相続財産は人生最大の収入になる!?相続こそ事前準備が必要なんです!【アラフォーのためのマネーのお話 #4】

アラフォーの関心事「マネー」について、初心者にわかりやすく女性税理士が解説!第4回は、40代から考えておくべき相続のお話。前編は親と一緒に相談しておきたい相続準備についてです。
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アラフォーの親世代である60代~70代。この世代の人たちはアラフォー世代に比べて多くの財産を持っています。総務省のデータによると60代~70代の世帯の家計資産は約4800万円。40代は1965万円。その差3000万円弱です。

今の60代~70代は、恵まれた時代を謳歌した世代。経済は右肩上がり、給与は毎年上がり、終身雇用も退職金も約束されていました。

でも、今のアラフォーは違います。給与が上がることも期待できず、超高齢化社会のあおりで、社会保険料の負担は毎年増えるばかり。終身雇用制度も崩壊すると言われ、退職金もどこまで期待できるかわかりません。こうなると、恵まれた親世代が残してくれる相続財産も見逃すことができない大切な収入源のひとつとなってきます。仮に、親世帯の平均保有資産額約4800万円を相続で受け継ぐとしたら・・・・・・相続人が複数いたとしても、もらえる財産は相当なものです。均等にもらうとして、2人なら2400万円。3人なら1600万円もらえる計算となります。

人生で最大の収入といわれる退職金の平均額は、大学卒で1997万円、高校卒で1724万円です(厚労省データより)。これは、35年以上勤務した人の額の平均です。つまり、相続でもらえる財産の額は、退職金よりも多い、まさに人生最大の収入になるかもしれないのです。

相続こそしっかりとした準備が必要

少しでも資産を増やそうと投資や貯蓄をする時には、少なからず投資対象について調べたり、必要な準備をしますよね。相続も同じです。それどころか、相続で手にする財産は、投資の利益などよりもずっと多いのですから、相続こそしっかりした準備をするべきなのです。

相続は、法律や税金がからむ問題でもあるので、それを知らずにいると思わぬ失敗をすることもあります。また、相続は家族問題を引き起こす可能性も含んでいます。親の相続をきっかけに、家族が不仲になったという話は、皆さんも聞いたことがあるでしょう。

「うちは大丈夫」と思われるかもしれませんが、相続のように大きな金額を手にする機会は、そうそうあるものではありません。事前の準備で防げるものならば、しておいていただきたいと思うのです。いくら財産をもらっても、家族が不仲になってしまっては、意味がありません。

相続で失敗や損はしたくない。嫌な思いも、もちろんしたくない。ならば、事前の準備が大切なのです。ここでは、今すぐ始められる相続準備の4ステップをご紹介します。

相続準備の簡単4ステップ

<ステップ1>どんな財産があるかを、リストアップする

<ステップ2>1をもとに、誰にどの財産を相続させるか考える

<ステップ3>2をもとに、遺言書を作成する

<ステップ4>1をもとに、相続税がかかるか確認する

なんだか面倒くさそうに思うかもしれませんが、これって実は相続の準備をしないまま親が亡くなってしまったら、残された家族がしなければいけないことなんです。

相続対策をしないまま親が亡くなった場合にしなければいけないこと

1. どんな財産があったかをリストアップする

2. 1をもとに、誰がどの財産をもらうかを決める

3. 2をもとに、遺産分割協議書を作る

4. 同時並行で、相続税がかかるかを確認し、かかるなら死亡の日から10カ月以内に相続税の申告をする

どちらも同じことをするのは、おわかりいただけましたよね。どうせ同じことをするなら、財産の持ち主がいたほうがずっとラクです。

1の財産のリストアップについては、どのくらいの財産がどこにあるのかは、財産の持ち主がいちばんよく知っています。同居していない親の財産がどこにあるかわからずに、大変な思いをする人も少なくありません。

2の財産の分け方を決めるのも、財産をもらう者同士が話し合いで決めるのは、至難の業。あげる人が決めたほうがスムーズでもめごとも少なく進められます。

4の相続税は、事前の準備段階で、相続税がかかることがわかっていれば、納税資金の準備もできます。そして、なんといっても相続税は、節税対策の効果が出やすい税金です。事前に対策すれば、税金を大きく減らすことも可能です。

親と一緒に相続対策

そうはいっても、相続財産は親のもの。「勝手なことを言ったりしたりするのは気が引ける」と思うかもしれません。もちろん、親の財産を勝手にどうにかするなんてことはしてはいけません。でも、相続の準備はぜひ親子でやっていただきたいのです。

理由は、3つあります。

1. 相続準備を本人(親)が率先して始めることは少ない

親世代、特に父親は相続対策に消極的な傾向にあります。自分が死んだ後のことを考えるのに抵抗があるのか、はたまた、自分に相続対策なんていらないと思っているのかもしれません。でも、相続の準備はしておいたほうがいいです。事前の準備のほうが相続後の後処理よりも、手間もかからず効果も高いという話は既にお話した通りです。相続準備に乗り気にならない親世代の背中を押すのも子世代の役目だと思うのです。

2. 相続準備には手間がかかる

たとえば、ステップ1の財産リスト作り。持っている財産を探し出し、整理してどんな財産があるかのリストを作るといいのですが、これがけっこう手間がかかります。特に親がパソコンを利用できない場合、財産リストを手書きで作ることになってしまい、大変です。しかも、できれば財産リストは定期的に見直しをしていきたいので、子供がエクセルなどで作成してあげるとスムーズに進めることができます。自分の財産を一覧で見ると、それはそれで感慨深いものがあるようです。


3. 親子で進めるほうが効率がよい

相続対策は、親が勝手にやればいいというものではないと思います。それでは、お互いの気持ちが通じ合わないからです。気恥ずかしいことを言うようですが、相続対策では、家族の気持ちが通じ合うことがとても大事です。相続準備をする時は、家族でたくさん話し合ってほしいと思います。相続について話すということは、それまでの家族の歴史、お互いへの思いを伝え合うことでもあるのです。恥ずかしいことや言いにくいこともあるかもしれませんが、家族の絆が深まること間違いなしなのです。

そろそろお正月。これを機会に家族が集まるというご家庭も多いでしょう。このお正月に思い切って相続対策の話をしてはいかがでしょうか。

▶︎次回は1月9日(水)更新予定
  • 板倉 京(いたくら みやこ)
  • 株式会社WTパートナーズ http://wt-partners.jp/
    代表取締役 税理士 IFA

    成城大学卒業。保険会社・コンサルティング会社、税理士法人等で個人の資産や相続の業務に携わる。資産運用コンサルティングを行う(株)WTパートナーズ代表。NHK『あさイチ』などのテレビ出演や全国での講演、書籍の執筆などの活動も多数。著書に『相続はつらいよ「モメるケース」から考える相続対策』(知恵の森文庫)、『夫に読ませたくない相続の教科書』(文春新書)がある。

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