そこで今週、ご紹介するのは、蜜野まこと先生の人気作『お迎え渋谷くん』。ヒロインは、保育園で忙しい毎日を送る保育士6年目の青田愛花(28歳)です。子どもが大好きで、仕事にやりがいも感じているけれど、真面目で実直な性格のせいで、仕事の負担は増えるばかり。「平和のコツは、だれかが多めに働くこと」がモットーの彼女もさすがにお疲れ気味。
そんな生まじめな愛花の日常に変化をもたらしたのは、園児・音夢(2歳)の年の離れた兄・大海(21歳)の存在。頼りにならない親に代わって、妹の送り迎えをするようになった大海と愛花は、ちょくちょく顔を合わせるように。最初は父兄と担任という関係だった二人ですが、次第に惹かれていきます。
じつは大海は、今売り出し中のイケメン俳優。女の子にモテモテかと思いきや、今まで誰ともつきあったことがないという恋愛初心者。愛花に恋して、初めての「胸キュン」を経験するものの、どうアプローチしていいかわからず、その言動はあやしくなるばかり。一方の愛花も父兄との恋がタブーと知りつつ、大海から目が離せなくなります。二人のもどかしい純愛にキュンキュンさせられるラブコメです。
この作品のパクチー先輩のツボは、なんといっても大海くんのギャップキャラ。見た目は、いかにも今どきの男の子って感じなんですよね。サラッとした草食っぽい雰囲気だけど、意外とドライに女の子と遊んでる……みたいな。ところが大海くんは、見た目とは裏腹に、不器用で、うじうじとしめっぽくて、愚直な性格。
そんな奥手の大海をけしかける、ぶっちゃけキャラのマネージャー・品川さん。さらに大海にライバル心を燃やしながらも、結局は恋の手助けをしちゃう俳優仲間の神田隆平など、サブキャラも生き生きとしていて魅力的。大海の狙っていない素の表情にハマっていく愛花の気持ちもわかるわ~。
パクチー先輩にとって、これまで芸能人で「渋谷」といえば、「哲平」だったけど(わからない人はわからなくていいんです、Deep!)、これからは大海も注目ですよん!
それでは試し読み、どうぞ~!
漫画大好きライター。女性誌や男性誌でインタビューやカルチャー企画を担当。手塚治虫の「W3」でマンガ愛に目覚める。「パクチーが持つ効能のように、みなさんの体内の毒素を排出してくれるような漫画を紹介していきたいと思います」