そう今夜も。
ケビ子 「ちょっとママ、どうしたのよ、そのTシャツ!」
ママ 「ほら、あったかくなって来たじゃない?もう季節先取りでね。脇汗が目立たない白を選んだのよ?」
ケビ子 「そこじゃなくて、豹柄はわかるけど、それ豹の顔じゃない!あー、思い出した。似たようなTシャツを着た男の話」
ケビ子 「資格の学校のクラスメートに誘われてコンパに行ったのよ。クラスメートって言っても年上で、男性から人気の職業に就いてるからってプライドが高い人だったからなーんか逆らえないって雰囲気でね」
ママ 「あら、でもそういう人って結構上玉コレクションありそうね?」
ケビ子 「さっすがママ!私もほんのり期待したわ。友達を誘って押っ取り刀で馳せ参じたってわけ」
ママ 「どうだったの?上玉だった?豚玉だった?」
ケビ子 「豚玉ってお好み焼きか~い!どう?このこてこてのつっこみ。コンパは3:3のボーイミーツガールだったんだけど、男性側の見た目が怖くて怖くて」
ママ 「え、どんな?怖いって鼠先輩みたいな感じだったの?」
ケビ子 「ちょっとー、それガチで怖いやつ!そうじゃなくて、日焼けして髪の毛のサイドを立ち上げて半分おろす、みたいな例えて言うなら息っ子クラブの沢向要士くんみたいな髪型で、Tシャツにおんぼろデニム、おサイフにチェーンがついてるようなハードボイルドだったのよ!!それで、真ん中に座った人が今日のママみたいにTシャツに大きなドクロフェイスがプリントされたものを着てたの」
ママ 「息っ子クラブ!ママも当時燃えたわ〜!デビュー曲のタイトル、ちょっと辛いアイツ!うんと辛いじゃなくてちょっと辛いってのがいいのよね。ピリ辛って言うの?ママの人生みたいだなー」
ケビ子 「ピリ辛談義終わった?それでね、続きよ。男性たちは驚きの士業様たちで、その日焼けはサロンでチョリースじゃなくてサーフィンでの日焼けってことがわかったのよ」
ママ 「ワオー!じゃ何の問題もないじゃない」
ケビ子 「それがね、普通に礼儀正しくて、普通に品が良くて、普通にレディファーストで、普通に楽しかったの。それが一番驚きなんだけども。お酒も結構飲む人たちだったからあっという間に打ち解けてどんどんカジュアルになっていくのよ」
ママ 「なんだか聞いてるだけですごい飲みそうだものね」
ケビ子 「そう。ピッチが早い早い。ぐいぐいのキューって飲み干しちゃってね。しかもずーーっとビールを飲んでるのよ。ほどよく酔って来たかなーってところで真ん中のドクロTシャツ男がお酒をお代わりする際に出したのよ」
ママ 「え!まさか!出したって!お宝を?」
ケビ子 「ママ!お宝出したらつかまっちゃうでしょ?そうじゃなくて一芸を出したの。Tシャツの中に手を入れてドクロをしゃべらせたのよ!『ビールもう一杯!』ってピョン吉みたいに。そこからはもうずーーっとドクロに会話させてたのよ。『サーフィンは朝が早いからもう眠い』とか『ケビ子さんはどういうお仕事ですか』って腹話術で!」
ママ 「それは芸達者ね。ママは無芸大食だから真似しようかしら。『おい、キタロウ!』」
ケビ子 「ちょっと、ママ、なんで豹にキタロウのお父さんやらせるのよ。おかしいじゃない!」
ママ 「それもそうね。ちょっと変わった人たちだけど、士業じゃない?無下にするのも勿体ないわよね。そのあとどうしたの?」
ケビ子 「うん。『二軒目に行きましょう』ってドクロピョン吉に誘われて行ったのよ。あら、これってもしかしてまんざらでもないのかしらなんて思っていたら、二軒目で『安室ちゃんが好きすぎて辛い、安室ちゃんより好きになれる女性に出会えない』ってドクロピョン吉に言われたの!安室ちゃん?勝てる女なんかいないじゃない?そこからはもうなんだか白けちゃってね。body feels exitなので帰りますって帰って来たのよ。これも飲み干せない話よね。」
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)