一条ゆかり特集① 女のプライドが激突!名作『デザイナー』で濃密な時間を【パクチー先輩の漫画日記 #21】

2018年10月21日
譲れないデザイナーとしての誇り、複雑にからむ親子の愛憎劇。娘・亜美と母・麗香の闘いの行方は……!?
みなさーん! 現在、根津の弥生美術館で開催中の『集英社デビュー50周年記念 一条ゆかり展』には、もういらっしゃいましたか? 私は早速行ってきましたよ~! 一条先生といえば、長きに渡り、少女マンガを牽引してきた生きるレジェンド。そんな少女マンガ界の女王のデビューからの足跡を原画とともにたどった展覧会は、マンガ好き垂涎のお宝ばかりで、もう大コーフン。

中でも、ひと際、目を惹くのが、少女マンガの歴史に燦然と輝く金字塔『デザイナー』のコーナーです。40年以上前の作品なのに、今観ても色褪せない作画とストーリー。パクチー先輩も子どもの頃に読んで、めっちゃ衝撃を受けた作品です。とにかく内容がぶっとんでいました。

孤児院で育ったトップモデルの亜美(あみ)は、デザイナー界に君臨する鳳麗香(おおとりれいか)が自分の母親であることを知り、そのショックから事故をおこし、モデルの道を閉ざされてしまいます。自分を捨てた母に復讐するために、結城コンツェルンの朱鷺(とき)の手を借りてデザイナーへの道を歩み始めますが、そこにはさらなる悲劇が待ち受けていました。

描かれているのは、女のプライド、親子の愛憎、嫉妬心、近親相姦……。「これは成人マンガか!?」ってくらいの大人びた内容と密度の濃さです。当時、ラブコメで人気を博していた一条先生が、「本当に描きたいものを描く」という決意のもと、『りぼん』のタブーに踏み込んで描いた愛憎劇ですが、1974年当時、これが『りぼん』に掲載されていたなんて驚愕ですよね。今だったらきっと“コンプライアンス”なるものにひっかかって連載できなかったのでは、と思ったりします(笑)。

当時、『りぼん』を読んでいた子どもたちもきっとびっくりしたと思いますが、でも、わからないなりに、子どもはいろいろ感じ取るもの。きれいでおしゃれな洋服の数々、自分ではどうしようもない運命……などなど。かくいうパクチー先輩も半分くらいしか理解できなかったけれど、仕事に命をかけて闘っている女性たちの熱い思いは伝わってきました。

とくにデザイナーの鳳麗香の生き様は、大人になって読んでも鬼気迫るものがあります。亜美との闘いに敗れたあと、デザイナーとしてやり直すために、すべてを捨てて、ひとりパリへ旅立つ麗香。女であることよりもデザイナーであることを願う生き方は、まさに一条イズムの極み! 70年代のファッションやカルチャーも楽しいし、これぞ時代を超えて語り継がれる名作です。

ちなみに『一条ゆかり展』は、12月24日まで開催予定。秋の美術館めぐりにぴったりなので、ぜひ足を運んでみてください。オリジナルグッズもいろいろあって、パクチー先輩は、超かわいいクリアファイル、大人買いしてしまいました!

それでは試し読み、どうぞ~!

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★Information

少女マンガ界の女王・一条ゆかりの展覧会『集英社デビュー50周年記念一条ゆかり展~ドラマチック!ゴージャス!ハードボイルド!~』。デビュー作から2000年代までの原画を中心に展示。一条先生のトークショーも11月17日(土)、12月8日(土)に開催決定!詳細は、弥生美術館の公式サイトをご確認ください。

会期/2018年9月29日~12月24日 

会場/弥生美術館 

住所/東京都文京区弥生2-4-3 

公式サイト/http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/index.html

パクチー先輩
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」

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