映画『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』ビョン・ソンヒョン監督に聞く

2018年5月1日
 37歳という若手、才能溢れる『名もなき野良犬の輪舞』のビョン・ソンヒョン監督。彼の商業映画での2作目となるこの作品に出演した、ソル・ギョング、「ミセンー未生ー」のイム・シワン、キム・ヒウォン(「ゴハン行こうよ2」)ホ・ジュノ(「仮面の王 イ・ソン」)といった錚々たる演技派俳優も一目置く存在です。国内外で高く評価された映画で、フィルムノワールと聞くと、暗くて重いイメージですが、この作品は、美しく、ときに笑えて爽快、心にしみる人間ドラマでもあります。先入観なしに多くの人に観てもらいたい!フィルムノワールのイメージとはまったく異なる、シャイで静かな語り口の監督にお話を伺いました!
●この映画はスタイリッシュで磨き抜かれた、面白く、若々しいフィルムノワールと絶賛されています。映像も美しく、すべてが完璧で丁寧に作られた珠玉の作品だと思いますが、完成にどのくらい時間がかかりましたか?

ー初めての商業映画作品『マイPSパートナー』がロマンティックコメディで成果もあったので、制作会社は次作もソフトなものを期待したと思うんです。フィルムノワールを撮りたいですと言ったので反対もあり大変で。なので彼らが投資を決心するまでに時間を要したんですが、その間にシナリオ作りを進めていました。本格的に撮影に入るまで時間はかかりましたが、撮影自体には時間はかかりませんでした。

●この作品でいちばんこだわったことは?

ーフィルムノワールというと、たとえて言えばグレーで、重々しい感じですが、彩色、カラフルであること、若々しいイメージにこだわりました。それから主人公二人の感情の動きに特にこだわりましたね。

●キャスティングはスムーズでしたか?

ー順調とはいえなかったんです。主人公二人の年齢差はさほど大きい設定じゃなかったんですが、実年齢の離れるキャストになったり。でも、それを感じさせないように努力もしたし、いい結果になりました。

●邦題が原題と全然違いますがどうですか?

ー「不汗党(原題)」(意味はならず者、慈悲無き者)という題が自分でつけておきながらそんなに気に入っていなくて、この日本語題の方がむしろ趣があっていいですね。

●今後一緒に仕事をしたい、注目している俳優さんは?

ーすごくたくさんいますが、ソル・ギョングさん、イム・シワンさんとはまた一緒に仕事をしたいですね。それから、チョ・スンウさんやチョン・ドヨンさんは最優先したい俳優たちです。

●影響を受けた映画監督にはスコセッシ監督、タランティーノ監督、ジョニー・トー監督などをあげていらっしゃいますが。

ーそうですね、好きな監督はたくさんいるのですが、スコセッシ監督の作品は子供の頃からいちばん観て来ましたし、ファンとして好きな監督です。タランティーノ監督やデヴィット・フィンチャー監督も。『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督もいいですね。最近観た映画ではスピルバーグ監督の『ザ・ポスト(原題)』(邦題「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)がとても良かったです。韓国では小さい映画館でしか上映されなかったんですが。

●『名もなき野良犬の輪舞』もカンヌ映画祭などで注目されましたが、韓国映画が世界で注目されることはどう感じていますか?

ー正直、よくわかりませんが、認められるのはいいことですよね。僕自身、いろいろ探して観る方ではないんですが、『アシュラ』『哭声/コクソン』など僕も好きな映画は海外でも反響があるんだなあと感じています。

●最近いちばん感動したことは?

ー今年に入ってこの作品のファンの集いが韓国であったのですが、早朝からたくさんの方が列をなしてくださって感動しました。映画自体のファンやソル・ギョングさんやイム・シワンさんのファンの方達が本当に多勢来てくださいました。

●次のプロジェクトは決まっていらっしゃいますか?

ー政治映画を予定していて、シナリオを書き終えて脚色をしているところです。

●日本にはよくいらっしゃるんですか?

ー幼い頃に両親と名古屋に来たことがあるらしいんですが、よく覚えてないので、今回が初来日です。

●大阪に寄られて東京にいらしたそうですね。大阪はいかがでしたか?

ー食べて、飲んで、食べて、飲んで、です(笑)。

●お忙しい毎日だと思われますが癒し法は?

ーこれといった趣味を持っていないので、楽しみは友人たちとのお酒ですね(笑)。

●監督はオシャレにも興味があるようですが?

ーブランドとかファッションショーとかには疎いのですが、原宿みたいなストリートファッションが好きです。服は、ちょっとお酒を引っ掛けて街を歩いている時に、気に入ったものがあれば買ったりします。

●韓国でお勧めの場所はありますか?

ーピルトンというエリアにあるピルトンミョノク(筆洞麺屋)です。平壌冷麺がお勧めです。(ミシュランにも載っている店のようです!)

●マリソル読者に映画のアピールをお願いします!

ー本作はセクシーかつ、スーツの着こなしもキマった悪い男たちの純情を描く美しく格好良い映画です。美青年も出てますのでぜひご覧ください!
『名もなき野良犬の輪舞』 監督:ビョン・ソンヒョン『マイPSパートナー』 出演:ソル・ギョング『シルミド SILMIDO』 イム・シワン『弁護人』  チョン・ヘジン『王の運命―歴史を変えた八日間―』     キム・ヒウォン『アジョシ』 イ・ギョンヨン『ベルリンファイル』 2017年/韓国映画/120分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/PG12 (c)2017 CJ E&M CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED 5月5日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー


桂まりさん●かつらまり 韓流予報士(?)。温泉保養士。「SPUR」や「eclat」などで、トラベル、フード記事など担当するライター。趣味は各国で料理教室に行くこと。「専門外ではありますが、泣いて笑って癒される韓流ドラマのお勧めを不定期で紹介します!

What's New

  • 再始動!超新星改めSUPERNOVAインタビュー

    来年日本デビュー10周年を迎える人気ダンスヴォーカルグループが、グループ名をSUPERNOVAに改名。第二幕を開け新たなスタートを切り、11月6日に待望のファーストシングルが発売されます!ライブ、堪能な日本語を生かしたTV番組などグループでの活躍はもちろん、ミュージカル、ドラマ、映画と、個人でもマルチに活躍する彼らから目が離せません!

    韓流NEWS

    2018年10月17日

  • ラブコメ王パク・ソジュンさんのオーラ全開!「キム秘書がなぜそうか?」インタビュー

     最新作「キム秘書がなぜそうか?(原題)」のヒットでその人気を不動のものにしたパク・ソジュンさん。9月の”ソウルドラマアワード2018”では「サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜」の演技で、韓流ドラマ男性演技者賞を受賞、ラブコメのヒット作品が続いたので、ラブコメ王の名をほしいままにしています。リアリティ番組でも注目されCMにも引っ張りだこ、快進撃の続くトップスターに、このドラマのお話と近況を伺いました。質問に丁寧に真摯に答えてくれ、愛犬シンバの話となると屈託ないトレードマークの笑顔を見せるソジュンさん。致命的に完璧なイ・ヨンジュンを演じ、彼の魅力満載の「キム秘書がなぜそうか?」の日本初放送は、Mnetで10月19日からです!

    韓流NEWS

    2018年10月1日

  • 「別れが去った」の演技で注目のアイドル、イ・ジュニョン(U-KISS ジュン)さんに直撃!

    U-KISS、UNBのメンバーとして人気のアイドル、ジュンさん。俳優イ・ジュニョンとして出演し、アイドルとは思えない熱演も話題となったドラマが「別れが去った(原題)」です。この作品は、チェ・シラさんが演じる”母という立場が危うくなった女性”と、チョ・ボアさんが演じる”母になる準備のないまま子を授かる大学生”をめぐる物語。家族や愛について考えさせられる、リアリティ溢れるドラマで高く評価されました。前作「甘くない女たち〜付岩洞<プアムドン>の復讐者〜」で演技に開眼、今作ではチョ・ボアさんの彼を演じたジュンさんは、OST(ドラマ挿入歌)にも参加し大活躍。旬の俳優としてのジュンさんに直撃インタビュー!「別れが去った(原題)」は、9月26日からCS放送局衛星劇場でスタートです!

    韓流NEWS

    2018年9月20日

  • 話題の超大作ドラマ「ミスター・サンシャイン」を訪ねて

    「太陽の末裔」「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」のイ・ウンボク監督、キム・ウンスク作家の新ドラマ「ミスター・サンシャイン(原題)」のソウルでの制作発表会に伺いました!カリスマ俳優イ・ビョンホンさん、可憐さの塊のキム・テリさんが華やか(映画『1987、ある闘いの真実』で注目してました!豪華キャストのブロックバスターも9月8日より日本でも公開となります)!この日は雨で、帰り際に「みなさん、傘をお忘れなく!」というピョン・ヨハンさんの言葉に笑いが起き、会場を去る監督とユ・ヨンソクさんが肩を組んで歩いていたり、仲睦まじい様子にほのぼの。また、忠清道論山(ノンサン)の「サンシャイン ランド」にロケ地を訪ね、そのスケールに圧倒されました。ソウルから日帰りで足を伸ばせる場所にあるのでぜひ!ドラマはNetflixで7月8日から配信中!ため息が出るほど美しい映像、役者の存在感にも心奪われます。Netflixでの「秘密の森」、「刑務所のルールブック(賢い監房生活)」に続く、韓国放映とほぼ同時配信でも話題となっている作品です。

    韓流NEWS

    2018年9月3日

  • 「仮面の王 イ・ソン」で闘魂演技賞!エルさん(INFINITE)インタビュー

     俳優キム・ミョンスとしても活躍するアイドルグループINFINITEのエルさん。NHK BS プレミアムでも放送され話題となっている時代劇「仮面の王 イ・ソン」ではユ・スンホさんと共演。貧しい水売りの少年が王の影武者となる難しい役を熱演して注目されました。ちなみに、この美しい演技派二人の共通点は猫好き。2人とも(猫に仕える)執事の身なのだとか。グッと引き込まれるストーリー展開の物語と彼らの熱演を、ぜひDVDで堪能して!

    韓流NEWS

    2018年8月17日

  • 「仮面の王 イ・ソン」主演、名品俳優ユ・スンホさんの素顔

    7歳でドラマデビュー、10歳の頃公開された映画「おばあちゃんの家」で国民的名子役としてスターに。高校一年生で時代劇「善徳女王」の王子チュンチュを演じ、子役から見事に脱皮しました。以後たくさんの作品で活躍しているユ・スンホさんは今24歳。優しく、笑顔を絶やさず、こんなに美しい人間がいていいのかと思ってしまうほどで、眉目秀麗とは彼のためにあるよう。NHK BSプレミアムでも放送され人気を博している時代劇「仮面の王 イ・ソン」で主演、そのDVDのリリースに合わせ、来日した彼に直撃です!

    韓流NEWS

    2018年8月1日

  • 「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」で年下の彼を演じ人気急上昇、チョン・ヘインさんインタビュー

    「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」「あなたが眠っている間に」「刑務所のルールブック(原題:賢い監房生活)」などで注目され、さらに、ワンシーン、ワンシーンが絵葉書のように美しい、ドラマ「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」でソン・イェジンさんと共演して大ブレイク。目下絶大な人気を誇る若手俳優チョン・ヘインさん。仔犬のような塩顔の癒し系の彼は、まさに無敵の時の人。好感度の塊で、CM王にも躍り出ました。話題作「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」のプロモーションで来日した彼にさっそくインタビュー!ドラマはCSチャンネル衛星劇場で7月26日(木)夜11時より放映開始です!

    韓流NEWS

    2018年7月6日

  • これぞ人生ドラマ、「私のおじさん」のイ・ジウン(IU)さん&イ・ソンギュンさんインタビュー

    「ミセン-未生-」「シグナル」のキム・ウォンソク監督の作品というだけでもワクワクするのに、期待以上の温かな人間ドラマに魅了される「私のおじさん(原題)」。役者たちが「観て後悔させない自信がある」というだけある素晴らしい作品です。セリフのひとつひとつが心に響き繰り返し観たくなる、不思議なチャームを持つこのドラマが、7月13日より日本でも放映スタート!!歌手としても多くの人の心を掴むIUさんが、女優イ・ジウンとして高く評価された作品でもあります。

    韓流NEWS

    2018年7月4日

Feature

Ranking