映画『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』ビョン・ソンヒョン監督に聞く

 37歳という若手、才能溢れる『名もなき野良犬の輪舞』のビョン・ソンヒョン監督。彼の商業映画での2作目となるこの作品に出演した、ソル・ギョング、「ミセンー未生ー」のイム・シワン、キム・ヒウォン(「ゴハン行こうよ2」)ホ・ジュノ(「仮面の王 イ・ソン」)といった錚々たる演技派俳優も一目置く存在です。国内外で高く評価された映画で、フィルムノワールと聞くと、暗くて重いイメージですが、この作品は、美しく、ときに笑えて爽快、心にしみる人間ドラマでもあります。先入観なしに多くの人に観てもらいたい!フィルムノワールのイメージとはまったく異なる、シャイで静かな語り口の監督にお話を伺いました!
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●この映画はスタイリッシュで磨き抜かれた、面白く、若々しいフィルムノワールと絶賛されています。映像も美しく、すべてが完璧で丁寧に作られた珠玉の作品だと思いますが、完成にどのくらい時間がかかりましたか?

ー初めての商業映画作品『マイPSパートナー』がロマンティックコメディで成果もあったので、制作会社は次作もソフトなものを期待したと思うんです。フィルムノワールを撮りたいですと言ったので反対もあり大変で。なので彼らが投資を決心するまでに時間を要したんですが、その間にシナリオ作りを進めていました。本格的に撮影に入るまで時間はかかりましたが、撮影自体には時間はかかりませんでした。

●この作品でいちばんこだわったことは?

ーフィルムノワールというと、たとえて言えばグレーで、重々しい感じですが、彩色、カラフルであること、若々しいイメージにこだわりました。それから主人公二人の感情の動きに特にこだわりましたね。

●キャスティングはスムーズでしたか?

ー順調とはいえなかったんです。主人公二人の年齢差はさほど大きい設定じゃなかったんですが、実年齢の離れるキャストになったり。でも、それを感じさせないように努力もしたし、いい結果になりました。

●邦題が原題と全然違いますがどうですか?

ー「不汗党(原題)」(意味はならず者、慈悲無き者)という題が自分でつけておきながらそんなに気に入っていなくて、この日本語題の方がむしろ趣があっていいですね。

●今後一緒に仕事をしたい、注目している俳優さんは?

ーすごくたくさんいますが、ソル・ギョングさん、イム・シワンさんとはまた一緒に仕事をしたいですね。それから、チョ・スンウさんやチョン・ドヨンさんは最優先したい俳優たちです。

●影響を受けた映画監督にはスコセッシ監督、タランティーノ監督、ジョニー・トー監督などをあげていらっしゃいますが。

ーそうですね、好きな監督はたくさんいるのですが、スコセッシ監督の作品は子供の頃からいちばん観て来ましたし、ファンとして好きな監督です。タランティーノ監督やデヴィット・フィンチャー監督も。『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督もいいですね。最近観た映画ではスピルバーグ監督の『ザ・ポスト(原題)』(邦題「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)がとても良かったです。韓国では小さい映画館でしか上映されなかったんですが。

●『名もなき野良犬の輪舞』もカンヌ映画祭などで注目されましたが、韓国映画が世界で注目されることはどう感じていますか?

ー正直、よくわかりませんが、認められるのはいいことですよね。僕自身、いろいろ探して観る方ではないんですが、『アシュラ』『哭声/コクソン』など僕も好きな映画は海外でも反響があるんだなあと感じています。

●最近いちばん感動したことは?

ー今年に入ってこの作品のファンの集いが韓国であったのですが、早朝からたくさんの方が列をなしてくださって感動しました。映画自体のファンやソル・ギョングさんやイム・シワンさんのファンの方達が本当に多勢来てくださいました。

●次のプロジェクトは決まっていらっしゃいますか?

ー政治映画を予定していて、シナリオを書き終えて脚色をしているところです。

●日本にはよくいらっしゃるんですか?

ー幼い頃に両親と名古屋に来たことがあるらしいんですが、よく覚えてないので、今回が初来日です。

●大阪に寄られて東京にいらしたそうですね。大阪はいかがでしたか?

ー食べて、飲んで、食べて、飲んで、です(笑)。

●お忙しい毎日だと思われますが癒し法は?

ーこれといった趣味を持っていないので、楽しみは友人たちとのお酒ですね(笑)。

●監督はオシャレにも興味があるようですが?

ーブランドとかファッションショーとかには疎いのですが、原宿みたいなストリートファッションが好きです。服は、ちょっとお酒を引っ掛けて街を歩いている時に、気に入ったものがあれば買ったりします。

●韓国でお勧めの場所はありますか?

ーピルトンというエリアにあるピルトンミョノク(筆洞麺屋)です。平壌冷麺がお勧めです。(ミシュランにも載っている店のようです!)

●マリソル読者に映画のアピールをお願いします!

ー本作はセクシーかつ、スーツの着こなしもキマった悪い男たちの純情を描く美しく格好良い映画です。美青年も出てますのでぜひご覧ください!
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『名もなき野良犬の輪舞』 監督:ビョン・ソンヒョン『マイPSパートナー』 出演:ソル・ギョング『シルミド SILMIDO』 イム・シワン『弁護人』  チョン・ヘジン『王の運命―歴史を変えた八日間―』     キム・ヒウォン『アジョシ』 イ・ギョンヨン『ベルリンファイル』 2017年/韓国映画/120分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/PG12 (c)2017 CJ E&M CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED 5月5日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー


桂まりさん●かつらまり 韓流予報士(?)。温泉保養士。「SPUR」や「eclat」などで、トラベル、フード記事など担当するライター。趣味は各国で料理教室に行くこと。「専門外ではありますが、泣いて笑って癒される韓流ドラマのお勧めを不定期で紹介します!

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  • ライジングスター、チャン・ギヨンさんの初主演ドラマ「ここに来て抱きしめて」

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    2019年5月13日

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    2019年5月1日

  • 演技の神童から名優へ。ヨ・ジングさんの素顔

    8歳でデビュー、演技の神童と言われてきたヨ・ジングさん。神がかった演技力から、”ゴッドジング”の異名を持つ21歳だ。日本でも6月から放送される「王になった男(原題)」で、ひとり二役の主人公を熱演し話題に。ジングさんの代表作品と絶賛されたこの注目のドラマで、百想芸術大賞最優秀演技賞にもノミネートされ、演技派若手俳優として圧倒的な存在感を放っています。そんな彼が2年半ぶりにファンイベントで来日!「イルジメ」や「ジャイアント」から、『ファイ』『1987』など、ずっと印象的な作品を届けてくれているジングさん。素顔の彼にはどこか気品があり、太陽のように朗らかでチャーミング。日本語もだいぶわかるようで、時折話す日本語もなめらか!今回のファンミーティングではピアノの弾き語りでback numberの「ヒロイン」を披露してくれ、魅力的な美声にとても似合っていました。映像も美しく、イ・セヨンさんをはじめキャストも秀逸な「王になった男」は必見、IUさんと撮影中だという「ホテルデルーナ(原題)」も楽しみです!

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    2019年4月20日

  • 「屋根部屋」で悲願のNo.1!N.Flyingの初アルバムとツアーに期待!

     N.Flyingは、2013年10月に日本でインディーズデビュー後、2015年に韓国デビュー。デビュー曲「キガマッキョ」がヒット、翌年日本でもメジャーデビューを果たし、先輩バンド、FTISLANDやCNBLUEの次世代バンドとして注目されてきた実力派です。今年2月には「屋根部屋」で、デビュー4年目にして韓国で悲願の音源チャート1位に輝きブレイク中。5月には初となるアルバム『BROTHERHOOD』をリリース予定、6月には東京、大阪、名古屋でツアーが控えています。先輩バンドのライブの前座、昨年の単独ライブにも2度、リーダーがゲストで参加したイ・ホンギさんのファンイベントで彼らの活躍を見てきたので、チャートナンバーワンのニュースに胸が熱くなりました。元気でパワフルな魅力が炸裂の彼らの熱いライブをぜひ体感してみて!!来日した4人のトークからも仲睦まじさが伝わりました。

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    2019年4月7日

  • EXOのド・ギョンスさん時代劇初主演、ドラマ「100日の郎君様」が眼福!

    EXOのD.O.ことド・ギョンスさんは、その演技力でも知られる存在。ドラマや映画でも高く評価され、ドラマ「100日の郎君様」では時代劇での初主演に挑戦、そしてもちろん大ヒット。ギョンスさんの演技は、映画『純情』でも、船の縁に腰掛けているだけでもものすごい存在感で驚愕したことがあり、この主演ドラマでもその魅力が全開。ヒロインのナム・ジヒョンさんは、「善徳女王」の子役時代から注目している女優さんで、安定の演技力でとってもチャーミング。脇を固めるベテラン俳優たちはもちろん、キム・ソノさん、キム・ジェヨンさん、ホン・ユンジェさんなど若手俳優たちも見目麗しい!そしてこのドラマの撮影は全羅道順天にある「楽安邑城(ナガンウプソン)」でも行われたのですが、ここは朝鮮時代の土城と草葺き屋根の家などが400年以上も原型のまま保存されためずらしい史跡。今も85世帯が暮らす、金銭山を望む美しいこの村に、なんと偶然ドラマ撮影中に旅の取材で訪れたため、ドラマが始まるまえから注目していた作品でもあります。映像も美しいラブコメなのでぜひ!!

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    2019年3月15日

  • 「ボーイフレンド」で2年ぶりにドラマ復帰、別格人気のパク・ボゴムさんが来日!歌手デビューも!

    爆発的にヒットした「雲が描いた月明り」で”アジアのプリンス”となったパク・ボゴムさんが、ドラマ「ボーイフレンド(原題)」で2年ぶりに待望のドラマ復帰。"アジアのボーイフレンド”となり、アジアツアーの一環で、約1年ぶりのファンイベントのために来日したボゴムさん。なんと3月20日にはシングル「Bloomin’」で日本歌手デビューも!!さいたまスーパーアリーナを沸かせ、ひとつずつ夢を叶えていく、華やかなオーラで輝くスター。壮大なファンイベントで多くのファンを魅了する、彼の人気はやはり別格でした。

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    2019年3月6日

  • 走り続けるアーティストiKONが、昨年最大のヒット曲を含むアルバム『NEW KIDS』をリリース!

     BIGBANGの系譜を継ぐiKONが、2月27日に”NEW KIDS”プロジェクトの集大成となるアルバム『NEW KIDS』をリリース。これに合わせた記者会見に行ってきました。このアルバムには、2018年韓国の年末賞レースで、ベストソング賞を総なめした「LOVE SCENARIO」、新曲「I’M OK」「KILLING ME」 「GOODBYE ROAD」の日本語バージョンを含む全21曲を収録。いちど聴いたらループにハマる、めくるめくiKONワールドに浸れる一枚となっています。ぜひ聴いてみて!!

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    2019年2月27日

  • 「私の後ろにテリウス」のソン・ホジュンさんが愛される理由

    昨年東京でのファンイベントが自身初のもので、その時はとても緊張しました、と話すソン・ホジュンさん。今年も日本に来ることができてありがたく、そしてとても嬉しいといいます。共演したソ・ジソプさんが演技大賞を受賞するなど話題となったドラマ「私の後ろにテリウス(原題)」では、初の悪役を好演。さらにユ・ヨンソクさんと始めた寄付イベントを番組化した「コーヒーフレンズ」と、2月に放映されるドラマ「眩しくて(原題)」の撮影を終え、これから映画『最後の宿題(原題)』(感動的な映画だそう)が始まるのだとか。そんな忙しいスケジュールの合間を縫っての2度目のファンイベントのため来日、もちろん会は盛況でした。また、ホジュンさんは取材を終えても幾度も挨拶し、まわりの人々を癒し、幸せにしてくれる優しさに満ち溢れていました。東方神起のユンホさんの親友としても知られ、同業の友人も多い彼。「応答せよ1994」でブレイクして以来、人々を惹きつけてやまないその理由がわかった気がします!

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    2019年2月15日

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