☆私たちが解説します!
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【銀座内科・神経内科クリニック 霜田里絵院長】医学博士。脳を活性化して心身の美を育む"美人脳"の提唱者。幸せに更年期を送る秘策を伝授。
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【よしの女性診療所 吉野一枝院長】産婦人科医、臨床心理士。多く の業種を経て医師に。経験値に基づく深いアドバイスは信頼度抜群。
自分を知り、知ってもらう。 持つべきは、かかりつけ医
「ここから約10年にわたる更年期ではのぼせやほてり、発汗など更年期特有の症状が現れやすくなります。人によって感じる症状や重さは本当にさまざまですが、治療が必要な“更年期障害”のケースは、3人に1人程度です」(よしの女性診療所・吉野一枝院長)
案外、少ないかも? と思った人も多いのではないだろうか。
「ところが、更年期にぐっと減ってしまう女性ホルモン・エストロゲンは、目には見えないところで体のさまざまな働きをサポートしている大事な潤滑油。それだけに、閉経へ向かって量が減ると、今までは抑えられていた病気のリスクも一気に高まることになります」(吉野先生)
例えば、糖尿病や高血圧などがそう。また中性脂肪の値が上がったり、体重が増えるのも、エストロゲンが減って代謝が落ちることが理由のひとつ。
「エストロゲンの働きは、脳や心臓、血管、骨、筋肉、皮膚にいたるまで全身に及ぶため、分泌量が低下すれば、その影響も全身に。これによる更年期症状は、ホルモン補充療法や漢方薬などでツラさを緩和できます。閉経後は急激に骨密度が落ちることによる骨粗しょう症や、動脈硬化などリスクが出てくることを考えると、今の自分の体の状態を知るためにも、早めの受診が得策です」(吉野先生)
何はなくともまずやるべきは、現在の自分のホルモン数値を知ること。
「そしてあなたの体のニュートラルを知るかかりつけ医をもつこと。病院は病気の時だけに行く場所ではありません。更年期に備え、なんでも相談できる環境づくりから始めてみて」(吉野先生)
【婦人科でできること 1】
■今の体の状態をチェック
「クリニックで行う血液検査では、ひととおりの体のチェックに加え、希望すればホルモン値を測ることもできます。更年期かも? とクリニックに訪れる患者さんの場合、そのきっかけの多くは月経の変化。まず周期が早まって量が減ってくるのがホルモン低下のサインなので、ホルモン検査で今の状況をチェックしてみるといいでしょう。ただし、ホルモン値が悪くても症状がない人、逆に数値がいいのにひどい症状の人もいるので、検査の結果だけにこだわらず、気になる症状があれば、詳しく医師に相談してください」(吉野先生)
ホルモン値の検査について
女性ホルモン値は、採血による簡単な検査で調べることができる。婦人科であれば基本的にどこでも可能。費用はクリニックによって異なるが、自費診療で¥5,000〜10,000ほど。更年期症状があれば保険適用されるケースもある。
【婦人科でできること 2】
■ホルモン治療
婦人科の選び方
吉野先生、どうすればいい先生と出会えますか? そんな質問を投げかけてみる と「女性医療に理解のある医師選びがまず最優先。クリニックのHPを見れば更年 期外来に力を入れているところなどはすぐにわかります。更年期の治療は特に個個の性格や環境によって治療法も異なります。相性も大事にしてください」