【今月のお悩み】「独身の私。妹の子供にお祝いをあげるのがもうイヤです」
(群馬県・えつこ・42歳・会社員)
☆辛酸なめ子さんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
愛犬を“息子”と思っている、 ということを行動で示してみては?
「うるさい犬」呼ばわりされるってことは、えつこさんの愛犬は吠えるんでしょうね。それは、えつこさんが妹さんをよく思っていないことを、愛犬もわかっているからなのでは? 頭いいですからね、犬は。彼は大切なお母さん(えつこさん)の味方だから、「早く帰れ!」と言っているつもりで妹さんに向かって吠えているのでしょう。そういう意味ではえつこさんの愛情が、彼にはしっかり伝わっていますね。
でも、妹さんはお姉さんのそんな思いを知らなくて、ただの"ペット”だと思っているんでしょうね。問題は、そこにあるような気がします。
姪っ子さん、あるいは甥っ子さんへのお祝いは、妹さんから「ちょうだいよ」と催促されたんでしょうか。それとも、えつこさん自身が「そういうものだから」とあげているのですか? もし後者なら、えつこさんの自主的な行為ですから、妹さんに何かを期待するのはむずかしいかもしれません。「いや、もう勘弁」と思うなら、勇気を出してその悪しき慣習をやめてみてどうでしょう。
ただ、もし前者……言葉は悪いですが、お祝いを妹さんにせびられているのだとしたら、話はちょっと違ってきますね。当然、えつこさんの愛犬も、おみやげどころかお祝いをもらってもいいですよね。えつこさんの、可愛い息子なんですから。
妹さんも、えつこさんが愛犬をペットではなくて息子だと思っている、ということがわかれば、考えも少し変わるんじゃないでしょうか。
では、そのことをどうやって妹さんに伝えるか。「うちの息子にも、お祝いがほしいわ」とストレートに言いたいところですが、妹さんもよほどの犬好きでなければ、「何よ、犬でしょ」と言われてケンカになりかねません。
だとすると、言葉ではなく行動で示してみたらどうでしょうか。そもそも犬や猫のことを人間と同じように思えない人には、理論よりも、具体的な行動が効果的です。
例えば、「祝・一歳」とか「祝・息子の学校入学」とかって半紙に筆書きして壁に貼って、その下にえつこさんから愛犬へのお祝いの品を置いておく。そう、子供の入学祝いとかって、人さまからいただくだけじゃなくて、親からもあげますから。小学校に上がる時なんて、早々とランドセルを買って飾っておいたりして。えつこさんも息子さんに小さなランドセルをプレゼントして、背負わせたりしてもいいかもしれませんよ。
その様子を見て、妹さんが「人間でもあるまいし」と言ったらそこで「ほかの人はそう思うかもしれないけど、私にとっては大切な息子なの」と説明してください。決して憤慨したりせず、「このせつなる思いをわかってほしい」という感じで。そうすれば妹さんだって、同じ子供をもつ身、「あら、今まで気がつかなかったわ。だったら私もお祝いをあげなくちゃ。うちの子たちにはいつももらっているし」とようやく気づくんじゃないでしょうか。
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●JUN MIURA: イラストレーターなどなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」ほか多くのブームを生み出す。近著に『男気の作法』(マガジンハウス)、『人生エロエロだもの』(文藝春秋)など
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●NAMEKO SHINSAN: 漫画家、コラムニスト。巫女的な感性でアイドル観察からスピリチュアルまで、あらゆる事象を取材。近著に『魂活道場』(学研)、『おしゃ修行』(双葉社)などがある
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