ーこんにちは。『マッド・ドッグ』でキム・ミンジュン役を演じているウ・ドファンです。『マッド・ドッグ』が日本で放送されると聞き、とても不思議な気持ちです。僕にとって初めて多くの関心をいただいた作品なので、この作品でこうして日本のみなさんにもお会いできるのはとても光栄なことだと思っています。楽しく見ていただけたら嬉しいです。
●出演を決めた理由を教えてください。
ーまず『マッド・ドッグ』に込められていたメッセージがとても良かったんです。とても面白く、魅力的でしたので、私も一つのチームで一緒に制作したいという思いが強かったのだと思います。またキム・ミンジュンという、いつどう変わるかわからないキャラクターを、俳優なら一度は挑戦してみたいと思いました。本当に出たいと思った作品でしたし、やってみたいと思ったキャラクターで、幸運にもこうして一緒に制作することができました。
●メッセージがとても良いとおっしゃいましたが、『マッド・ドッグ』がどのような作品なのか教えてください。
ー本作の一番大きなテーマは保険金詐欺です。本作は保険で詐欺を行いお金を奪う悪人たちを捕まえるドラマです。その中で、家族とは何なのかということを、今一度考えさせてくれる作品だと思います。韓国だけでなく、全世界に共通するテーマだと思いますが、自分の利益のために他人の悲しみや痛みを無視して生きている人を法で裁いていくドラマです。
●今回演じたキム・ミンジュンはどんな人物ですか。
ーミンジュンは小さい頃に両親を亡くし、兄と2人で暮らした後にドイツに養子に行くことになります。その後、兄はパイロットになるんですが、多くの人が乗った飛行機を墜落させた殺人犯にされてしまい、ミンジュンは韓国に戻り兄の事件に関する真実を明かそうとします。その過程で、ユ・ジテさん演じるチェ・ガンウが率いるマッド・ドッグチームと出会います。ミンジュンは養親がいるのですが、その養親にも捨てられ、ドイツの小路で一人で生きてきたので、なんと言うか“小路の詐欺師”のような子なのです。そのため韓国に来て、マッド・ドッグチームに最初どのように近づいていくのか、またチームとどのように一つになるのか、家族になるのかという視点で見ていただくと、さらに楽しんでいただけると思います。ミンジュンがどのようにして他人に心を開いていくのかにもご注目いただければと思います。
●ミンジュンがドイツ語を話すシーンが印象的でしたが、大変ではありませんでしたか?
ーとても大変でした(笑)ドイツ語は簡単に話せる言葉ではありませんでしたし、あまり聞いたこともなかったので、ドイツ語の先生を紹介していただき準備しました。先生とは音声ファイルや電話でやりとりをし、また時間が合えばお会いして、できるだけ自然に話せるように努力をしました。
●何か覚えてらっしゃるドイツ語はありますか?
ーうーん(笑)一つだけ覚えている単語はあります。「ごめん」というような意味の単語なのですが、現場でも何かあるといつもこれをお互いに言っていました(笑)「Tschuldigung(チュルディグング)」という言葉です。
●キム・ミンジュンとウ・ドファンさん自身で似ている点は?
ー恋愛観や対人関係に関しては違うところが多いと思います。それでも似ている点を挙げるとすれば、熟考してから行動するところだと思います。何かしら行動を起こすときは、計画をコツコツ立てていく方です。それから、人前で何かをするときにひるまない姿は少し似ているのではないかと思います。
●ウ・ドファンさんが選ぶ、名場面・名台詞は?
ーこれネタバレする内容はだめですよね?最終話とかの話はだめですよね?(笑)インパクトがあるのは1話だと思います。1話の最後の部分で、ミンジュンがある建築事務所の職員のふりをしていたのが、自分の正体をマッド・ドッグの前で明かし、幼く見えたミンジュンが力強く現れるシーンがあります。自分がキム・ボムジュンの弟、キム・ミンジュンだと言うシーンなのですが、ある意味「マッド・ドッグ」の始まりとも言えるシーンではないでしょうか。
●ユ・ジテさんとの共演はいかがでしたか?
ーユ・ジテ先輩は僕の大学の先輩でもあるので、後輩としてはとても光栄なことでした。本当に夢のようなことで、現実ではきっと起こり得ないことだと思っていました。大学に通っていたときも、ユ・ジテ先輩は、もちろん一緒に通うことはできなかったですが、本当に有名な方で、多くの人に尊敬され、また後輩にとって目標で、夢で、僕にとってもそうでした。でも今回その先輩とこのように一つの作品で同じカット、同じ画面に出ることができて、とても光栄でした。本当に多くのことを学ぶことができました。
●撮影現場の雰囲気はどうでしたか?
ー『マッド・ドッグ』のチームは本当に一丸となったチームでした。いつも一緒に考えて、試練が多いシーンを撮っていたので、自然と一つになっていました。マッド・ドッグのように僕たちも本当に一人一人、5名で一つのチームになっていましたね。そして、マッド・ドッグチームだけでなく、監督もスタッフもみんな楽しく撮影できたと思います。
●現場のムードメーカーは誰でしたか?
ーチョ・ジェユン先輩がムードメーカーでした。劇中ではチーターこと、パク・スンジョン役をされていました。どんなに仲が良かったとしても大変な時があると思うのですが、そういう時に先輩が雰囲気を良くしてくださって、笑わせてくださって、後輩としてはとても幸せで、もっと頑張らなければと思いましたね。
●最後に日本のファンのご挨拶をお願いします。
ーこんにちは、ウ・ドファンです。僕たちの『マッド・ドッグ』が日本で放送されます。みなさんに見たことを後悔させない自信があります。一話も見逃さずに、最後までご覧いただけたらありがたいです。とても寒い日が続いていますが、風邪に気をつけて、『マッド・ドッグ』と共に春を迎えていただければと思います。ありがとうございました。
桂まりさん●かつらまり 韓流予報士(?)。温泉保養士。「SPUR」や「eclat」などで、トラベル、フード記事など担当するライター。趣味は各国で料理教室に行くこと。「専門外ではありますが、泣いて笑って癒される韓流ドラマのお勧めを不定期で紹介します!」