ー僕が演じたユルは王世子で偉そうで気難しい人物です。反面、ウォンドゥクは天然すぎる人物です。切ない過去の物語から始まる予測のできないロマンティック・コメディです。美しい映像美と俳優の方々の素晴らしい演技が見どころだと思います。
●台本を初めて読んだときの印象は?
ーとても面白かったです!ユルとウォンドゥクを是非演じたいと思いました。
●初時代劇でしたが、どのように準備されましたか?
ー初めての時代劇なので、時代劇ならではの言い方やイントネーションには非常に悩みました。そのため、そういったところを中心にたくさん準備しましたね。また、そのほかでは乗馬や剣術のようなアクションシーンの練習もしました。スケジュールの関係で撮影前に乗馬を習う機会は多くありませんでしたが、その分現場で先生にポイントなどを教えていただき、少しずつ練習しました。危なくないように指導していただき、安全に撮影できました。
●ナム・ジヒョンさんとの初共演はいかがでしたか?
ージヒョンさんに初めてお会いしたときは僕が想像していたイメージ通りの方でした。とても明るくてエネルギーに満ちているイメージを持っていましたが、実際にお会いしたら本当に明るくてエネルギーに溢れていました。ジヒョンさんは子役時代から活動されているので先輩でもあります。現場ではジヒョンさんから学んだことがたくさんあります。ジヒョンさんにいろいろ教えていただいて、たくさん勉強しながら一緒に合わせていきました。とても明るくて、ジヒョンさんの周りにいると、僕はもちろん周りの皆を笑わせてくれるエネルギーに満ちている方です。
●しっかり者のホンシムと天然のウォンドゥクの組み合わせが相性抜群でした。
ージヒョンさんとはたくさん相談しましたね。僕より経験の多い先輩で、ジヒョンさんを通してたくさん学ばせていただきました。“こういうシーンでは、このようにしたら良いんじゃないか。こう見せたら良いんじゃないか。“など、いろいろ相談しながら息を合わせました。
●世子とウォンドゥク、一人二役のような役柄でしたが切り替えはどのような点に気を遣いましたか?
ーユルとウォンドゥクは、結局は一人の人物なので、ユルはこう演じなくては、ウォンドゥクはこう演じなくては、という風には意識していませんでした。僕はその二人の役を同時に演じましたが、むしろソンジュ村と宮中の方々がユルとウォンドゥクのキャラクターが上手く表れるように雰囲気を作ってくださったと思います。それで、自然にユルとウォンドゥクのキャラクターができたのではないかと思います。
●役柄とご自身の似ている点、異なる点は?
ー似ている点は、ユルとウォンドゥクの男らしいところだと思います。ただユルの偉そうで気難しいところは似ていませんね。それから、ウォンドゥクの天然なところは似てないと思います(笑)。
●桜の木の下や菜の花畑など美しい場面が多かったですが、一番印象に残っている場所は?
ー記憶に残っている場所は、ソンジュ村です。順天(スンチョン)の楽安邑城というところで撮影したのですが、撮影中にも感じていましたが、カメラに映される景色がとっても美しくて今でも記憶に残っています。本当に素敵な場所で、春になると花もたくさん咲くので今でも覚えていますね。
●グドル(キム・ギドゥ扮)から恋愛指南を受ける妄想シーンが面白かったですが、撮影時のエピソードを教えてください。
ーグドルに教えてもらった恋愛の指導は、オールドすぎます(笑)。ウォンドゥクは何も知らないので真似しましたが、失敗する場合が多かったです(笑)。撮影中もとても面白くて、笑いながら撮影しました!今は通じない恋愛のコーチを受け、撮影するときは笑いが止まらなくてNGも多かったですね(笑)。
●王宮やウォンドゥクを見守る村の人たちは名脇役がそろいましたが、先輩方からアドバイスなどはありましたか?
ーアドバイスはもちろんですが、とても素晴らしいベテランの先輩方だったので、現場で先輩方の演技を見ることができて、それだけでもとても勉強になりました。悩んでいたところもありましたし、主演は初めてだったのでとても緊張していましたが、先輩方が親切に指導してくださいました。それで、むしろ現場では気楽に楽しく演技できました。
●メイキング映像を見ると現場の雰囲気がとても楽しそうでしたね?
ー現場はいつも楽しかったです!ずっと明るい雰囲気で俳優一人ひとりがエネルギーに満ちていました。現場は笑い声で溢れていましたね。
●撮影現場のムードメーカーは?
ー宮中でのシーンは、暗い面が多いんですが、チョ・ソンハ(在議政 キム・チャオン役)先輩は撮影現場ではとても明るい方です。悪役ですが、チョ・ソンハ先輩のおかげでずっと笑っていました。それからソンジュ村では、イ・ジュヒョク(パク・ボクン役)先輩が誰も真似できないムードメーカーでした!
●笑いが止まらずNGがたくさん出たのでは?
ーその通りです(笑)。NGが一番多かったのは僕だと思います(笑)。現場で笑いを堪えられませんでした。ソンジュ村で撮影するときは僕だけではなく、たくさんの方が笑いすぎてNGをたくさん出しましたね。先ほど申し上げたイ・ジュヒョク先輩は声もそうですし、ただ姿を見るだけで笑ってしまいます。撮影に入れないほど笑ってNGになった記憶があります。あの時はイ・ジュヒョク先輩のおかげで、ものすごく笑いました(笑)。僕だけでなく皆さん笑いすぎてNGを出していましたね(笑)。
●アドリブなどはありましたか?
ー僕はありませんでしたね。台本に忠実に演じていましたが、イ・ジュヒョク先輩やグドル(キム・ギドゥ)など明るいキャラクターはアドリブもたくさんありました。
●チェンさんがOST「桜恋歌」を担当されましたが、チェンさんの歌声とご自身の演技のコラボはいかがでしたか?
ーチェンにはとても感謝しています。まず僕が出たドラマにOSTとして参加してくれただけでもとてもありがたいですし、実は録音する前にそのOSTのガイドボーカルを聞かせていただく機会があったんです。それで“この曲はチェンの声と似合うはずだ“と思いました。それをチェンに言ったところ快くOSTに参加してくれました。チェンが本当に上手ですし、曲も本当に素敵な曲です。ドラマが始まってから、ずっと今でもよく聞いています。
●EXOのメンバーからの反応はありましたか?
ーメンバーからの反応は良かったです!シウミンと、それからチェンも最終回まで本放送を見てくれたんですが、メンバーたちに面白く見てもらえたので、それだけでもすごく嬉しかったです。皆それぞれのスケジュールで忙しいのに、本放送で僕の演技を見守ってくれました。“上手だったね“と言ってくれて、応援してもらえた時が最も力になりましたね。チェンからはドラマを通して今まで見たことがない僕の姿が見えたと言われました。”お前がキスする姿を初めて見た“ と言われましたね。でも僕がキスする姿なんで当然、前にも見ていたらおかしいですよね(笑)。そんな感想を聞いて面白かったですが(笑)。とにかくメンバーたちの応援があって、とても大きな力になりました。
●視聴率公約を達成し、皆さんで「Growl」を披露したのが話題になりましたね。ギョンスさんから見て一番ダンスがうまかった方は?逆に一番教えるのが大変だった方は?
ー一番上手だったのはジヒョンさんだと思います。一つを教えただけで二も三も出来てしまうというか…僕自身も驚くほどでした。ジヒョンさんは元々体を使うのが上手で教える必要がないくらいでした。教えるのが大変だった方は…大変だったというよりは…俳優の皆さんは今まで体を使ったことがあまりないと思っていたのですが、皆さんとてもお上手で驚きました。そんな中でもどなたか挙げるとすれば、キム・ソノ(チョン・ジェユン役)さん、ハン・ソヒ(世子嬪 キム・ソヘ役)さんでした(笑)。お二人はダンスは苦手のようでした(笑)。
●本作がギョンスさんに残したものは?
ー僕にとっては・・・「100日の郎君様」はとても意味のある幸せな作品です。本当に想像もしなかったような良い反響をいただけ、今でも感謝しています。僕にとっていつも大きな応援になる作品として生涯残ると思います。
●100日間だけ○○になれる!としたら何かなってみたいものはありますか?
ー僕は何かに変わるより、挑戦したいものはありますね。料理を作ったり、美味しいものを食べるのが好きなので、もし100日だけ何かできるとしたら歌手や俳優を離れて調理の資格をとったりレストランのシェフに挑戦してみたいです。
●素敵なキスシーンが何度もありましたが、キスシーンの撮影はいかがでしたか?
ーどうすれば綺麗なシーンができるかたくさん悩みましたね。監督と相談し合い、カメラ監督が素敵に撮ってくださいました。またジヒョンさんともお互いに相談しながら作っていきましたね。
●ウォンドゥクになったあとも抜けない世子口調が面白かったです。世子の口調は演じながら難しくはなかったですか?
ー難しいとは思いませんでした。ユルとウォンドゥクは結局、一人の人物ですからね。僕は同じように演じていました。大変だったというよりその部分が面白かったですね。世子の習慣として残っているので、ソンジュ村にいってからも目上の方に向かって命令したり馴れ馴れしい言葉で話したりして(笑)。ソンジュ村の人からすると“こいつは何なんだ”という雰囲気になるのですが(笑)。ソンジュ村の人々には想像できない言行をできたので面白かったです。大変だったというよりは、村で子どものようないたずらっ気のあるような演技ができ面白かったです。
●世子としての衣装とウォンドゥクになってからでは正反対の身分でしたが初の韓服はいかがでしたか。
ー確かに暑かったのですが、時代劇の衣装を着る機会はなかなかないので、僕には新鮮な経験でした。しかも宮中での韓服も着ることができて“昔はこういった服を着て生活してきたんだ“といろいろ勉強になりました。ウォンドゥクとユルは正反対でしたが、宮中では派手な装飾品も身につけていたので、世子の衣装は実は少し不便なんです。一方ウォンドゥクになってからの韓服は質素で着やすいので、個人的には宮中での衣装よりすぐ着替えられる民服の方が動きやすくてよかったですね。
●今後演じてみたい役柄は?
ー役を考えて決めてはいません。全てのジャンルに興味があるので、僕が挑戦できるならばジャンルの区分なく演じてみたいと思っています。その中でも特に挙げるとすると個人的には人間らしさが感じられるヒューマンドラマのようなジャンルが好きなのでそういった作品に参加してみたいです。
●2014年に俳優デビュー後、転機となった作品はありますか?
ーあらゆる作品が僕のターニングポイントになったと思っています。作品ごとに感じたことや勉強になったことがあります。一つひとつの作品が終わるたびに意欲も溢れますし、また挑戦したくなります。「100日の郎君様」を終えた今も新しいキャラクターを早く演じてみたいと思っています。機会があれば躊躇なく挑戦し続けたいですね。
●最後に放送を楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします。
ー日本の皆さんこんにちは。「100日の郎君様」が日本で放送されると聞いて、緊張していますが、日本の皆さんは、どのように「100日の郎君様」をご覧くださるかとてもときめいています。とても幸せで温かい、ものすごく面白いドラマです。たくさんの期待をお願いいたします。
桂まり●かつらまり 韓流予報士(?)。温泉保養士。「SPUR」や「eclat」などで、トラベル、フード記事など担当するライター。趣味は各国で料理教室に行くこと。「専門外ではありますが、泣いて笑って癒される韓流ドラマのお勧めを不定期で紹介します」