西城秀樹さん、星野仙一さん、有賀さつきさん、スティーブン・ホーキング博士、衣笠祥雄さん、津川雅彦さん&朝丘雪路さん、樹木希林さん……と、自分の青春時代のスターたちが鬼籍に入られました。中でもショックだったのは、『ちびまる子ちゃん』の作者・さくらももこさんの突然の訃報です。
1986年(平成3年)に『りぼん』で連載がスタートした『ちびまる子ちゃん』は、日曜日夕方にアニメが放映されたこともあり、お茶の間にすっかり浸透。今や『サザエさん』と並ぶ国民的マンガに。アラフォー世代もきっと子どもの頃に夢中になって読んでいたはずです。
この作品の魅力といえば、やっぱりまる子のキャラクター! お調子者で面倒臭がりでお節介で。静岡県清水市出身のさくらさんが、自身の少女時代をモデルに描いているだけあって、そこにウソがないというか、「子ども=純粋」みたいな図式から、ちょっとはずれているところがパクチー先輩は大好きでした。
とくに気に入っていたのが怠け者なところ(笑)。すぐにサボろうとするところ、パクチー先輩も同じだったんですよ! まる子が夏休みの宿題を8月31日になって必至でやる話があるけれど、パクチー先輩もまったく同じだったわ!……って、まるで過去形のように書いてるけど、考えてみると今も変わってないじゃない!! この原稿も締め切りを守れず、年末だというのに担当さんを待たせております。まる子―! この気持ち、アナタならわかってくれるはず!!
パクチー先輩だけじゃなくて、読み手はみんな、まる子の中に少女時代の自分を見つけ出していたから、この作品はこれだけ共感をもって愛されてきたと思います。そして、ときにはピンチもやってくるけれど、家族や友達に囲まれたまる子の世界は、総じてとても平和で穏やかで、愛に満たされているところが読み手をホッと癒してくれます。安穏とした平和、これに勝る幸せはないなって、あらためて感じさせてくれるんですよね。
来年、元号が変わりますが、『ちびまる子ちゃん』は永遠です! そして次の元号でも呑気なまる子が自由気ままにふるまえるような平和な時代となりますように。ちなみにパクチー先輩は、まる子の同級生・花輪くんも大好きでした!
それでは試し読み、どうぞ~!
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」