、仕事も見つからない、という状況……。僕のものすごい勝手なイメージなんですけど、今のれんさん、ひょっとして実はこれまでの人生の中で一番リラックスしているんじゃないでしょうか。
恋愛の仕方を忘れてしまったとのことですが、恋愛ってけっこうめんどうくさいじゃないですか。まわりの人たちだって、表面的には楽しそうに見えているだけでホントのところはわかりませんよ。友達関係にしても、ほら、うまくやっていくためには気を遣うし、無理に相手に合わせたり。それがしんどくなる時、ありません?
と考えると、れんさんは今、結婚や恋愛や人間関係の煩わしさとは無縁、という状況にあるわけですよね。だから、本当は心も体もものすごくリラックスしている状態だと思うんです。仕事にしても、食べていくためにはたしかに働く必要があるかもしれませんが、長い人生の中で、仕事から少し離れている時期があってもいいような気がします。働かないと怠け者のように思うかもしれませんが、れんさんは今、働いていらっしゃいますよね。れんさんにとっては仕事=正社員で、アルバイトのままじゃダメだ! ということなのでしょうか。
れんさんは、ものすごく真面目なかただと思います。だから、今の状況を「リラックスしている」と言われると、さぞお腹立ちのことでしょう。でも、客観的に見ると、べてから解放されている状態ではないでしょうか? どうでしょう、八方塞がり=究極のリラックス状態と言い換えてみては。
れんさんにしてみれば、リラックスしている自分が許せないかもしれません。でも、ここはひとつ、そんな自分を受け入れてみてはいかがでしょうか? 八方塞がりという言葉が浮かんだら即座に「リラックス」に変換してくださいよ。リラックスを満喫しているうちに心がふわっとしてきて、物腰や人当たりもソフトになるような気がします。そうすれば、恋愛も友達関係も仕事も、少しずついい方向に進んでいくんじゃないかと、僕は思います。
-
●JUN MIURA: イラストレーターなどなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」など数々のブームを生み出す。『みうらじゅんと宮籐官九郎の世界全体会議』(集英社)が大好評発売中!
-
●NAMEKO SHINSAN: 漫画家、コラムニスト。巫女的な感性でアイドル観察からスピリチュアルまで、あらゆる事象を取材。近著に『辛酸なめ子の世界恋愛文學全集』(祥伝社)などがある
※採用時は匿名にて掲載します。
※承諾を得た場合を除き、応募されたかたの個人情報を目的以外に利用することはありません。