「夢見た場所に立った時、“その先”を考えていなかった自分に気づいた」雪組 望海風斗さん

【宝塚スターインタビュー】
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トップ就任から約1年。「毎日がすごく楽しい」

「初めて一番大きな羽根を背負った時は、その重さに驚きました。それこそ、“大丈夫かな”と不安になるほど。でも、これが不思議なもので、舞台に立っている間はその重さを忘れることができたんです。お客さまの温かい拍手、目の前に広がる“ずっと見たかった景色”……喜びと感動が押し寄せてきました。ただ、幕が下りた瞬間、またもやズッシリきたんですけどね(笑)」

 昨年、前トップスターの早霧せいなからバトンを受け取り、雪組のトップスターに就任した望海風斗。
「最初の一作目はその責任を感じながらも、どこか“ご褒美”をもらっているような感覚でした。それが“実感”や“覚悟”に変わったのは、年に一度、各組のスターが集う『タカラヅカスペシャル』。そこで他組のトップスターのかたがたと並ばせていただいた時に、自分が雪組のトップであることを改めて自覚し、“宝塚に入ってよかった、頑張ってきてよかった、はここまで。気を引き締めて、次のステージに進まなければいけない”と、強く思いました」

 彼女が公言してきた言葉の中に忘れられないものがある。それは「宝塚には2種類のスターがいる。早くから大役をまかされ挑み成長していく根っからのスタータイプ、そして、いつか訪れるかもしれないチャンスのためにコツコツと実力を蓄えるタイプ。私は完全に後者。ボンヤリ待ち続けたところで、シンデレラストーリーの主役にはなれない。そこに気づいてから、本当の意味で私の宝塚人生が始まった」という言葉だ。誰よりも真摯な姿勢で舞台と向き合い、努力に裏づけされた実力を武器にここまで進んできた。そんな彼女を評する時、多くの人が口にするのが「真面目」というキーワード。
「そのイメージが強いからか、トップ就任後は“プレッシャーを抱えて自分を追い込んでいないか”そんな心配をしてくださるかたも。でも、今は……毎日がすごく楽しいんです(笑)」

 一番大きな羽根を背負う日を夢見て必死に走り続けてきた。目ざす場所にたどりついた時“その先”を考えていなかったことに気づいた。そこで、改めて自分と向き合った時にわき上がってきたのが「もっと、ちゃんと、男役を楽しみたい」気持ちだったそうだ。
「最近は自分が出演した過去の作品映像をよく見返すんです。すると、当時は見えなかったものが見えてきたりして。今だからわかることがある、今だからできることがある。舞台へのワクワク感は日々高まるばかりです」

 今もなお“その先”に明確な目標は見つからない。最初はそこに戸惑いも感じたが「最近はそれでいいんだと思うようにもなりました」と微笑む。
「どんなに悩んだところで、いずれゴールテープを切る日はやってくる。その日まで、自分はどこまで行けるのか、どれだけ成長できるのか……。それが今の私の新たな目標。これからも、前向きな気持ちで挑み続けたいです」

Profile

のぞみ・ふうと●2003年、宝塚歌劇団に入団し花組に配属。14年、雪組に組替え。17年、雪組のトップスターに就任。真摯に舞台と向き合い、圧倒的なパフォーマンスを披露。実力派の呼び声高い彼女だが、特にその歌声は高く評価されており、歌唱シーンの多い舞台『ファントム』への期待が高まっている

Next Stage!

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「夢見た場所に立った時、“その先”を考えていなかった自分に気づいた」雪組 望海風斗さん_1_3
©宝塚歌劇団 Photographer/野波 浩
『オペラ座の怪人』をもとに生まれたミュージカル。顔に傷を負い暗闇に生きる怪人を望海風斗が演じ、聴く人の心を動かすその歌声を武器に、悲しくも美しい物語をドラマティックに描き出す。主演:望海風斗 真彩希帆 11/9〜12/14:宝塚大劇場 2019年1/2〜2/10:東京宝塚劇場

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