そう今夜も。
ママ 「トレンドビ~♪トレンドビ~♪トレンドビ~♪トレンドビ、、あら、ケビちゃんいらっしゃい」
ケビ子 「ママ、なんなのそのトレンドビ~って。大声が外まで聞こえてたわよ?」
ママ 「もう耳に残っちゃって。駅の券売機の前にトレンドビ~♪って大声で繰返し歌ってる男性がいたのよ。何かの歌かと思って調べたけど、どうも違うみたいで」
ケビ子 「ああ、それで思い出した、絶叫男の話・・・」
ケビ子 「当時国際関連の部署にいたのよ。そういう部署にいると知り合う人もそっち系が多くてコンパも外国の方とか、外資系企業とかが結構あったのよね。そこで、ハーフのキャスターに出会ったのよ」
ママ 「えーー!それってすごいじゃない!」
ケビ子 「今思うとそうかも。英語でニュースを読む彼は画面越しに見るととっても素敵だったな。コンパで出会ったんだけど、なにがどうして私のことを気に入ってくれて二人で会うようになったのよ」
ママ 「んーーファビュラス!」
ケビ子 「ハーフの方のお名前って二通りあるじゃない?トリンドル玲奈ちゃんタイプとマイケル富岡タイプ。名字が日本語か名前が日本風かってやつ。その彼はマイケル富岡風で、名前が英語名、名字が日本名だったの。ジェームズみたいに名前に伸びる棒がついてたわ。そんなの日本じゃキダ・タローくらいじゃない?」
ママ 「ばかね、イチローもいるじゃない!あとは、イジリ―岡田とか」
ケビ子 「ちょっと、舌ベロベロするのやめて!それって全部本名じゃないでしょ。キダ・タローもだけど。ちょっと前置きが長くなったけどその彼のは・な・し!」
ママ 「ああ、そうだったわ。ママとしてはもう少しイジリ―ネタをひっぱりたいけど我慢するわ」
ケビ子 「もう!でね、その彼はやっぱりレディファーストな上に積極的で、歩き始めるときやエレベータに乗るときなんか、必ず腰をそっとサポートしてくれたりするの。慣れてないからドキッとしちゃった。後はやっぱりストレートに褒めてくるの。かわいいだの、輝いてるだの、一目見た時から決めていただのって」
ママ 「輝いてるってなかなか言わないわね。薄毛の方の婉曲なほめ方講座で習ったくらいかしら」
ケビ子 「なんなのその講座。ちょっと今日はトレンドビーが過ぎるわよ!続きいい?結構気分よくデートをしたのよ。何度か。彼は今の仕事の話と将来こういう仕事にチャレンジしたいんだって話を積極的にしてくれて、私もなんだかその気になっちゃったの。出てくるワードが華やかで。だいたい海とか船とかワールドとかって出てくると熟女ホイホイじゃない?」
ママ 「わかるわ。わかりやすくリッチなやつ!ママも加山雄三に憧れたもの。先日、80才になっても若大将って本人が自虐ネタやっててしびれちゃった♪その彼いいじゃない?うまくいかない要素がないわ」
ケビ子 「それがあったの。彼は大衆居酒屋が好きで焼き鳥を食べながらお酒を飲んだのよ。そこで家族の話や病気のリスクや老後の暮らしについて話していたと思ったら」
ママ 「思ったら?」
ケビ子 「『キャンスァイズプリベンタボッ!!!』って私を睨みながら絶叫したの。何事かと思ってびっくりしちゃったわよ。満席の居酒屋で。キャンサー イズ プリベンタブルって言ったようなの。つまり『がんは予防できる!!』ってこと。こんなこと絶叫されて私本当に本当にドン引きしちゃったの」
ママ 「酒癖なのかしら。いきなり絶叫はちょっとねえ。睨みながらってのも怖いし」
ケビ子 「そうなのよね。ちょっと怖くなっちゃって、なんだかんだ理由をつけて帰ろうとしたの。そしたらその後はいつものジェントルマンで、送ってくれながら突然『一緒に住もう』って言うのよ。一気におっかなくなっちゃって」
ママ 「『一緒に相撲』の聞き間違いじゃないの?」
ケビ子 「え?じゃ、あれ春場所か何か?そんなわけないじゃない!これも飲み干せない話よね」
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)