【今月のお悩み】「子供が欲しくなりました。 仕事もしたいし、悩みます」
(宮城県・みか・37歳・総合職)
☆辛酸なめ子さんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
出産後に現場復帰=新しい領域へのチャレンジと考えてみては?
「子供も」の「も」が気になります。総合職としてバリバリ働きながら結婚もして、しかも子供まで……なんて望みすぎかしら? と思ってらっしゃるのでしょうか。そんなこと、ないと思いますよ。キャリアも子供も、すばらしいじゃないですか。
でも、理解してもらえるか、復帰後は肩身の狭い思いをするんじゃないかと、みかさんを不安に思わせる雰囲気が、今の職場にはあるんですね。
このご時世、女性に「仕事か、子供か」の選択を迫るような会社には、あまり未来がないような気がします。現実はそういう会社のほうが多いのかもしれませんが、遅かれ早かれ変わっていかざるをえないと思うんです。でも、今のところ、みかさんの職場にはそれが望めそうもないですよねえ。
妊娠・出産にタイムリミットがあるのなら、どうでしょう、子供を産んでしばらくしてから、別の職場に移って新たなチャレンジをするというのは。今の職場では、元の仕事に戻れるかどうかも怪しいですし、戻れたとしても上司から「何か言われないか」とビクビクしながらでは、チャレンジする意欲もそがれてしまいそうです。それに、赤ちゃんも急に体調をくずしたりするので、「理解が得られるか」どうかわからない会社で働き続けるのはツライのではないかと……。
とはいえ、みかさんとしては、がんばってキャリアを積んできた会社を辞めて別の会社へ、とはなかなかいかないのかもしれませんね。ううむ。
そうだ、子供を産んで今の会社に復帰すること=新たな領域へのチャレンジ、という考え方はどうですか? 子育てしながらもキャリアを積んでいけるように、みかさんが道を切り開いていくんです。
それはまあ、職場に楔(くさび)を打ち込むことになって、当然、みかさんはパイオニアとしてツライこともあると思います。「子供を産む、会社も辞めない」と言えば、上司はいやな顔をするかもしれないし、職場復帰したらそれこそ、あれこれいやみを言われるかもしれません。でも、何か言われたらキッと睨み返す勢いで、堂々と仕事をしていればいいんじゃないでしょうか。そこでビクビクしていたら、相手の思うツボで、どんどんいじめられてしまうような気がします。
ここはひとつ、一匹狼的なキャラになり、波風立ててみましょうよ。そうやってみかさんが立ち上がることは、後輩たちにとっては光になると思うんです。この先、みかさんが上司になった時、彼女たちは喜んでついてきてくれるんじゃないでしょうか。そうなれば、みかさんが本当に望んでいる「新しい領域」へのチャレンジも大手を振ってできそうです。
あ、最後にひとつ。仕事と育児を両立させたいなら、パートナーときっちり話し合っておいたほうがいいですよ。上司より、パートナーの理解と協力が得られないほうが、ずっとキビシイと思うんです。
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●JUN MIURA: イラストレーターなどなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」ほか多くのブームを生み出す。近著に『男気の作法』(マガジンハウス)、『人生エロエロだもの』(文藝春秋)など
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●NAMEKO SHINSAN: 漫画家、コラムニスト。巫女的な感性でアイドル観察からスピリチュアルまで、あらゆる事象を取材。近著に『魂活道場』(学研)、『おしゃ修行』(双葉社)などがある
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