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韓国エンタメ1年の総決算!「百想芸術大賞2025」受賞作から選ぶ今観るべきドラマ3選

韓国で最も権威あるエンタメアワード「百想(ペクサン)芸術大賞2025」が今年も5月5日に開催されました。映画・ドラマを横断して、話題性だけでなく脚本・演技・演出の完成度が高い作品が表彰されます。今回はテレビ部門の受賞作から、キム・テリ主演「ジョンニョン:スター誕生」、チュ・ジフン出演「トラウマコード」など、今観ておきたい3作品を厳選してご紹介します。

「ジョンニョン:スター誕生」女性国劇のスターを演じるキム・テリ圧巻の演技に注目

今年の最優秀演技賞(女性)を受賞したのは、ドラマ「二十五、二十一」や「悪鬼」に出演のキム・テリとなりました。受賞作は「ジョンニョン:スター誕生」という作品です。

本作は朝鮮戦争後の1950年代を舞台に、偶然の出会いがきっかけで女性国劇にスカウトされ、主人公が天性の歌声で人々を魅了する俳優に成長する物語です。

と書くと、日本でも長く人気を集める漫画「ガラスの仮面」を思い出すかたもいるかもしれません。時代や国は違えど、本作「ジョンニョン:スター誕生」の物語には少し「ガラスの仮面」に似たところもあります。

韓国エンタメ1年の総決算!「百想芸術大賞2025」受賞作から選ぶ今観るべきドラマ3選_1_1
『ジョンニョン:スター誕生』ディズニープラスのスターにて全話独占配信中  ⓒ 2024 STUDIO DRAGON CORPORATION & CJ ENM Co., Ltd.(全12話)
市場で魚を売って生計を立てる、つつましく暮らす家庭に生まれたキム・テリ演じるジョンニョン。歌を歌うことが好きで、母に叱られながらも市場でその歌声を披露していました。ある日、市場で歌うジョンニョンは国劇の人気スターに見いだされます。その華やかな世界に魅了され、「天性の歌声と表現力」でスターの道を歩みはじめることに。
物語はいまでは韓国の伝統芸能となっている女性国劇を舞台に、ひとりの女性の成長とスターを目ざす人々の関係、挫折と成功を描いており、見ごたえ充分!
最優秀演技賞を獲得したキム・テリは童顔で華奢なスタイルをしており、過去作「二十五、二十一」でも、30代に突入していながらはつらつと愛らしい女子高校生役を好演し、ドラマの人気に貢献していました。2025年5月現在、35歳となっているのですが、その姿の愛らしさは変わらず、「ジョンニョン:スター誕生」でも国劇スターを夢見る少女時代から成長する姿を無理なく、可憐に演じています。
韓国エンタメ1年の総決算!「百想芸術大賞2025」受賞作から選ぶ今観るべきドラマ3選_1_2
『ジョンニョン:スター誕生』ディズニープラスのスターにて全話独占配信中 ⓒ 2024 STUDIO DRAGON CORPORATION & CJ ENM Co., Ltd.(全12話)
もうひとつ本作で注目すべきは、ドラマで披露されるパンソリ(韓国の伝統的な歌唱スタイル)はキム・テリ本人が歌っていることです。本作に備えて3年間、パンソリの練習を重ねたようですが、その歌唱と表現には一見の価値があります。王道の成長物語を自ら歌い、踊り演じきったキム・テリの魅力を本作で堪能してください。

「トラウマコード」医療ドラマ人気を盛り上げた、チュ・ジフンの大人の魅力

また、今年の最優秀演技賞(男性)を受賞したのが、日本でも人気再燃中のチュ・ジフンです。Marisolでも以前本記事でご紹介していますが、改めて今年の百想芸術大賞で彼の実力が高く評価されることになりました。受賞した出演作は「トラウマコード」です。本作では戦場での医療活動経験を生かして、問題だらけの大学病院の重症外傷チームを再生させていく医師を演じています。韓国だけでなく、日本やアメリカにも多くの病院、医療をテーマとしたドラマはありますが、本作では救急医療の緊迫感や医師が感じているであろうプレッシャー、手術の様子などがリアリティを感じさせる作りとなっている点がおすすめポイントです。

韓国エンタメ1年の総決算!「百想芸術大賞2025」受賞作から選ぶ今観るべきドラマ3選_1_3
Netflixシリーズ「トラウマコード」独占配信中
主人公のガンヒョクを演じたチュ・ジフンですが、本作では情と志のあるエネルギッシュな医師役を好演。重症外傷センターという命を救う最先端の緊迫感を体現しています。ドラマ内では、数々の治療現場や手術シーンが展開するのですが、その迫力はかなりのもの。普段の生活の中では、実際の手術の様子を直接見ることはまず無いことですが、本作で繰り広げられる手術シーンには思わず目の前で本当に執刀が行われているのでは?と感じて、視聴しながら手に汗握る場面も。
大学病院という組織が抱える課題、人間関係、医師という職業を支える意志、を描きながら、アクションシーンやコメディタッチの場面もたびたび登場し、ドラマの楽しみどころを多様に披露してくれる点も、脚本や演出の巧妙さに加え、主演を務めたチュ・ジフンの貢献度の高さがあったのではないでしょうか。
韓国エンタメ1年の総決算!「百想芸術大賞2025」受賞作から選ぶ今観るべきドラマ3選_1_4
Netflixシリーズ「トラウマコード」独占配信中
40代を迎えて、モデル出身のイケメン俳優から渋さや重厚な雰囲気をまとって再び人気を高めているチュ・ジフン。日本での人気の高まりはもちろんですが、韓国でも広く大衆から人気や注目を集めており、早くも次回作が楽しみな俳優のひとりとなっています。

「おつかれさま」人との出会い、時代を紡ぐ家族の物語が感動を呼ぶ名作

最後のご紹介するのは、今年の百想芸術大賞 テレビドラマ部門で作品賞を獲得した「おつかさま」です。こちらもご以前紹介したドラマですが、今回は本作が何故作品賞に輝いたのか?について、考えながら作品の魅力をお伝えしていきたいと思います。

韓国エンタメ1年の総決算!「百想芸術大賞2025」受賞作から選ぶ今観るべきドラマ3選_1_5
Netflixシリーズ「おつかれさま」独占配信中
本作の制作発表時には主演を務めるIUとパク・ボゴムに注目が集まったと思います。ふたりは日本でも人気、知名度ともに高く、これまでも数多くの名作、人気作に出演しており、両者の出演を告知することが作品への関心を呼びやすかったでしょう。実際に、本作でふたりが演じるエスンとグァンシクの役割は物語を通じて、近代韓国の激動と変化を伝える重要なものです。
半面、本作は済州島に生まれたふたりの男女の初恋から成長、時代に翻弄される姿、家族となり、自分たちの子供へと時代を引き継ぐ様子が丁寧に描かれています。人生を通じて青年期から成人後、家族となるまでの時期は、つらいこと、困難なことも乗り越え、充実と幸せの実感を得ていく大切な時間であり、その魅力はIUとパク・ボゴムだからこそのみずみずしい表現が満ちていました。
韓国エンタメ1年の総決算!「百想芸術大賞2025」受賞作から選ぶ今観るべきドラマ3選_1_6
Netflixシリーズ「おつかれさま」独占配信中
このようにドラマは演じる俳優の演技や姿によって視聴者を物語の世界に導いてくれますが、視聴者の心を動かすセリフや出来事を作り出すのは、やはり脚本の力だと思います。
物語の始まりを担った子役の魅力や、壮年期から年老いた夫婦の姿を伝えるパク・ヘジュンとムン・ソリの安定した演技力と、脚本の進行を通じてそれぞれの世代の物語が表現されることで、本作が視聴者の心を揺さぶり、感動を生むのです。
ドラマ終盤に本作のタイトル「おつかれさま」の意味がわかる場面があります。ここまでエスンとグァンシクの人生を見続けてきた視聴者なら、涙なくして観ることができないシーンとなっています。

丁寧に近代韓国の歩みが人々の人生に与えた苦難と喜びを伝える物語が書かれた脚本を、素晴らしい俳優たちと演出、そして彼らの演技を開花させるため奔走するスタッフの力があって獲得された作品賞であることを、視聴していただければ納得するでしょう。
文/森田稜子

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