働く40代を応援!新時代のEC連動メディア

「15歳のあのころからずっと、心は宝塚にとらわれたまま」【宝塚スターインタビュー】

宝塚スター連載がリニューアル!第3回は花組 明日海りおさん
「15歳のあのころからずっと、心は宝塚にとらわれたまま」【宝塚スターインタビュー】 _1_1

壁にぶつかるたびに思う。 宝塚が好き、男役が好き、 だから「やるしかない」

宝塚歌劇との出会いは15歳の夏。バレエ教室の友達から借りた一本のビデオから、明日海りおの物語は始まる。
「今まで観たことのない世界観に衝撃を受け一瞬で夢中になりました。その翌日には香港への家族旅行が控えていたのですが、頭の中は“早く家に帰ってもう一度あのビデオが観たい”という思いでいっぱい。覚えているのは、香港の街の夜景が舞台の電飾に見えたこと、食事がのどを通らずにやせて帰国したことくらい(笑)。旅好きの両親にはいろんな場所に連れていってもらったのですが、その旅だけはほとんど記憶に残っていないんです」

 宝塚音楽学校受験に反対する両親を「三日三晩部屋に閉じこもり、泣きわめき、しまいには熱を出した」ほどの強い思いで強行突破したのは有名な話。入学後も「歴代のスターが担当した伝統の掃除場所を命がけで掃除するような生徒だった」と笑う。

そんな少女も今や花組のトップスターに。その華奢な体から発せられているのが信じられない圧倒的な存在感、少年から大人の色気をまとう男性まで演じきる実力、そんな舞台上の姿とは裏腹な柔らかく可憐な素顔……あふれんばかりの魅力を武器に早くから注目を集めスターへの階段を駆け上がってきた彼女だが、その道のりは決して平坦ではなかった。
「下級生時代は子役をまかされることが多く、娘役や女性の役が続いたことも。男役を目ざして宝塚に入ったはずなのに、今の私は男役として必要とされていないんじゃないか……そう不安になった時期もありました」

 月組時代は当時のトップスター龍真咲と大劇場公演で役替わりを務めたことも。異例とも言える出来事に幾度も遭遇し、それを乗り越えてきた希有なスターでもある。
「幼いころから母親に“あなたは根性がない”と言われて育ったんです。でも、今思うとそれがよかった。どんな時も“私は誰よりも努力をしなくては、人一倍頑張らなくてはいけない”と思うことができたから」

 乗り越える秘けつは「自分に喝を入れる」だけ。ライバルは常に自分だった。
「男役として危機感を感じていたころ、自信を届けてくれたのが芝居でした。芝居を通して外見ではなく内面から出せる男役の魅力があることを知った。そんな私にまわりがかけてくれた“お芝居が本当に好きなんだね”という言葉。それもまた、ていねいに一生懸命やればちゃんと伝わることを教えてくれました」

 トップスターも今年で5年目。気づけば5組の中で最も長いトップ歴の持ち主に。そんな彼女が口にしたのが「“始める”に“遅い”はない」という言葉。
「相手役や組のメンバーが変わる中、新たな気づきに出会うことも。同時に、新しいことに挑戦したいという思いも増すばかり。宝塚の男役らしさと新しい自分、安定と刺激の両面を追求していけるような男役でありたい。そのためにはさらに努力を積まなければと、5年目の今でもそう思っています」

Profile

あすみ・りお●2003年、月組に配属。13年、花組へと組替え。翌年にはトップスター就任。圧倒的な存在感を放つ舞台上の姿とは裏腹に、ふだんはほんわかと可愛らしいキャラクター。そのギャップも人気の秘密。トップ就任5年目、円熟期を迎えたその姿にさらに注目が集まっている

Next Stage!
「15歳のあのころからずっと、心は宝塚にとらわれたまま」【宝塚スターインタビュー】 _1_3
©宝塚歌劇団

★ミュージカル 『MESSIAH -異聞・天草四郎-』

★ショー・スペクタキュラー 『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』

多くの伝説を残し謎多き人物として語り継がれる天草四郎時貞。彼は真の救世主だったのか、人々の心に何を残したのか、新たな視点で描き出す物語。色とりどりの花が百花繚乱に咲き乱れるショーとの二本立て。主演:明日海りお 仙名彩世 7/13〜8/20:宝塚大劇場 9/7〜10/14:東京宝塚劇場

Shopping News トレンドがわかる、買える!

AND MORE

What's New 新着記事

AND MORE

美女組Blog 毎日更新中!

AND MORE

Recently Checked チェックしたアイテム

    AND MORE

    Feature 編集部のおすすめ記事

    ×

    この記事をクリップしました!