大邱は豊かな山々に囲まれた盆地で、雨が少なく薬草を乾燥するのにも適していたため王が奨励したこともあり、街の中心にある薬令市でも知られる韓方の盛んな街でもあります。大邱を観光するなら、まさにここならではの、この韓方を生かした焼肉店「キムテグン韓方料理本店」はマスト。店主が体を壊したのをきっかけに生まれたレシピのタレに漬け込まれた韓国産のカルビも豚肉も美味。まるでパンデピスのような後を引く香ばしい味付けでした。また、りんごの産地として知られる大邱は、国内生産量の1/3を誇る蓮根の産地でもあるそう。その蓮根を存分に生かした料理が味わえる「ヨングンサラン」も興味深い。白蓮定食は見目麗しく、体にも優しい料理で、蓮根入りの粘り気のある粥、蓮根入りトッカルビ(ひき肉料理)、蓮根のカツ、蓮根の乗ったアワビから蓮根の水羊羹まで堪能できます。散策に、400年続くという昔の貴族の村オッコル村を訪ねるのも一興。のんびりした緑滴る環境の韓国伝統家屋では、目に鮮やかな韓服の貸出しもありタイムスリップでき、他の観光地のように混み合っていないのでくつろげます。
成田からtway航空の直行便で約2時間で到着、空港から市内までも20分弱と近く、ソウルや釜山からの高速鉄道KTXでのアクセスも簡単な大邱。思い立ったらふらりと行けるデスティネーションとしても注目されています。ノスタルジックな建物が多く残っているのも自慢で、それらをリノベーションした個性豊かなカフェも点在します。繊維などを主とする商人の街として栄えたこの街には、昔から商談にも使われて来たため喫茶店文化が根付いているのです。老若男女がくつろぐカフェ巡りもぜひ。古民家を改装した「ロマンスパパカフェ」、削った3種のチョコレートを乗せたラテの「カーテンコール」を巡りましたが、まだまだ行ってみたいところがたくさんありました。韓国3大市場の西門市場の散策途中にはここならではの白玉のようなすいとん(スジェビ)もマスト。2泊では足りない、大邱の旅でした。