夏の風物詩といえば、花火大会にスイカ割り、そしてやっぱり稲川淳二さんの怪談ですよねぇ。熱帯夜も一瞬で凍らせる怖い話、パクチー先輩は大っ好きです。漫画も楳図かずお先生の『へび少女』を読んで震え上がったりしてますが、今回紹介する作品もそんな恐怖漫画のひとつ。少女漫画界の巨匠・わたなべまさこ先生の代表作『ガラスの城』です。70年代に大ヒットした名著です。
双子の姉妹として育てられた派手好きで目立ちたがりのイサドラと、慎み深く穏やかなマリサ。ある日、事故で亡くなった母親の遺品から、マリサがストラス・フォード伯爵家の令嬢であることがわかります。しかしイサドラはその遺品をうまく利用して自分が伯爵令嬢になりすまし、ストラス・フォード城で暮らすようになります。
一方、伯爵は、亡き妻と同じスミレ色の瞳のマリサに親しみを覚え、マリサを城に招きます。しかしマリサが本当の娘であることがバレるのを恐れ、さまざまな策略をめぐらすイサドラ。マリサを追い込んでいくのでした。
見どころは、なんといってもイサドラです。エスカレートするマリサへの嫉妬と憎悪。人間はここまで醜くなれるのかと思うほどの悪行。破滅へと突き進むイサドラの狂気に、読み手はどんどん引き込まれていきます。
いわゆるお化けが出てくるわけありません。呪いや悪魔が関係してるわけでもない。「自分は特別な人間だ」という強烈な自己愛にとりつかれた人間のお話。でも、世の中でいちばん怖いのは、幽霊でも悪魔でもなくて人間だったりして。そしてそんな心の闇は、人間なら誰もが持っているから、より恐ろしく感じるし、50年(!)近くたっても、この作品は古びないのでしょう。
じつは以前、友人が盲腸で入院したとき、『ガラスの城』全巻を「暇つぶしに」と差し入れて、ものすごく怒られたことが。「手術後なのに、おもしろすぎて徹夜しちゃったじゃないの!!しかも病院だから、途中でめっちゃ怖くなった。お見舞いにまったく向いてない!!」と(笑)。
いやいや、本当に申し訳ないです。でも、手術後の痛みを忘れるくらい、おもしろいってことです。ぜひみなさんもこれで猛暑を吹き飛ばしてくださ~い。
それでは試し読み、どうぞ~!
双子の姉妹として育てられた派手好きで目立ちたがりのイサドラと、慎み深く穏やかなマリサ。ある日、事故で亡くなった母親の遺品から、マリサがストラス・フォード伯爵家の令嬢であることがわかります。しかしイサドラはその遺品をうまく利用して自分が伯爵令嬢になりすまし、ストラス・フォード城で暮らすようになります。
一方、伯爵は、亡き妻と同じスミレ色の瞳のマリサに親しみを覚え、マリサを城に招きます。しかしマリサが本当の娘であることがバレるのを恐れ、さまざまな策略をめぐらすイサドラ。マリサを追い込んでいくのでした。
見どころは、なんといってもイサドラです。エスカレートするマリサへの嫉妬と憎悪。人間はここまで醜くなれるのかと思うほどの悪行。破滅へと突き進むイサドラの狂気に、読み手はどんどん引き込まれていきます。
いわゆるお化けが出てくるわけありません。呪いや悪魔が関係してるわけでもない。「自分は特別な人間だ」という強烈な自己愛にとりつかれた人間のお話。でも、世の中でいちばん怖いのは、幽霊でも悪魔でもなくて人間だったりして。そしてそんな心の闇は、人間なら誰もが持っているから、より恐ろしく感じるし、50年(!)近くたっても、この作品は古びないのでしょう。
じつは以前、友人が盲腸で入院したとき、『ガラスの城』全巻を「暇つぶしに」と差し入れて、ものすごく怒られたことが。「手術後なのに、おもしろすぎて徹夜しちゃったじゃないの!!しかも病院だから、途中でめっちゃ怖くなった。お見舞いにまったく向いてない!!」と(笑)。
いやいや、本当に申し訳ないです。でも、手術後の痛みを忘れるくらい、おもしろいってことです。ぜひみなさんもこれで猛暑を吹き飛ばしてくださ~い。
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パクチー先輩
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」