さていよいよ秋も深まり、恋しくなってくるのは芋栗かぼちゃの秋の味覚たち。
そんな中でも今の時期は、栗まんじゅうや栗大福、栗蒸し羊羹などなど和菓子界でも栗が主役の和菓子がとってもあついシーズンです。
今月の旅&グルメ部のテーマである「秋スイーツ」に沿って、今回は我が愛しの伊勢丹新宿のデパ地下で栗拾いしてきた中から美味しかったものをご紹介したいと思います。
そんなとらやさんは通年通して美味しい季節の和菓子を提供してくれていますが、そんな中でも私はこの時期のとらやさんの和菓子が特に大好きで、毎年心待ちにしているのが栗粉餅(くりこもち)と栗蒸羊羹♡
その大好物の2点に加え、栗鹿の子も合わせた計3点をどどんとご紹介♪

若かりし頃、あんこ好きではありながら羊羹は私の中でのあんこ菓子の位置づけとしてはかなり低いものでした。
中学生時代のある日、同じく生粋のあんこ好きである我が父が当時の我が家では超高級品だったこの栗蒸し羊羹を食べていて「おいしいからお前も食べてみなさい」と誘われ「私、羊羹はあんまりだから」と最初は断ったものの父があまりにもおいしいおいしい頬張るので、一口食べてみることに。
口にした瞬間、脳天に雷が落ちたかの如き衝撃を受け羊羹へのイメージが一新されました。
羊羹(栗蒸し羊羹)下剋上の瞬間です。
そんな私の和菓子遍歴に大きな革命を起こした羊羹なのです。

栗は甘くて、よくある口の中でごりごりした硬さが目立つものではなく、とてもほっくり柔らかくお口のなかであんことの境界がわからなくなるほどに融合していきます。
人によって様々かと思いますが、私が色々な厚みで頂いてみた末にたどり着いたマイベストは1.5センチです。厚みによって歯触りや食感が大きく変化するのも羊羹という和菓子の特徴かなと思っています。みなさまもぜひマイベストを探してみてください。

ちなみに伊勢丹新宿店では夕方早めの時間にすでに売り切れていることも多く、午前中の購入が確実かと思われます。(13時に伺った時は購入できましたが15時過ぎころ伺った時は売り切れていました)
あんこ、求肥、裏ごしした栗と白あんをまぜた生地をそぼろ状にしたものの3層構造からなる和菓子です。

そぼろの栗の風味がこっくりしながら品よく、一個638円(税込)というお値段ながらも毎日食べたくなるやみつき度高い逸品です。

ほくほくした小気味よい栗の食感に続いて中から滑らかでコク深い甘さの白あんが口に広がり噛み締めるたびに一体化して多幸感に満たされます。
小豆あんもさることながら、とらやさんは白あんもとっても繊細で負けず劣らずおいしいのです♡


酸味がアクセントになるいちご大福とちがって栗大福って下手するとあんこと栗が甘さも食感もお互いの良いところを相殺してしまうものがあるので、それぞれの甘さのバランスや栗の硬さが結構難しい和菓子だなぁと常々思っているのですが、そこはさすが鈴懸さん、バランスがお見事!
また、これもものによっては全体にぼんやりした甘さになりがちな栗大福ですが、鈴懸さんの栗大福はほんの少し塩気がきいていてメリハリのあるところが個人的にツボです。

箱を開けた瞬間にその場にいた誰もが思わずほっこり笑顔になってしまいそうですね。
このかわいい小栗たちの正体はこしあんをねりこんだ桃山生地で栗あんを包んだ半生菓子です。
そして見た目だけでなく、まさにそのお味も栗をまるごと食べているかのようなホクホク感です。皮ごとたべられる栗はもはや栗よりも栗!?
生地も餡もしっとりなめらかなので一続きの一体感があり、サイズも小ぶりの一口サイズで食べやすいです。


そんな中、たねやさんのものは表面に焼き色がついているところがなにやら見た目から食欲をそそります。
また、くりきんとんって一様に滑らかな舌触りのものが多い印象の中、たねやさんの栗きんとんのもうひとつの特徴として細かく刻んだ栗が入っているので、途中ツブツブした食感がアクセントになっているところです。
一様に滑らかなやつだとちょっと口がもたつくよ、という方にオススメです。

今回ご紹介した老舗さんたちは伊勢丹新宿以外でも全国のデパ地下に入っていることが多い和菓子やなので、身近で入手しやすいかと思います。
栗がシーズンの今、みなさまもぜひお気に入りの一品を見つけてみてください♡
栗に続き、近いうちにかぼちゃとさつまいものスイーツもぜひご紹介できたらと思います。
それではまた♪