- 村山佳世子(むらやま・かよこ)
- 文化服装学院スタイリスト科卒業後、アシスタントを経てスタイリストデビュー。25年以上、集英社の雑誌を中心に第一線で活躍。高い審美眼とスタイリング力で、ファッション業界からの支持はもとより、多くのモデルからも絶大な信頼を得ている。Instagram:@stylist_murayama_kayoko
ー編集長イシダー
「10」のルール、「100」のコーディネート――このタイトルが表すとおり、この本はとても明快で研ぎ澄まされています。と同時に、見ているだけで何となく自分のセンスが良くなったような気分に包まれる不思議な本でもあります。
そんな二面性は著者の村山さん(私はムラコと呼んでいますが)そのもの。non-no、MORE、BAILA、Marisol、eclat、そのすべての雑誌で一緒に仕事をしてきたのですが、物腰や話し方、雰囲気はほんわか柔らかいのに、作るコーディネートは大変理論的。小物ひとつとっても、何故つけたのか、このコーディネートにどうして必要なのか、という答えがすぐに返ってくるのです。
25年、どの時代も雑誌のテーマに合わせて読者のためにコーディネートを作り続けてきたムラコが、初めて単行本のために抽出した10のルールと100の実例。〝おしゃれ〟にとても興味がある人も、今はおしゃれにそこまでお金や時間をかけられないという人も、この本に出会って良かった! と思う部分が必ずあると思います。
ちなみに私が特に好きなコーディネートは、005番と029番と……終わりがなさそうなのでここでは2つにしておきます。
ー編集K松ー
村山さんとお仕事をしている時、よく出てくる言葉があります。
「どうってことないんだけど、なんか素敵」
「さりげないんだけど、ちょっと女らしい」
それこそが、雑誌Marisolが目指しているおしゃれ! 街中で浮かないのに、ちょっとした印象を残す人。主張しすぎないけど、自分らしさのある装いを楽しんでいる人。
じゃあ、それを1冊の本にしたらどうだろう? 「どうってことなさ」や「さりげなさ」を可視化するのは本当にむずかしいこと。
でも村山さんは、担当エディターの磯部安伽さんと二人三脚で、そこに向き合いました。そして生まれた10のルールは、とっても明快。「最強のトレンチを持つ」「実はデニムは古くていい」「ベージュのVニットが最強の女っぷり」などなど。誰もが持っているアイテムで、すぐにマネできるコーディネートもたっぷりです。
トレンドを追ったスタイル本のような派手さはありません。でも、「なんだか素敵だな」のヒントがぎゅーっと詰まったまさに「一生もの」の1冊。年齢や身長や体型を問わず、服が好き、おしゃれが好き。そんなすべての女性に読んでいただきたいです!