43歳6ヵ月と23日の長く厳しい独身生活に終止符を打った。心の底からガッツポーズである。
「え~?43歳で結婚とかってどうせ妥協の妥協の妥協の妥協の妥協でしょう~?」
「いったいいくら積んだらこういうことになるわけ~?」
「ボランティア精神豊富な人がいたもんだね~!」
お祝いの言葉と同じぐらいもらった叱咤激励。叱咤激励か?
世間一般じゃあアラフォーって言ったって40過ぎの女性に素敵な結婚をされてはネタにならずに困るのだろう。苦労を重ねてこの日を迎え、親指を切った血を朱肉として嗚咽しながら婚姻届に捺印する。「な、な、なみ、涙で届が、み、み、見えません、うううっうう。しかも指が、い、い、痛いぃいぃぃいいー」そのくらいの悲壮感が40過ぎの女の結婚のイメージなんだろう。
しかし、今日現在、我が家は愛と笑いに満ち溢れ、夏場の室温を少し低くしないと愛の熱さで困ることを除いては概ね順調であり、さながら天竺にいる気分である。
「運命の人って本当にいるんだろうか。」
この天竺にたどり着くまでには、西遊記並みの紆余曲折と苦労があった。
「みんなは結婚できるのになぜ私はできないのだろう。」
外では明るいピエロを演じ、自宅では体育座りできつい酒をストレートであおって天井を見上げる日々であった。
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)