暑いのでビールが美味しい店にしましょう、と予約をしてくれていた。
ビールが美味しいその店は、こじんまりとしており、カウンター4席、4人掛けのテーブルが2つ、くらいの大きさであった。予約をしたからか、二人なのにカウンターではなくテーブルに通された。
となりのテーブル席は男性4人。時間が経つにつれ、酔って声が大きくなってくる。うるさい。ものすごくうるさい。しかし男性4人組というのは終わるのも早い。こちらが2杯目を飲み終わる頃、彼らは会計をしていた。一人たいそう酔った男がこちらのテーブルに乱入してきてこう言う。
「彼女~!もうプロポーズされた?え?まだ?彼氏~早くしないと俺がプロポーズしちゃうよ~ 」と、言いながら店を出る。
なんちゅうナイスタイミング酔っ払い!ドラマのような見事な酔っ払いキラーパスでパンダさんにスイッチが入った模様。
何を思ったかパンダさんは「汗かいちゃうな~」と汗をふきはじめ、「写真を一緒に撮ろう」と店員にシャッターをお願いした。これはどういうことだろうかと思ったが流れに任せた。
すると、パンダさんは他に客がいないことを良いことに私の肩を抱き寄せ頬をくっつけてきた。私としてはまあ、いちおう交際開始しているから良いのだろうとされるがままにLet it goである。
驚きながら「もう付き合ってると思ってました」と答える。するとパンダさんが逆に驚き、私の早とちりとあばずれ具合がばれた。
43歳の誕生日からちょうど10日後、めでたく交際開始となった。
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)