平和な世界を願って歴史のお勉強!
『ブラザーフッド』
1950年6月25日に始まった民族間の闘い。
靴職人の兄ジンテ(チャン・ドンゴン)と高校生の弟ジンソク(ウォンビン)は疎開の途中で強引な徴兵検査により強制的に徴兵される。心臓病を患う弟のために勲章を得れば弟を除隊させられるとわかり、人が変わったかのように戦地で活躍する兄。戦地で活躍っていうことは、つまりそういうことで、優しかった兄の冷酷な態度に弟とは距離ができていく。
父親を亡くした一家の家長は兄のジンテ。ジンテの家族を思う優しい眼差しが戦地でどんどん冷たく変わっていく様が見どころであり、チャン・ドンゴンの目の演技がものすごかった。チャミスルジュセヨ―!
韓国映画の戦闘シーンは、全体像は少なく個人にフォーカスしたものが多く、あたかも自分もそこにいるような臨場感が高まる。そこに銃弾の乾いた音、銃弾が生きた肉体をえぐる映像、土煙でぼやける視界が広がる。戦闘シーンのはざまに兵士間のユーモア溢れる会話をを織り交ぜ、その生々しい戦闘はつい先日まで普通の市民だった兵士によるものであり、自分の周囲に同じことが起きたらという視点を与え、感情移入を誘うのだ。
最後、ジンソクがジンテに「一緒に帰ろう!」と説得するシーンは涙涙でハンカチジュセヨ!である。
『国際市場で逢いましょう』
朝鮮戦争時、父と妹と生き別れた主人公のドクスが家族の再会を夢見ながら懸命に生きるドラマ。
もうこれはハンカチなくては観られない、超おすすめ作品。
父の妹が釜山の国際市場で雑貨屋を経営。そこに身を寄せたドクス。
いつか生き別れた父と妹に会えると思いながら家族のためにドイツの炭鉱に出稼ぎに行ったり家長として懸命に働く。ドイツで結婚相手を見つけて帰国し、その後もあちこち出稼ぎに出ては弟の進学資金などを用意する。
幼いながら家長として生きることを決意し、何もそこまで背負わなくても、というくらい家族のために奮闘するドクスの強さと、ラストシーンで父親の幻に甘える姿に強さの中の弱さも見え、そんなドクスを見守る奥さんがまた優しい。心を揺さぶる作品。
異色なファンタジー作品。
北朝鮮と韓国の国境近くにある山脈のふもとにあるトンマッコルという架空の村が舞台。
戦時中だというのにここはなぜかユートピアさながらの平和な雰囲気。
そこに轟音とともに偵察機が墜落し、乗っていた米軍兵士が村に来た。
ついで韓国兵、朝鮮兵と敵対するもの同士が次々村にやってきてトンマッコル村でひょんなことから出会い生活を共にすることで妙な情を交わすという物語。
ラストで朝鮮兵が言う「違う場所で出会っていたら楽しかっただろうな」
娯楽作品だとわかりつつ、やはり後味は感動。
今だからこそ観返したい作品。