そう今夜も。
ママ 「あらケビちゃん、新しい口紅?新色かしら?似合うわね~」
ケビ子 「さっすがママ!そうなの。気分はピンクよ!でもこの口紅、コップのフチに口紅が残りやすくてね・・・。あ、それで思い出した!フチ男の話」
ケビ子 「その男は同じ年で割と忙しくお堅い仕事を生業とし、真面目を絵に描いたような人がらなの。例えば校則があればきっちり従い、就業規則があれば違反はなく、日本国憲法に抵触するようなことは考えられない、っていう四角いぺヤングタイプよ」
ママ 「もういっちょいく~?」
ケビ子 「ママ、いちいち懐かしいわ!その男とは共通の友達がいて、いつの間にか気兼ねなく話ができる男友達になったってわけなの」
ママ 「でも合わないんじゃない?タイプが違うから」
ケビ子 「それもそうよね。彼は年齢=彼女居ない歴の持ち主で、日中は極端なシャイ。会話の糸口を前夜に準備して、それを愚直に実行してみるようなタイプなの。『最近、女子の間で厚底ブーツが流行ってるんだよね!』だとか『ケーキバイキングは行ったことがある?』とか女子との会話のフックを探す、いわゆるいい人なのよ。それがね、豹変するの。酒が入ると」
ママ 「ひゃー怖い!狼男にご用心かしら?」
ケビ子 「もう狼男ボケなんて無視よ!その男ったら飲み会が大好きで進んで幹事を買って出るのよ。お酒を飲む=飲み会って刷り込みがあるみたいで、帰りに行き当たりばったりで飲みに行こうってなったらね、『へえ、こういう気楽な会もあるんだね』って言うの!まじなのよ!それで、飲み会なんだけど、たまたま都合が悪く断ると、『君が行けない日に飲み会をしてしまうことを許して欲しい』って謝罪があるの。そういう今時珍しくデリケートボーイなのよ。そのデリケートボーイが酒が入ると変わる。まさにスイッチオンって感じで」
ママ 「なんか想像できちゃうわね。ママのデリケートゾーンはお手入れ済みよ?」
ケビ子 「ママのデリケートゾーンとかって情報要る?」
ママ 「あははは!ママのデリケートゾーンはここよ?ハ・ア・ト!」
ケビ子 「そういうボケはあの世でやってよ!それで、男の話の続きよ。『おれ、ケビ子ちゃんの隣が良いなぁ』とか『おれ、ケビ子ちゃんとマサミちゃんの間に座りたいなぁ』って席替えを促すのよ。自分が狙う獲物を公表して、周囲から承認を得る作戦なの。それから更に酒が進むと、セカンドステージへコマを進めるのよ。
『ケビ子ちゃんの飲んでるお酒、きれいな金色だね』
『いや、ビールだけど?』
『そんなきれいな金色、見たことない。』
『は?』
『一口飲ませて?』
『まぁ、良いけど』
『ねぇー、どこで飲んだ?どこで飲んだ?どの辺で飲んだの?』
ってコップのフチを見ながらどの辺で飲んだのか聞いて来るのよ~!!!『気持ち悪いからやめて!』『教えてくれないなら良いもん!』って言いながらコップのフチを回転させながら360度口を付けて飲み干しちゃったの!『美味しい〜!美味しい!こんな美味しいビール初めてだよ!』って飲み干して言うのよ!もうキモさK点超えたでしょ。酔いが覚めるのよ」
ママ 「すごい技ね。唇冷えちゃわないかしら?」
ケビ子 「この男がいる飲み会には2度と行くものかと思いつつ、みんなが来る飲み会だから何度か行っちゃったわ。コップのフチに口を付けたまま360度回転って、目の当たりにすると気持ち悪いのよ。これも飲み干せない話よね。」
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)