クリスマスも過ぎ去り、ついに今年も残すところわずかとなりました。
このクリスマスというイベントを終え、新たな年を迎えるまでの間のほんの数日、慌ただしい中にも妙な落ち着きとおだやかな静寂感に街が包まれる束の間の時間が案外と好きだったりします。
さて、そんな年の瀬。今年も昨年に続き1年の総決算としてマイベスト和菓子大賞を、時に美味しい思い出を振り返ってニヤニヤよだれを垂らしながら、時に一つに絞らねばならぬ苦渋の選択に涙しながら、勝手に選出してみたのでブログに綴りたいと思います♪
ちなみに今年のテーマは「温故知新」
古き良き和菓子屋さんたちの魅力に触れていくことに特に注力し、そんな中で和菓子の新たな魅力に気づいたり再発見もあったりと充実した和菓子ライフでした。
というわけで今年は老舗さんの和菓子が多めとなっております。
※昨年のマイベスト和菓子大賞の記事はこちら↓
人形町駅から徒歩数分のところにある清寿軒さんは創業なんと1861年(文久元年)の超老舗。
9時に開店ですが、いつも開店早々長蛇の列。早い日は10時にはすでに売り切れ商品が続出します。
家から徒歩圏内のお散歩コースの一つとして通るので、平日の休診日によく訪れ購入してます♡
今年(というかこれまでの通算でも)最もたくさん通ってお世話になった和菓子屋さんの一つでもあります。
どちらもとってもおいしいですが、生地の美味しさとあんこの美味しさを満遍なく味わいたいなら大判、口に入れた瞬間からあんこを存分に楽しみたい方には小判でしょうか。(製造数の関係かもですが、小判の方が早く売り切れになりやすい印象です)
こちらの生地はふっくらふわふわ感としっとりしっかり感のバランスがよいです。とても香ばしくどこかほっとする懐かしい甘さ。そしてあんこがまた本当に甘さや舌触りのバランスの王道を行っている感じで、ねっとりとした口福の甘さ。特筆すべきはそんな美味なるあんこがこれでもかとたっぷりと惜しみなく挟まっているところ。大判も小判も手にするとずっしり重く、1個でかなりの満足感が得られます。
全体にかなり均整のとれた万人受けするどらやきで、おもたせとして大量購入する方も多いです。
護国寺駅からほど近い立地の群林堂さんは、創業1916年の老舗。こちらも開店早々連日行列必至。
超個人的な話ですが、実は私は中高とここからほど近い学校に通っており、毎朝のようにお店の前を通ってはこの香ばしい匂いを嗅いでいました。
ですので、大人になってから久々にこちらの豆の炊ける匂いを嗅いだら若かりし頃の思ひ出が頭をめぐりとっても懐かしい気持ちになりました。
そんな思い出の群林堂さんなのですが、中高と毎日通いながら一度も口にしたことはなく、大人になって、しかも今年になって初めてようやく口にする機会を手に入れることができました♪
まず、餅の部分ですが、豆大福の主役の一人である豆がかなりゴロゴロと存在感を発揮しております。
少し歯ごたえのある硬めに炊かれた豆はその香りの通りに香ばしくてどこか懐かしく、ほっくりした豆本来の甘さとほんのり塩気がきいています。
餅の層自体は薄めで柔らか。添加物一切なしのお餅なので早め(賞味期限は当日中)に食べないと固くなってしまうというのも本物たる証拠でワクワク興奮しますね。
もう一人の主役であるあんこは、甘さは比較的強めで惜しげなくかなりたっぷりギュッと詰まっていますが、そのみずみずしさのためかペロリと最後まで美味しくいただけます。
(錦糸町駅ビルのテルミナ地下でも販売あり)
こちらはどら焼きの「錦どら」(特に黒がオススメ)もおいしいのですが、それはまたいずれご紹介するとして今回は最中部門で選出させて頂きました。
こちらの最中、まずはその見た目にハートを鷲掴みにされます。コロコロしたフォルムの招き猫がゴロンと横たわっていますね。なにやらとってもめでたい感じが年末年始の手土産にも最適♡
香ばしく焼き上がった最中の皮の中には、しろいダイヤと呼ばれるほど希少な北海道産の白小豆が使用されたとってもつややかで美しい金色のあんこが。中身までめでたい。
かの百人一首の一句としても有名な在原業平の
「名にしをはば いざ言問わん 都鳥
我が思う人は ありやなしやと」
という句とも関係深いお店。学生の時は特になんとも思わなかったですが大人になってみるとしみじみ感じるこの句の深み。
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小豆餡
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みそ餡
一方のみそ餡は黄色くてかわいい色したおもちの中にあんこが入っているタイプ。みそ餡の塩気がほどよく、3個の中でお口直し的な役割も果たしてくれます。
3色並ぶとなんだかふっくらした小鳥たちみたいでとってもかわいくて美しいです。
お土産用は6個から30個入りまでかなり豊富なラインナップなのも嬉しい。
人形町の甘酒横丁という情緒あふれる立地に佇む柳家さんは大正5年(1916年)創業の老舗で、人気店なのでいつも並んでいますが回転も早めです。
伝統的な製法を守り続け、その場で一つ一つ金型を使って丁寧に焼かれたたい焼きは、焼きたてが特に格別の美味。
こちらもやはり老若男女全人類に愛される皮とあんこの絶妙なハーモニー。
やはり各界において、王道は普遍的なおいしさなのです。王者の王者たる由縁。
近くの甘酒やさんの甘酒と一緒に食べ歩きするのが最高♪
どらやきが有名ですが、それに負けず劣らず人気なのがこの栗まんじゅう。
こちらもどらやき同様、早いと10時前(開店1時間以内)に売り切れてしまう日も。ですので確実に入手したい方は開店と同時に並ぶのがオススメ。
こちらの栗まんじゅうは、なんといってもやはりゴロゴロ入った栗が特徴。写真の断面をよく見てください!大きめにカットされた栗が満遍なくゴロゴロしていて一口頬張った瞬間からお口の中に栗のおいしさが広がります。どこからかぶりついても全面栗、栗、栗の栗包囲網。あんこの甘さは控えめでさっぱり、そしてしっとりしており、栗のほっくりした甘さを邪魔せず口の中で甘みも食感も一体となります。そんなあんこと栗をそっと包む薄皮の層はとても薄くてやはりしっとりしており、栗とあんこを支える縁の下の力持ち。すべてが計算され尽くされた上に成り立つ至高の逸品おやつです。
8月に綴ったあん活のススメのあんこ✕バター回でもご紹介させて頂きました。
それにしてもあんことバターを初めて組み合わせた人って本当に天才だとつくづく思います。
こちら、あんこは甘さがかなり控えめで水気の多いさっぱりした大人テイストです。一方でバターの塩気はほどよくきいている感じ。バタークリームに豆乳やホワイトチョコも使われいるためまろやかさとコクも感じられます。
そしてクッキー部分はそんなあんことバターに絶妙にマッチするちょうどよいやや薄めな生地で三者がお口の中で融合すると黄金律とも言えるバランスでした。
サイズ感はやや小ぶりながらそこがちょうどよく、ペロリと食べられて、もう一個食べたいかもと思わせる設計が憎いです。
私はこのフェスで初めて頂いたのですが、香り豊かでしゃりしゃりしたよもぎのパウダーを纏った、もちもち柔らかくとっても甘い求肥の和菓子で、一口で虜になってしまいました♡
個人的にかなり好みのやつです。
老舗の代表作なのに今まで知らなかったことが恥ずかしい。そして、日本にはまだまだ未開の老舗和菓子がたくさんあることを改めて痛感させてくれたお品で、和菓子魂がメラメラと燃え上がりました。
年末ギリギリとなり、なんとか年内に書きあげようと最後は慌てて綴ったブログなので全てのあんこさんたちの魅力が存分に伝えきれたのかいまひとつ悔いが残りますが、でもなによりも結局去年に引き続き自分が一番楽しめた自分のための備忘録のような回なのでもうそれで良しとします笑
おかげさまで今年は胃腸炎でダウンしていた数日以外、一日一餡(時に二餡以上)を達成できた一年でした。来年も引き続き一日一餡を座右の銘とし、新たな美味なるあんこたちとの出会いに胸を膨らませながら過ごしていきたいと思いますので引き続き「あん活のススメ」にお付き合い頂けましたら幸甚です。
これにて本年のブログは最後といたします。
みなさま、よいお年をお迎えください。
それではまた来年♪


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