もはや韓国に行かなくてもいいんじゃないの!?





【オクドンシク】ではどの店舗でもデジコムタンをお客様に提供する直前に「トリョム」を行うのですが、その過程をぜひ見てほしいということで、日本では一番目立つところにミニ厨房を置いたそうです。
今回は特別に、オク・ドンシク氏が「トリョム」を披露してくださいました。








「コムタン」というと白濁スープを出す店も多いのですが、それは骨を煮込んでいるからだそう。【オクドンシク】はあえて肉だけを香味野菜と煮出すことで、すっきり上品な味わいの澄んだスープになるのだそうです。



オク・ドンシク氏は海外支店ではなるべく現地の食材を使うことをモットーとしていて、日本支店でも唐辛子以外はすべて国産の食材を採用しているとのこと(唐辛子だけは韓国産でないと思い通りの味が出ないらしい)。そのためソウルと全く同じメニューを提供することにはあえてこだわっていないそうです。



【オクドンシク】日本支店には、もう一つの目玉があります。それが、【NERD BREWERY】という韓国の醸造所が作る伝統酒。


このオクドンシク✕NERDのコラボは、オク・ドンシク氏からのラブコールによって実現したもので、そのうちソウル本店でも採用する予定だけれど、当面は日本支店限定とのこと。NERDはまもなく本格的な日本展開を予定しているそうで、今後大注目です。

これまで「デジコムタン(돼지곰탕)」という単語を普通に使ってきましたが、私この料理名、いままでに聞いたことがなかったんです。そもそも「コムタン(곰탕)」というと牛肉のスープのことで、豚肉(デジ)は絶対に使いません。
所変わって、釜山に「デジクッパ(돼지국밥)」という郷土料理があります。これはご飯を入れた豚肉のスープで、韓国では豚肉が牛肉よりもランクが下と見なされることも相まって、庶民の味覚という印象が強く、なぜか釜山のある慶尚道以外には広がらない地元グルメだったんです。
釜山の町の食堂でデジクッパを食べるとせいぜい5,000〜6,000ウォンくらいなのに、ソウルの弘大近くにオープンした【オクドンシク】のデジコムタンの価格は10,000ウォン近かったので、当初は「なんでデジクッパにそんな大金を?」という声もあったそう。
それが、今やソウルでミシュラン・ビブグルマンを8年連続獲得し、「デジコムタン」を求めるお客さんが行列を成し、さらには韓国を飛び出して、ニューヨーク、ハワイ、東京、そしてパリと展開中……って、これはもはやデジクッパ革命と言っていいほどの快挙ではないでしょうか?
温故知新を経て進化しつづける韓国グルメシーンからますます目が離せないぞ、と思った初デジコムタン体験でした。
