女性のキャリア形成を考えた時に、女性性をいったん横に置いておかないとならない雰囲気をどうにも否定しきれない環境に感じていたのを、女性らしく関与しても決してネガティブにはならないのだ、という気づきがあった本。
その彼女の新書だというので、読んでみたのだが。
夫がいる人生が当たり前(OPTION A)だと思っていた彼女に突き付けられた(OPTION B)という選択。
最良の選択がかなわないときに次の選択に向き合う、その彼女なりの方法をまとめた本であった。
ははあ、なるほど。とうがった見方をするとなるほど前著「LEAN IN」のさわやかな女性キャリアの応援本はOPTION Aの王道をまっすぐ歩いてきたからこその内容だったのだな、と意地悪い感想を持ちながら読み進める。
20代半ばで結婚、退職。20代後半で出産。夫の年収は30歳で1000万。何不自由なく暮らしましたとさ、めでたしめでたし。をOPTION Aとするならば(実際学生時代の青写真はこんなもん)俺の人生全部OPTION Bである。
30代半ばでは「大地の子」にはまり、DVDを酒を飲みながら一気見して、泣きながら無人島の海岸に投げ出されたように床に這いつくばったようなポーズで泥酔のまま目覚める週末が待ち遠しい、という人生である。
いまだに上川隆也さんが日本語を流暢に話すのを違和感を感じながら見るほど、「大地の子」にはまる生活。あの人の本名はルーイーシンではないのか?と。これはOPTIONで言うとAなのかはたまたZなのかはわからない。
そんな話はいいんだ。
ほかにもいろいろな例があるだろうが、本書ではそうした喪失体験や思いもよらないことがらなど「人生の逆境を乗り越える力」をどう実践を通じて身に着けていくか、にフォーカスしている。
印象的な言葉がいくつかある。
・しあわせについては、大きさよりも頻度の方が大切
・リフレーミングという切り口。バツの悪さをユーモアで乗り越える
例えば、歩きながらコケてしまったときに「地面がしゃっくりしたのかしら」なんて感じ。
彼女の気づきが中心の構成なので、読みにくさはあるが、よりよく生きるヒントは見つけられると思うのと、ここまでのトップキャリアの方もこういう葛藤や職場での不安定さをリカバーできないこともあるのだな、という目線も持てる。
こうした本を読むと毎度思うのは、毎日優しい自分でありたいってこと。
明日が無事に来るのが当たり前じゃないと、ふんどしを締めなおすのである。
ふんどし?
かなり長く読みにくいので時間がかかるけどもお勧めの一冊。
本日は以上です。