【今月のお悩み】「恋愛対象が50代、60代になってしまいます」
(東京都・さち・41歳・セミナー企画/司会/受付)
☆辛酸なめ子さんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
50 代で賢くなるなんて幻想です(笑)。決めつけず、可能性を広げてみては?
悩みの文面を読んだだけでははっきりとはわかりませんが、さちさんのこの同年代の男性観、ひょっとすると特定の誰か、のことではないですか? 以前にお付き合いしていた人、あるいは、今付き合っている(ような、いないような)人に対する苦情なのでは?
そうでないとすると、かなり誤解があるような気がします。
まず、「恋愛対象が50代、60代になってしまう」ってことは、50代、60代なら、バカじゃなくてお金があり、愛嬌も余裕もあり、濃い話ができるはずだと思ってらっしゃる? いやいや、男なんて、いくつになっても賢くなんてならないですよ。さらにバカになることはあるかもしれませんが。お金があるとはかぎりませんし、余裕だって、そろそろ命の余裕がなくなります。歳を取るとどんどん頑固になって、愛嬌どころじゃありません。話だって、濃く=しつこくて、薄っぺらいより始末が悪い……。 僕自身60歳になり、また、まわりの同世代を見ていても、若いころとたいして変わっていない気がします。
ですから、さちさんと同年代の男性が、必ずしもさちさん評に当てはまるわけではないと思うんです。
それに、そういう同年代男性がいるとしても、もしかすると、その人はわざとバカなふりをしたり、お金がないふりをしているのかもしれません。そうやって、さちさんの気を引こう、母性本能をくすぐろうという作戦で。あるいは、謙虚な人かもしれない。だいたい、利口ぶったり、金持ちだと吹聴したり、やたら誰にでも愛嬌を振りまくヤツなんて、イヤじゃありません?
ですから、50代、60代の男性に対しても同年代の男性に対しても「◯◯である」と決めつけないで、恋愛対象として考えていいのでは?
あと、さちさんのお話には出てきていませんが、年下はいかがでしょう? さちさんは、肩書もたくさんお持ちで、バリバリ働いていらっしゃるから、同年代の男とはお互いに張り合ってしまい、なかなか恋愛ムードにならないのかもしれません。その点、年下なら、さちさんより知恵もお金も余裕も、なくてあたりまえ。「もう、しょうがないわねぇ」と、母性で包めるような気がするのですが、どうでしょうか。
いずれにせよ、「恋愛がしたい」と思っていらっしゃるなら、全方位にウェルカムな雰囲気を漂わせていたほうが、チャンスは増えるような気がします。そうだ、恋愛セミナーとかを企画して、「いいな」と思う男性を講師に呼ぶというのはどうでしょう。話を聞けば、ある程度、人間性もわかるでしょうし、それを機に仲よくなれるかもしれません。職権乱用? いえいえ、それもご縁ですよ、ご縁。
最後にひとつだけ。僕が言うのもなんですが、恋の醍醐味は「おバカになること」だと思うんです。心に余裕はなくなるし疲れるし、恋人同士の会話なんて、傍で聞いてるとホントに薄っぺらい。でも、それが「恋に落ちる」ってことなんじゃないかと……。
-
●JUN MIURA: イラストレーターなどなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」ほか多くのブームを生み出す。近著に『男気の作法』(マガジンハウス)、『人生エロエロだもの』(文藝春秋)など
-
●NAMEKO SHINSAN: 漫画家、コラムニスト。巫女的な感性でアイドル観察からスピリチュアルまで、あらゆる事象を取材。近著に『魂活道場』(学研)、『おしゃ修行』(双葉社)などがある
※採用時は匿名にて掲載します。
※承諾を得た場合を除き、応募されたかたの個人情報を目的以外に利用することはありません。