ー初めての商業映画作品『マイPSパートナー』がロマンティックコメディで成果もあったので、制作会社は次作もソフトなものを期待したと思うんです。フィルムノワールを撮りたいですと言ったので反対もあり大変で。なので彼らが投資を決心するまでに時間を要したんですが、その間にシナリオ作りを進めていました。本格的に撮影に入るまで時間はかかりましたが、撮影自体には時間はかかりませんでした。
●この作品でいちばんこだわったことは?
ーフィルムノワールというと、たとえて言えばグレーで、重々しい感じですが、彩色、カラフルであること、若々しいイメージにこだわりました。それから主人公二人の感情の動きに特にこだわりましたね。
●キャスティングはスムーズでしたか?
ー順調とはいえなかったんです。主人公二人の年齢差はさほど大きい設定じゃなかったんですが、実年齢の離れるキャストになったり。でも、それを感じさせないように努力もしたし、いい結果になりました。
●邦題が原題と全然違いますがどうですか?
ー「不汗党(原題)」(意味はならず者、慈悲無き者)という題が自分でつけておきながらそんなに気に入っていなくて、この日本語題の方がむしろ趣があっていいですね。
●今後一緒に仕事をしたい、注目している俳優さんは?
ーすごくたくさんいますが、ソル・ギョングさん、イム・シワンさんとはまた一緒に仕事をしたいですね。それから、チョ・スンウさんやチョン・ドヨンさんは最優先したい俳優たちです。
●影響を受けた映画監督にはスコセッシ監督、タランティーノ監督、ジョニー・トー監督などをあげていらっしゃいますが。
ーそうですね、好きな監督はたくさんいるのですが、スコセッシ監督の作品は子供の頃からいちばん観て来ましたし、ファンとして好きな監督です。タランティーノ監督やデヴィット・フィンチャー監督も。『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督もいいですね。最近観た映画ではスピルバーグ監督の『ザ・ポスト(原題)』(邦題「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)がとても良かったです。韓国では小さい映画館でしか上映されなかったんですが。
●『名もなき野良犬の輪舞』もカンヌ映画祭などで注目されましたが、韓国映画が世界で注目されることはどう感じていますか?
ー正直、よくわかりませんが、認められるのはいいことですよね。僕自身、いろいろ探して観る方ではないんですが、『アシュラ』『哭声/コクソン』など僕も好きな映画は海外でも反響があるんだなあと感じています。
●最近いちばん感動したことは?
ー今年に入ってこの作品のファンの集いが韓国であったのですが、早朝からたくさんの方が列をなしてくださって感動しました。映画自体のファンやソル・ギョングさんやイム・シワンさんのファンの方達が本当に多勢来てくださいました。
●次のプロジェクトは決まっていらっしゃいますか?
ー政治映画を予定していて、シナリオを書き終えて脚色をしているところです。
●日本にはよくいらっしゃるんですか?
ー幼い頃に両親と名古屋に来たことがあるらしいんですが、よく覚えてないので、今回が初来日です。
●大阪に寄られて東京にいらしたそうですね。大阪はいかがでしたか?
ー食べて、飲んで、食べて、飲んで、です(笑)。
●お忙しい毎日だと思われますが癒し法は?
ーこれといった趣味を持っていないので、楽しみは友人たちとのお酒ですね(笑)。
●監督はオシャレにも興味があるようですが?
ーブランドとかファッションショーとかには疎いのですが、原宿みたいなストリートファッションが好きです。服は、ちょっとお酒を引っ掛けて街を歩いている時に、気に入ったものがあれば買ったりします。
●韓国でお勧めの場所はありますか?
ーピルトンというエリアにあるピルトンミョノク(筆洞麺屋)です。平壌冷麺がお勧めです。(ミシュランにも載っている店のようです!)
●マリソル読者に映画のアピールをお願いします!
ー本作はセクシーかつ、スーツの着こなしもキマった悪い男たちの純情を描く美しく格好良い映画です。美青年も出てますのでぜひご覧ください!
桂まりさん●かつらまり 韓流予報士(?)。温泉保養士。「SPUR」や「eclat」などで、トラベル、フード記事など担当するライター。趣味は各国で料理教室に行くこと。「専門外ではありますが、泣いて笑って癒される韓流ドラマのお勧めを不定期で紹介します!