最初の出会いと同じレストランに久しぶりに行ってみようかと奴さんが言ったのでピンと来たが黙っていた。
パティスリーサダハル・アオキがちょうどパリにブティックを出した頃、お互いパリへの出張が多く、「どこかですれ違っていたかもね」との会話から打ち解けた経緯があり、そのサダハルのマカロンを今日は持ってきたよと袋を渡された。
サダハルの袋の中には、たくさんマカロンが入っていそうな大きな箱と誕生日にもらったものと同じ赤いバラの花束、そしてカルティエと書かれた箱も入っていた。
一応驚いてみると「まあ、そういうことで」と。
どういうことじゃと思いつつ、もうとにもかくにも嬉しくて嬉しくてデザートを食べるのを忘れたくらいである。
カルティエの箱は長くてどうみても指輪ではない。ネックレスか時計か?と思いながら箱を開けると黒いボールペンが出てきた。
そこには新しい名前となった私の名前が彫ってあり「これで婚姻届を書きなさい」とまたナマイキな言い方で言われた。なんてロマンチックなんだろうかと今でも思う。
また、ボールペンの刻印が思ったより時間がかかったらしいことも想像できる。したがって私としてはとてもうれしいストーリーとなった。
何の迷いもなくこの人と生きていこうと思える人に出会えたことは運が良いとしか言えないと思っている。
この年だからこそ出会えた人でもあり、この年まで待って良かったと思える人である。
結果論ではあるが、自分に厳しく婚活をがんばってみて良かった、やりきったなと気分爽快である。
その後は指輪選びと並行して入籍の準備、両家顔合わせの準備であっという間に時間が過ぎた。
2月中旬に無事入籍し、43年間慣れ親しんだ名字が変わるとともに私の婚活は終わった。
奴さんと出会ったのが6月。
交際開始が8月。
結婚が決まったのは翌1月。
入籍が2月。
交際から半年で入籍。なんとも濃い期間である。
本当にこの人で良いのだろうか、といった迷いや不安が全くなかったのは自分なりの工夫の成果かなと自賛している。
今日が人生で一番若い
何もしなければゼロである
命を取られるわけじゃない
焦りは禁物、アサリは海産物
くじけそうなときに思い出すこれらの言葉は、これからの生活でも大事にしていきたいと思う。
結婚して思うのは、とにもかくにも奴さんを幸せにしたいってこと。私のことだから若い時に結婚できていたら、幸せにしてもらうことに躍起になっていたのかもしれない。
どうして自分は結婚できないのかと長い事悩んできたけれど、アラフォーの結婚が自分の適齢期だったんだなと納得している。
アラフォー独身女が婚活する、となると臆病になってやさぐれがちだが、同世代の男性も同様に不安を感じていることがわかった。
だから必要以上に卑下しないこと、そして強そうなイメージの「アラフォー独身女性」ではなく、「ケビ子個人」としてみてもらうよう、早く二人で会うのが肝要である。あとは良くも悪くも自分次第!
大人婚、毎日最高にハッピーだぜ!
最後に参考書籍を紹介して終わりにする。
恋愛指南本はもうさんざん読んだが、アラフォーになってからのケビ子のリアル参考書。
「人を動かす」デール・カーネギー著 人が動く原理原則がよくわかる。
「愛するということ」エーリッヒ・フロム著 愛は技術だ、この一言を知るだけで技術力向上にマインドシフトできる。
「生かされて。」イマキュレー・イリバギザ著 ルワンダ内戦を生き残った筆者。婚活で悩む自分は十分幸せだと思える。
以上、アラフォーケビ子の婚活記 おっしまい!
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)