「『あの舞台に立ちたい』と想い焦がれたあのころも今も、宝塚への愛は変わらない」【宝塚スターインタビュー】

2018年11月10日
宝塚スター連載。第5回は月組 愛希れいかさん

入団してからの10年間、 毎日が挑戦の連続でした

 卓越したダンス力と歌唱力、少女から大人の女性までさまざまな役柄を乗りこなす演技力……その実力と才能で圧倒的な人気を集めている娘役、それが愛希れいかさんだ。実は過去には男役を経験。希有な経歴の持ち主でもある。そんな彼女が月組のトップ娘役に就任したのは入団4年目、娘役に転向してから1年もたたないころの出来事だった。
「トップスター(当時)龍真咲さんのお相手を務めさせていただく。それはとても光栄なこと。でも、当時の私は娘役として本当に未熟で、正直わからないことだらけでした。龍さんの背中を追いかけるのに必死の毎日。プレッシャーに押しつぶされそうになったこともありました。そんな時に背中を押してくれたのが“立ち止まってもいいけど後ろには下がるな”という龍さんの言葉だったんです」

 未熟さをカバーするのは努力だけ。体当たりで学びながら歩んできた。誰もが認めるその実力は「出会った作品や役柄が育ててくれた」もの。そんな歩みの中で、彼女が何度も繰り返し見た映像がある。それは小学生のころ、生まれて初めて観た宝塚の舞台、宙組の『エクスカリバー』『シトラスの風』だ。
「どんな時も私に前進する力を届けてくれる“宝塚が好き”という強い思い。でも、それを忘れそうになるほど、いっぱいいっぱいになってしまう時期もあって……。そんな時こそ何度も観ました。この作品は“あの舞台に立ちたい”と想い焦がれていた時代の気持ちが蘇る、私のときめきの宝庫なんです」

 迷い悩んだ時、彼女がいつも戻るのは、憧れを抱きながら座っていたあのころの客席。「宝塚を愛する気持ちと希望を忘れない」そんな思いを込めてつけた“愛希れいか”という名前。その名のとおり、初心を忘れず、奢ることなく、すべてを舞台に注いできた。必死に走り続け、入団10年目を迎えた今年、彼女は退団という大きな決断を下した。
「まわりからはさまざまな言葉をいただいたのですが、特に印象に残っているのは、お相手を務めさせていただいているトップスター珠城(りょう)さんからの“よく頑張ったね”というお言葉。珠城さんとは新人公演時代も一緒に過ごし、月組でともに歩ませていただきました。常にそばで見てくださっていたかたからの言葉は……本当にうれしくて」

 退団公演を目前に控えた彼女は「仲間と離れるのは寂しいですが、舞台に関しては悔いがないと言える自分がいます。それを最後まで全うしたいです」と微笑んだ。

Profile

まなき・れいか●2009年、宝塚歌劇団に入団し月組に配属。当初は男役だったが11年に娘役に転向。12年に月組トップ娘役に就任する。龍真咲、珠城りょうと2人のトップスターの相手役を務め、今年に入り退団を発表。『エリザベート』が、彼女の最後の公演となる

Next Stage!
©宝塚歌劇団 Photographer Chagoon (www.chagoon.com)

★三井住友VISAカード ミュージカル 『エリザベート-愛と死の輪ロンド舞-』

上演回数は1000回超え。1996年の初演以来、ドラマティックなストーリーで人気を集めてきた作品。黄泉の帝王トート役を珠城が、皇后エリザベートを今作が大劇場最後の舞台となる愛希れいかが演じる。主演:珠城りょう 愛希れいか 8/24〜10/1:宝塚大劇場 10/19〜11/18:東京宝塚劇場

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