私の友人夫婦は仕込んだかのように「ケビ子ちゃんはとっても良い子」「ケビ子ちゃんは料理上手」「ケビ子ちゃんは存在がセクシー」などとご祝儀代わりに盛りに盛った褒め言葉で場も盛ってくれた。
私が席を外した隙に「ケビ子ちゃんのことスキなのー?結婚とか考えてるの−?」と私が聞きたいこともすんなり聞いてくれたりした。友よ!デキるぜ!奴さんが席を外した時に彼の反応を聞いて何ともいえない嬉しさを感じた。
嗚呼、恋ってなんて素晴らしいものだろう!恋?おや、恋か!婚活婚活と思っていたが、ちゃんと恋をしていたのね、アタイったら。
奴さんの恩師とは3人でひたすら飲み、飲んで飲んで飲まれて飲んだ。神田の駅前の蕎麦屋でだし巻き卵とエイヒレをつまみに長いこと飲んだ。
奴さんの恩師はニューヨーク在住。ちょうど夏休みで帰国していたため、都合があった。「コクシュコクシュ」とメニューを見て言っていたが、どうやらコクシュは国酒ということらしい。そういうちょっとユニークな方で、奴さんとのかけあいも面白く、新たな一面を知ることができてますます良いなと思った。早い段階で知り合いに会わせてもらうのはとっても良いことだと実感した。
奴さんコメント「友人夫妻とケビ子の応答を見ていると、自分だけとの関係ではわからなかったキャラが見えてきて楽しかったし、友人夫妻がとても良い人だったから安心が増した」友よ、感謝!
そして数日後、奴さんは約3週間の海外出張に出かけた。行先はまたまた某アジアの国。今回は一人だからひたすら長い3週間のはず。したがってLINEとときどきのテレビ電話で可能な限りのサポートをした。
出張から帰国する日は空港まで迎えに行った。
大昔に放送していた「ニューヨーク恋物語」という大人の恋愛ドラマに憧れがあり、その最終回の舞台は空港だったのだ!田村正和と岸本加代子が空港で別れる、え!別れては困るが、やはりなんというか空港でのドラマが欲しいケビ子としては鼻息荒く空港入りし、プラカードとともに奴さんを迎えた。
ドラマの最終回で良くある恋人が海外に行ってしまう、一度は諦めたけど、でもでもでも・・・「ヘイ!タクシー!空港まで!」というあのシーン。
庶民の私からしたら空港までタクシーで行くといくらかかるんだろうと疑問に思っていた。試しにタクシー料金換算サイトで調べると東京駅前から成田空港までは約2万6千円、らしい。モノより思い出プライスレスって言っても、人生は計画的にせよという示唆である。
さて。ゲートに現れた奴さんは、激務からかあちこち破れたジーパンを履き、私を見つけるなりムロツヨシに似た満面の笑顔で手を挙げた。都内まで戻り、食事をしながら3週間のアップデートをした。
「滞在先の様子、デニムは激務からではなくファッションであること、そして結婚を前提につきあっていこう」と。
出張中のケビ子の叱咤激励と空港でのウェルカムジャパンがよほど嬉しかったようだ。
心の底からうれしかった!交際から1か月半、結婚前提をゲット!
奴さんコメント「海外出張は何度も行ってるけど空港まで迎えに来てくれた人は初めてだった。驚きもあるし、単純にうれしかった。こういうことをさらっとしてくれるところがとても好感が持てた。」ハッハー!
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)